7044 ピアラの業績について考察してみた

7044 ピアラの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2004年3月有限会社ピアラとして東京都で設立。2005年8月株式会社に組織変更。2008年9月ECシステム「JOY EC」と、クローズ型アフィリエイトASP「RESULT PLUS」を提供開始。2012年9月AI搭載マーケティングツール「JOY MASTER」提供開始。2018年12月東証マザーズ上場、2020年7月東証一部へ変更。化粧品や健康食品等の「ビューティー&ヘルス及び食品」領域に特化して、マーケティング支援サービスを成果報酬型で提供

株主構成

有価証券報告書によると2020年6月末時点の大株主は、代表取締役社長飛鳥貴雄氏の資産管理会社であるFLYING BIRD株式会社が26.0%、同氏個人で18.9%を保有し、併せて44.9%を保有。常務取締役の根来伸吉氏が3.8%を保有。B Dash Venturesが11.2%保有するほかや三菱UFJキャピタルや信託銀行の信託口なども並ぶ。

取締役会

取締役は6名(社内4名、社外2名)、監査役は3名(全員社外、1名は常勤)、監査役会設置会社である。代表取締役社長以外の社内取締役3名はいずれも中途入社で、経歴や入社時期は様々。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の飛鳥貴雄氏は1975年5月生まれ。早稲田大学を卒業後、トリンプ・インターナショナル・ジャパン株式会社に入社。その後2004年3月に同社を設立。

報告セグメント

「EC支援事業」の単一セグメント。2019年12月期売上高13,566百万円のサービス別の構成は、ECマーケティングテックが10,020百万円で73.9%、広告マーケティングが3,460百万円で25.5%、その他が85百万円で0.6%を占める。サービス別の利益開示はない、連結営業利益は408百万円であった。

事業モデル

主に化粧品や健康食品等の「ビューティー&ヘルス及び食品」領域に特化して、ECを運営するクライアントへ新規顧客獲得から顧客育成までの各種マーケティング支援を行う。
ECマーケティングテックでは、独自開発した「RESULTシリーズ」を利用したKPI保証型(成果報酬型)の総合支援サービスを提供。「RESULTシリーズ」の核となる「RESULT MASTER」は、同社が手掛けた800社以上のマーケティング支援におけるノウハウや独自のデータ蓄積をもとに、領域特化型のDMP(Data Management Platform)とAIを搭載したマーケティングツールである。「KPI保証」とは、新規顧客獲得単価(クライアント側のコスト)や顧客育成単価を同社が保証すること。これにより顧客はマーケティングコストを最適化でき、同社は広告の出稿媒体の選定などを一任される形で成功した手法を横展開できる、効率的な運営を実現。マーケティング支援を手掛ける顧客の商品がヒットすれば当社の収益も増える仕組み
広告マーケティングは「RESULTシリーズ」を利用しない手数料型を中心としたマーケティング支援サービス。通販企業の会報誌や商品などにチラシやパンフレットを同梱し、特定ユーザーに発送する同封コンシェルジュサービスやDM広告サービスなどが大半を占める。テレマーケティングやイベントプロモーション、インフルエンサーを活用したバズマーケティングなどのサービスを提供。
相手先別の販売実績と総販売実績に対する割合として2019年12月時点では株式会社アイム20.5%と株式会社ニコリオ14.8%が挙がっている。両社ともスキンケア商品やサプリメントを通信販売する事業者で前者は「ライスフォース」などの有名ブランドを持つ。
上述の主力事業に加えて、中期計画で示した高粗利モデルへの移管として新規事業を中心としたポートフォリオへの転換を試みている。越境EC支援やCRMの展開、新規事業などを展開している。

2020年12月期 決算説明資料(決算補足資料)

競合他社

EC支援事業を行う類似企業として、3655ブレインパッド(直近決算期売上高66億円)、3985テモナ(直近決算期売上高15億円)などが挙げられる。

連結の範囲

同社の事業は、同社及び連結子会社6社により構成されている。連結子会社は、国内1社、海外5社で、国内子会社は、沖縄にマーケティングオートメーションの研究やアプリケーションソフトの開発を行う1社。海外子会社は、タイにシステム開発や運用保守管理業務を行う1社、中国にマーケティング企画や広告運用等を行う1社、台湾、タイ、ベトナムに越境EC支援や輸入請負販売代行サービスを行う3社。

強み・弱み

KPI保証型のビジネスモデルは、顧客から見て新規顧客獲得などの成果に応じて費用が生じるため、サービスを導入しやすく、特定領域での実績を持つことも強みとなる。一方で、マーケティング業界はデジタルシフトや新たな媒体の出現などの変化が激しく、エンジニアの採用・育成や環境整備、マーケティングに関するノウハウや技術などの取得、技術革新への対応などが遅れた場合の業績への影響が懸念される。

2020年12月期 決算説明資料(決算補足資料)

KPI

成果報酬型のためマーケティング支援を提供するブランドのSNSフォローワー数などがKPIとなり得るが、導入先の開示がない。中期計画で売上高の成長率と利益率を重視し、新規事業への移行を掲げているためそれら事業の進捗はニュースリリースなどで動向の確認が可能である。

業績

2016年12月期から2020年12月期までの4年間で、売上高は2.4倍、経常利益は5.1倍となった。国内におけるビューティ&ヘルスや食品市場の拡大が続いていることや、通販企業のインターネットやSNSを活用したマーケティング施策が活発化していることが背景にある。営業CFは、2017年12月期以降はプラスで、投資CFは恒常的にマイナス。2020年12月期の自己資本比率は43.6%。