3150 グリムスの業績について考察してみた

3150 グリムスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2005年7月東京都に株式会社ユビキタスエナジーを設立してエネルギーコストソリューション事業を開始。2007年7月エコロジーソリューション事業(現:スマートハウスプロジェクト事業)を開始。2010年4月グリーンハウスプロジェクト事業(現:スマートハウスプロジェクト事業)を開始。2011年4月持株会社に移行して商号を株式会社グリムスへ変更。2011年7月ウォーターサーバー事業(現:スマートハウスプロジェクト事業)を開始。2014年3月再生可能エネルギー開発事業を開始。2016年12月小売電気事業を開始。2009年3月ジャスダック証券取引所へ上場、2020年6月東証2部へ市場変更、2020年11月東証1部へ指定替え(現在は東証プライム市場)。法人向けの省エネコンサルや設備の提供、住宅用の太陽光発電システムの製造販売、小売電気事業を営む

株主構成

有価証券報告書によると、2022年3月末時点の筆頭株主は同社代表取締役社長の田中政臣氏(自己株式除く発行済株式総数に対する所有割合48.91%)、続いて包括的協業契約を締結しているエナリス(同7.46%)、その他は役員や信託銀行等の信託口の保有が並ぶ。

取締役会

取締役は9名(社内5名、社外4名)で、社外取締役4名のうち3名は監査等委員(常勤1名)である。監査等委員会設置会社である。代表取締役社長の田中政臣氏、代表取締役副社長の那須慎一氏のほか、取締役は株式会社テレウェイブ(現株式会社アイフラッグ)での勤務経験を有するメンバーが多い。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の田中政臣氏は1978年10月生まれ。1999年10月株式会社テレウィエブ(現:アイフラッグ)入社、取締役を経て、2005年7月株式会社グリムスを設立、代表取締役社長に就任(現任)。
代表取締役副社長の那須慎一氏は1975年11月生まれ。1999年10月株式会社テレウィエブ(現:アイフラッグ)入社、取締役を経て、2006年7月株式会社グリムス取締役に就任、2013年6月株式会社グリムス代表取締役副社長に就任(現任)。

報告セグメント

「エネルギーコストソリューション事業」、「スマートハウスプロジェクト事業」、「小売電気事業」の3セグメント。2022年3月期の売上高(23,252百万円)の構成比は、エネルギーコストソリューション事業22.0%スマートハウスプロジェクト事業19.5%小売電気事業58.5%だった。営業利益(全社費用等調整前3,153百万円)の構成比は、エネルギーコストソリューション事業65.9%スマートハウスプロジェクト事業19.9%小売電気事業14.1%だった。足もとの燃料価格・電力調達コストの上昇といった環境変化に鑑みて、今後は事業用太陽光発電システムを主に取り扱う「エネルギーコストソリューション事業」を成長戦略と位置付けることにしている。

2022年3月期 決算説明資料

事業モデル

エネルギーコストソリューション事業は、法人向けにエネルギーコストの削減を提案する事業である。電力基本料金削減コンサルティング、高圧電力需要家向け電力取次、省エネ設備(LED照明・業務用エアコン等)販売などを行っている。
スマートハウスプロジェクト事業は、住宅用太陽光発電システム・蓄電池等のエネルギー関連製品の販売、及び再生可能エネルギー開発事業を行っている。再生可能エネルギー開発事業は自社で太陽光発電所を保有し、売電収入を得ている。
小売電気事業は、2016年11月に小売電気事業者として登録を受け、低圧及び高圧電力需要家に対して電力の小売を行っている。

競合他社

省エネコンサルティング・機器販売、再生可能エネルギー(太陽光・風力・木質バイオマス発電)関連、電力小売関連は競合企業が多い。省エネルギー事業のパイオニアである1711SDSホールディングス(2022年3月期売上高1,034百万円)、バイオマス発電事業を主力とする9514エフオン(2021年6月期売上高13,144百万円)、アブラ椰子の殻によるバイオマス発電の燃料調達から発電・売電までを手掛け、ベトナムでの発電所建設を進めている9517イーレックス(2022年3月期売上高230,502百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

連結子会社は、株式会社GRコンサルティング(エネルギーコストソリューション事業)、株式会社グリムスパワー(エネルギーコストソリューション事業、小売電気事業)、株式会社グリムスソーラー(スマートハウスプロジェクト事業)の3社である。

強み・弱み

電力の運用改善・設備改善・調達改善を、低圧電力から高圧電力まで全ての領域で提供できるトータルエネルギーソリューションを特徴・強みとしている。スマートハウスプロジェクト事業のエネルギー関連製品販売では、VPP(バーチャルパワープラント=需要側のエネルギーリソースをまとめて制御することにより、あたかも一つの発電所のように利用する仕組みのこと)を活用した販売などで、他社との差別化を図っている。政府が二酸化炭素(CO2)など地球温暖化につながるガスの排出量を2050年に実質ゼロとする目標を掲げたため、省エネ・再生可能エネルギー関連の市場は成長が期待されている。ただし競合企業が多い。また、スマートハウスプロジェクト事業では太陽光発電の売電収入が天候や補助金の影響を受け、小売電気事業では電力調達価格の変動などもリスク要因となる。同社では、2023年3月期に向けて、従来は小売電力事業を成長ドライバーに位置づけていたが、昨今の燃料価格・電力調達コストの高騰といった環境変化を受けて、事業用太陽光発電システムを中心としたエネルギーコストソリューション事業に成長の軸足を移す決定を行っている。

KPI

同社の主要ビジネスである小売電気事業の契約口数が重要なKPIと想定される。
①    契約口数 47,118口 (2021年12月末)

2022年3月期第2四半期 決算説明資料

業績

2022年3月期の連結業績は、売上高は17期連続増収(2006年3月期180百万円から、2020年3月期23,252百万円)を達成している。営業利益は、2021年3月期に冬場の電力価格高騰の影響から小売電気事業が営業損失に陥ったことで減益となったが、2022年3月期は営業黒字を回復し、全社ベースでも過去最高益を更新している(2,450百万円)。2022年3月期の営業活動によるキャッシュフローは売上債権の増加などを受けてマイナス。ただ、現金及び現金同等物の残高の範囲内であり、今のところ、財務の健全性に大きな課題は見当たらない。
2022年3月期の連結業績予想は、売上高が2022年3月期比18.4%増の27,526百万円、営業利益が10.2%増の2,700百万円としている。18期連続増収、営業最高益更新と好調な業績が継続することを見込んでいる

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