2120 LIFULLの業績について考察してみた

2120 LIFULLの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2024.Q1 2023.12 8,190 -52 -0.63%
FY2024.Q2 2024.03 9,170 1,023 11.16%
FY2024.Q3 2024.06 8,479 446 5.26%
FY2024.Q4 2024.09 8,627 -4,658 -53.99%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.03 9,056 1,023 11.3%
FY2017.Q3 2017.06 7,793 205 2.63%
FY2017.Q4 2017.09 8,155 811 9.94%
FY2018.Q1 2017.12 8,128 1,134 13.95%
FY2018.Q2 2018.03 9,541 1,358 14.23%
FY2018.Q3 2018.06 8,346 1,143 13.7%
FY2018.Q4 2018.09 8,549 680 7.95%
FY2019.Q1 2018.12 8,391 1,629 19.41%
FY2019.Q2 2019.03 11,208 90 0.8%
FY2019.Q3 2019.06 9,753 1,664 17.06%
FY2019.Q4 2019.09 9,945 801 8.05%
FY2020.Q1 2019.12 9,202 1,044 11.35%
FY2020.Q2 2020.03 9,983 1,394 13.96%
FY2020.Q3 2020.06 7,707 1,248 16.19%
FY2020.Q4 2020.09 8,510 -1,201 -14.11%
FY2021.Q1 2020.12 8,271 775 9.37%
FY2021.Q2 2021.03 9,581 1,012 10.56%
FY2021.Q3 2021.06 9,073 689 7.59%
FY2021.Q4 2021.09 8,932 -9,120 -102.1%
FY2022.Q1 2021.12 8,510 588 6.91%
FY2022.Q2 2022.03 9,530 -66 -0.69%
FY2022.Q3 2022.06 8,646 109 1.26%
FY2022.Q4 2022.09 9,044 1,050 11.61%
FY2023.Q1 2022.12 7,583 828 10.92%
FY2023.Q2 2023.03 11,585 931 8.04%
FY2023.Q3 2023.06 8,826 733 8.31%
FY2023.Q4 2023.09 8,411 -533 -6.34%
FY2024.Q1 2023.12 8,190 -52 -0.63%
FY2024.Q2 2024.03 9,170 1,023 11.16%
FY2024.Q3 2024.06 8,479 446 5.26%
FY2024.Q4 2024.09 8,627 -4,658 -53.99%

沿革

1997年3月、神奈川県において不動産物件情報を無料閲覧できるサービス業務を目的に、株式会社ネクストとして設立。同年4月、不動産・住宅情報サイト「HOME’S(現:LIFULL HOME’S)」の、不動産業界向けASPサービスの提供を開始する。2002年1月、4755楽天グループと資本提携し、同社が持分法適用会社となる。2006年10月に東証マザーズへ上場、2010年3月には東証一部へ変更。現在は東証プライム。2017年6月、株式会社LIFULLへ商号変更した。

事業戦略説明資料(2021年12月)

株主構成

参照日時:2023/03/31

氏名又は名称所有株式数割合
井上 高志42,476,70033.19%
楽天グループ株式会社23,797,10018.59%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)11,237,1008.78%
株式会社日本カストディ銀行(信託口)10,327,0008.07%
THE BANK OF NEW YORK MELLON140040(常任代理人 株式会社みずほ銀行 )5,429,9004.24%
CEP LUX-ORBIS SICAV3,448,2002.69%
五味 大輔3,300,0002.58%
2,834,2002.21%
CBS/DCV CLIENTS|(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行 )2,488,4551.94%
LIFULL従業員持株会1,288,5591.01%

取締役会

参照日時:2022/09/30

役職名・氏名生年月日任期所有株式数
代表取締役社長執行役員
井 上 高 志
1968年11月23日2022年12月~2024年12月27,941,000
取締役執行役員 LIFULL HOME’S事業本部長
伊 東 祐 司
1982年11月19日2022年12月~2024年12月13,500
取締役執行役員AI戦略室長兼LIFULL HOME'S事業本部事業開発部長
山 田 貴 士
1973年10月16日2022年12月~2024年12月163,200
取締役
小 林 正 忠
1971年6月8日2022年12月~2024年12月-
取締役
中 尾 隆 一 郎
1964年5月15日2022年12月~2024年12月-
取締役
大 久 保 和 孝
1973年3月22日2022年12月~2024年12月7,400
取締役
木 村 尚 敬
1968年7月8日2022年12月~2024年12月-
取締役
清 水 哲 朗
1967年10月11日2022年12月~2024年12月1,000
常勤監査役
宍 戸 潔
1956年12月24日2020年12月~2024年12月10,800
監査役
中 森 真 紀 子
1963年8月18日2020年12月~2024年12月-
監査役
松 嶋 希 会
1975年8月2日2020年12月~2024年12月-
監査役
西垣 淳
1961年9月30日2022年12月~2024年12月-

