3696 セレスの業績について考察してみた

3696 セレスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q4 2023.12 6,777 382 5.64%
FY2024.Q1 2024.03 6,718 713 10.61%
FY2024.Q2 2024.06 6,433 98 1.52%
FY2024.Q3 2024.09 7,067 618 8.74%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q1 2017.03 1,064 169 15.88%
FY2017.Q2 2017.06 967 19 1.96%
FY2017.Q3 2017.09 1,957 802 40.98%
FY2017.Q4 2017.12 1,412 -35 -2.48%
FY2018.Q1 2018.03 1,712 36 2.1%
FY2018.Q2 2018.06 2,641 611 23.14%
FY2018.Q3 2018.09 3,026 293 9.68%
FY2018.Q4 2018.12 3,327 281 8.45%
FY2019.Q1 2019.03 4,060 220 5.42%
FY2019.Q2 2019.06 3,695 162 4.38%
FY2019.Q3 2019.09 4,278 245 5.73%
FY2019.Q4 2019.12 4,477 253 5.65%
FY2020.Q1 2020.03 4,605 501 10.88%
FY2020.Q2 2020.06 4,993 308 6.17%
FY2020.Q3 2020.09 4,983 439 8.81%
FY2020.Q4 2020.12 5,632 248 4.4%
FY2021.Q1 2021.03 6,467 1,049 16.22%
FY2021.Q2 2021.06 6,400 626 9.78%
FY2021.Q3 2021.09 5,354 568 10.61%
FY2021.Q4 2021.12 5,181 62 1.2%
FY2022.Q1 2022.03 4,709 594 12.61%
FY2022.Q2 2022.06 4,889 3 0.06%
FY2022.Q3 2022.09 5,414 370 6.83%
FY2022.Q4 2022.12 5,524 279 5.05%
FY2023.Q1 2023.03 5,525 253 4.58%
FY2023.Q2 2023.06 5,695 213 3.74%
FY2023.Q3 2023.09 6,073 270 4.45%
FY2023.Q4 2023.12 6,777 382 5.64%
FY2024.Q1 2024.03 6,718 713 10.61%
FY2024.Q2 2024.06 6,433 98 1.52%
FY2024.Q3 2024.09 7,067 618 8.74%

沿革

2005年1月株式会社セレスを設立、同年5月よりポイントサイト「モッピー」のサービスを提供開始。20014年10月東証マザーズに上場。2016年12月東証一部へ変更。2017年12月暗号資産関連事業を行う子会社、株式会社マーキュリーを設立。2020年7月フリーランス向けの資金調達支援サービス「nugget」を提供開始。2021年3月子会社の株式会社マーキュリーが暗号資産取引所「CoinTrade」を開業。2022年4月東証の市場区分見直しによりプライム市場へ移行。ポイントサイト「モッピー」の運営やアフィリエイト運営を柱とし、ブロックチェーンやファクタリングサービスも提供

株主構成

有価証券報告書によると2022年6月末時点の筆頭株主は、日本カストディ銀行の信託口で保有割合12.58%。次いで代表取締役社長の都木聡氏が設立した有限会社ジュノー・アン ド・カンパニーで10.45%、なお同氏は個人でも5.58%を保有し、併せて16.03%の保有。日本マスタートラスト信託銀行の信託口が7.72%で続き、以降は保有割合5%未満で前取締役の高橋秀明氏、インキュベイトキャピタル5号投資事業有限責任組合、4751サイバーエージェントなどが並ぶ。尚、大量保有報告書によるとインベスコキャピタルマネジメントの保有割合が5.70%であると報告されている。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は9名(社内5名、社外4名)、うち監査等委員3名 (全員社外)、監査等委員会設置会社である。取締役副社長の野崎哲也氏は2122インタースペースを経て、2007年4月同社へ入社。2009年3月より取締役。常務取締役の小林保裕氏は第一生命保険株式会社と三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社を経て、2006年10月同社取締役へ就任。取締役の吉田教充氏は9719SCSKや2432ディー・エヌ・エー等を経て、2017年3月へ同社に入社。他1名の取締役はプロパーである。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の都木聡氏は1971年11月生まれ。上智大学経済学部を卒業後、野村證券株式会社と4751サイバーエージェントを経て、2005年1月に同社を設立。連結子会社の代表取締役も兼任する。

