6184 鎌倉新書の業績について考察してみた

6184 鎌倉新書の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1984年4月、東京都において仏壇仏具業界向け書籍の出版を目的に株式会社鎌倉新書として設立された。2000年には全国の葬儀社検索、葬儀に関する情報サイト「いい葬儀」を開始。また2003年、「いいお墓」、「いい仏壇」を開始する。2015年12月、東証マザーズに上場し、2017年7月に東証一部へ市場変更をおこなう。2020年、「いい相続」を開始している。

株主構成

有価証券報告書によると2021年7月末時点の筆頭株主は代表取締役会長CEOの清水祐孝氏で29.3%を保有する。次いで同氏の関連会社とみられる株式会社かまくらホールディングスが8.25%、日本マスタートラスト信託銀行の信託口が6.9%を保有。以下、保有割合5%未満で国内外の金融機関が名を連ねる。直近の変更報告書でベイリー・ギフォード・アンド・カンパニーの保有が確認される。なお、外国人株式保有比率は10%未満である。

取締役会

取締役は6名(社内2名、社外4名)、うち3名は監査等委員(全員社外)。監査等委員会設置会社である。社内2名はいずれも代表権を有する取締役、経歴は下記。社外役員には弁護士、会計士やマッキンゼー出身で産業再生機構の執行役員経験を有する役員が揃う。

代表取締役の経歴

代表取締役会長CEOの清水祐孝氏は1963年1月生まれ。同社創業者である清水憲二氏の息子である。慶應義塾大学を卒業後、1986年に国際証券株式会社に入社。1990年、憲二氏より声をかけられ、同社に入社。当時倒産寸前まで追い込まれていたが、同氏がビジネスの方向転換を担った。1995年には取締役に就任。子会社の取締役を歴任した後、2020年より現職を務める。
代表取締役社長COOの小林史生氏は1974年2月生まれ。関西学院大学を卒業した後、日産トレーディング株式会社に入社。その後4755楽天に入社し、8年間の米国駐在経験を持つ。Rakuten MarketingのVice President、米国Rakuten.comのPresidentを務め、2017年に同社に入社する。2020年より現職。MBAの保有者である。

報告セグメント

「終活事業」の単一セグメント。WEBサービスと書籍・コンテンツの2媒体でサービスを展開する。現在メインはWEBサービスであり、内容はお墓事業、葬祭事業、仏壇事業、相続事業と大きく4つに分類される。
2021年1月期のWEBサービス売上高2,993百万円の内訳は、お墓事業が55.0%、葬祭事業が27.5%、仏壇事業が9.5%、相続事業が7.9%である。

会社資料よりPERAGARU_BLOG作成

事業モデル

「いい葬儀」「いい仏壇」「いいお墓」などの終活に関する各種ポータルサイトを運営し、ユーザーへの情報提供、取引先への見込み客紹介、販売支援をおこなう。ユーザーを紹介した取引先が成約に至った場合の手数料やポータルサイトへの広告掲載料を収益とする。

2021年1月期 有価証券報告書

日本国内においては、高齢化などにより死亡数の増加がしばらく続くものとみられ、終活市場は拡大傾向にある。
同社HP TOP > 事業案内 > 取り巻く環境

競合他社

同社は終活領域のプラットフォーム型サービスでトップシェア。類似サービスを手掛ける競合企業は見当たらない。葬儀に絞れば、「イオンのお葬式」が同様にインターネットでユーザーを集客し、コールセンターを抱えて24時間のサポートスタッフがついて葬儀会社を手配する点で、競合サービスに当たる。

連結の範囲

海洋散骨事業を営む株式会社ハウスポートクラブを子会社に持つ。

強み・弱み

同社サービスは葬儀、仏壇、お墓、遺産相続といった終活全域をカバーしており、競争優位性が同社の強み。同社は仏壇仏具業界向けの出版部門からスタートし、事業領域を終活市場全体に広げてきた。葬儀や仏壇、お墓を中心に豊富な情報と、多くの取引先を有し、他社が容易に参入できない優位性を保っている。
しかし葬儀・仏壇・お墓に対する考え方の多様化、小規模化により単価は下落傾向にある中、同社は「いい葬儀」、「いい仏壇」、「いいお墓」の3サイトに売上高の85%を依存している点が課題といえる。高齢者介護といった「生前領域への新規事業」創出が急がれる。

同社HP TOP > 事業案内 > 事業の強み

KPI

経営計画において売上高、営業利益、営業利益率の3指標の数値向上を掲げているため、KPIとなりうる。以下、すべて2022年1月期第3四半期の数値を示す。
①売上高:2,734百万円(前年同期比+19.7%)
②営業利益:383百万円(前年同期比+549.4%)
③営業利益率:14.0%(前年同期比+495.5%)

業績

過去5期分の経営状況をみると、売上高は堅調に増加し1,332百万円から3,238百万円へ2.4倍となった。経常利益も324百万円から、2020年1月期には794百万円まで安定成長だったものの、本社移転費用や広告費などの増加で2021年1月期は267百万円となっている。自己資本比率は80%以上と非常に高い水準を維持。投資CFは恒常的にマイナス、営業CFはプラスで推移している。

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