(注) 1 取締役小林正忠、中尾隆一郎、大久保和孝、木村尚敬、清水哲朗は、社外取締役であります。

2 監査役宍戸潔、中森真紀子、松嶋希会、西垣淳は、社外監査役であります。

3 当社では、意思決定・監督と執行の分離による取締役会の活性化のため、執行役員制度を導入しております。執行役員は、取締役兼務執行役員の3名を除き、人事本部長 羽田幸広、クリエイティブ本部長 川嵜鋼平、グループ経営推進本部長 福澤秀一、テクノロジー本部長 長沢翼の4名であります。

※有価証券報告書から抜粋

代表取締役の経歴

代表取締役社長の井上高志氏は1968年11月生まれ。青山学院大学を卒業後、株式会社リクルートコスモス(現:8844コスモスイニシア)に入社。1992年4月に株式会社リクルート (現:6098リクルートホールディングス)へ転籍。「不動産業界の仕組みを変えたい」との強い想いを抱き、1997年に独立。日本中の物件のデータベース化を目指し、同社の前身となる株式会社ネクストを設立した。
同社事業のほか、ベナン共和国の産業支援プロジェクトを個人で展開する。また一般財団法人PEACE DAYの代表理事を務めるなど、世界平和に関する活動を積極的におこなっている。

報告セグメント

2023年12月期 参照日時:2023/12/31

セグメント売上高(百万円)
HOME‘S関連事業5,527
海外2,093

「HOME’S関連事業」、「海外事業」の2報告セグメントに大別される。直近2022年9月期第2四半期累計では、売上収益18,040百万円の73.3%がHOME’S関連事業、19.7%が海外事業で計上されている。主軸サービスのLIFULL HOME’Sによる売上収益は全体の61.9%を占める。一方セグメント利益については、HOME’S関連事業が227百万円、海外事業が523百万円と多寡が逆転している。

会社資料よりPERAGARU_BLOG作成

事業モデル

HOME’S関連事業は、不動産·住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」の運営を主軸とする。同サイトは不動産事業者が物件情報を掲載するプラットフォームの役割を果たす。毎月定額料金を徴収するサブスクリプション型のビジネスモデルを基本に、ユーザーからの問い合わせ利用料が上乗せされる。そのほか不動産事業者に対するインターネット・マーケティングサービスも手がけており、広告販売料、コンサルティング料が収益源となる。
海外事業は、不動産・住宅、中古車、求人、ファッション等のアグリゲーションサイトを用いた広告収入によるビジネスモデル。同社が活用するWEBサービスは世界の60を超える国や地域で展開しており、不動産領域でのサイト訪問者数は世界最大級を誇る。2022年1月には中南米の不動産ポータルサイト「Properati」を事業譲受し、中南米での収益拡大に注力する模様だ。
その他事業は、老人ホーム・介護施設の検索サイトやレンタル収納スペース情報検索サイトの運営、地方創生事業などから構成されている。
同社の主要顧客である建設・不動産業界については、新設住宅着工件数が低水準で推移するものの、首都圏の新築分譲マンション発売件数・中古マンションの成約件数はコロナ禍前の水準に回復。リモートワークの普及によって住まいへの意識が高まりを見せる。
インターネット広告市場に目を移すと、2020年で2.2兆円規模となり、7年連続で拡大。従来のマスメディア広告からインターネット広告への移行トレンドが背景にある。

事業戦略説明資料(2021年12月)

競合他社

  • 株式会社リクルート住まいカンパニー
  • アットホーム株式会社

連結の範囲

連結子会社38社(国内13社、海外25社)、持分法適用会社4社で構成される。このうち主要な子会社は、海外事業の中核を担うLIFULL CONNECT S.L.Uである。
2022年5月に、中南米で不動産事業者向けサービスを提供するWASI社を子会社化する予定。
なお、同社は4755楽天グループの持分法適用関連会社に該当する。

強み・弱み

顧客に対して、シームレスなプロモーション展開を提供できる点が強み。
同社グループは「HOME’S」をはじめ、顧客の自社サイト構築、広告運用、データ分析、ツール導入などのサービスを提供している。こうしたサービスの組み合わせによって、顧客のプロモーション展開を厚くサポートできる。懸念材料はインターネット広告業界における競争の激化といえる。市場は拡大傾向にあるものの、参入障壁が低い点や差別化が難しい点から、新規参入が増加するとみられる。

KPI

同社は顧客数ARPA(1顧客あたり平均売上高)を重要指標に掲げているため、両数値がKPIとなりうる。以下①②は2021年10月~2022年3月の平均値である。
①顧客数:28,668(前年同期間比+390)
②ARPA:76,856円(前年同期間比▲4.2%)

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