報告セグメント

「モバイルサービス事業」と「フィナンシャルサービス事業」の2報告セグメントに大別される。2022年12月期第3四半期累計期間の売上高15,012百万円の98.9%と大半がモバイルサービス事業による売上高で、フィナンシャルサービス事業の売上高比率は僅少である。セグメント利益はモバイルサービス事業が利益率10%台で推移しており、フィナンシャルサービス事業は前年同期の黒字から赤転となった。連結営業利益は967百万円であった。

事業モデル

モバイルサービス事業は、ポイントメディアに加え、アフィリエイトプログラムやコンテンツメディアを、子会社の株式会社ゆめみではDX支援を行う。ポイントメディアでは、日本最大規模のポイントサイト「モッピー」を運営。サイトの登録会員は広告閲覧やアプリのダウンロード等のアクションに応じて、現金や電子マネーと交換可能なポイントを獲得できる。同サイトの主な収入源はアフィリエイト広告収入である。アクティブユーザー数は421万人を超える。2021年夏以降に銀行振り込みやクレジットカードによるサイト内へのポイントチャージ機能や、実店舗でのスマホ決済、ユーザ間でのポイント送金機能を随時搭載予定であり、アクティブユーザーの獲得を狙う。

2022年12月期第3四半期決算説明資料

コンテンツメディアでは、採用課金型求人サイト「モッピーバイト」やゲームアプリ情報サイト「LookApp」等の各種メディアの運営を行う。主な収入源は各種メディアを通したアフィリエイト広告収入と課金収入である。アフィリエイトプログラムではポイントメディアとコンテンツメディアを活かして、自社アフィリエイトプログラム「AD.TRACK」を運営。自社及び他社メディアでの広告配信を通した代理店収入獲得を目指す
フィナンシャルサービス事業は、暗号資産関連事業とファクタリングサービス事業、投資育成事業から構成される。暗号資産関連事業では連結子会社の株式会社マーキュリーにて、暗号資産販売所「CoinTrade」を運営ファクタリングサービスではフリーランス向け資金調達支援サービス「nugget」を提供。独自のアルゴリズムに基づいて請求書の買い取りを行い、最短60分で資金調達が可能なシステムを展開する。投資育成事業では、同社事業に関連するベンチャー企業に投資を行い、投資リターンによる収益確保を目指す。

競合他社

ポイントサイトを運営する競合として、子会社にて「ECナビ」を運営する3688CARTA HOLDINGS(2021年12月期売上高25,821百万円)や、「Point Town」を運営する6180GMOメディア(同8,575百万円)など、複数の競合が存在する。フィナンシャルサービス事業では暗号資産交換所「Zaif」を運営する2315CAICA DIGITAL(2021年10月期売上高5,946百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

連結子会社6社と持分法適用関連会社1社を持つ。主要な連結子会社はモバイルサービス事業におけるデジタルトランスフォーメーション事業を担う株式会社ゆめみと、フィナンシャルサービス事業における暗号資産関連事業を担う株式会社マーキュリーである。

強み・弱み

日本最大級のポイントサイト「モッピー」の媒体力は強み。またモッピーの持つ媒体力を起点に、自社アフィリエイトプログラム「AD.TRACK」やデジタルトランスフォーメーション事業を組み合わせ、収益多角化を図っている。一方で、既存のモバイルサービス事業とは領域の大きく異なるファイナンシャル事業で、規制業法への適切な対応や信用リスク等の管理を遵守しながら事業として収益化していけるかは懸念点である。

KPI

①ポイントメディア「モッピー」会員数、アプリダウンロード数

2022年12月期第3四半期決算説明資料

②仮想通貨取扱銘柄数、ステーキング総額

2022年12月期第3四半期決算説明資料

業績

確認可能な2012年12月期から、2021年12月期まで業容拡大により連続増収。但し2022年12月期はフィナンシャルサービス事業の減収(前期の株式売却による5.6億円の剥落)等により、全体でも減収を見込んでいる。利益面はフィナンシャルサービス事業における投資育成事業にて減損処理を行ったことから2019年12月期に減益となったが、以降は順調に利益を拡大させている。フリーCFは投資CFのマイナスが大きく安定しない。自己資本比率は2021年12月期末44.8%で前期末からは上昇も長期的には低下有利子負債の増加がみられる。

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