6038 イードの業績について考察してみた

6038 イードの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2000年 4月株式会社インターネット総合研究所の100%出資子会社として、株式会社IRIコマース&テクノロジーを設立。12月有限会社ポイントファイブコミュニケーションズより、ブロードバンド系総合情報サイト「RBB TODAY」の営業権を取得し、運営を開始。2005年 9月旧株式会社イードの第三者割当増資を引受け子会社化。2010年 6月100%子会社の旧株式会社イードと合併し、株式会社IRIコマース&テクノロジーから株式会社イードへ商号変更。2015年 3月東証マザーズへ上場。メディア運営やマーケティングリサーチ等を行う

株主構成

有価証券報告書によると2020年12月末時点の大株主は、エキサイト株式会社14.22%(excite!のブランド名でメディア事業等展開)、株式会社博報堂DYメディアパートナーズ10.41%、株式会社マイナビ8.04%、株式会社ティーガイア5.02%、株式会社ポプラ社5.02%を保有しており、取引先とみられる企業が並ぶ。以下、5%未満の保有で、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント、株式会社SBI証券、代表取締役社長の宮川洋氏のほか、ベンチャーキャピタルや信託銀行などが並ぶ。

取締役会

取締役は4名(社内2名、社外2名)、監査役は3名(社内1名、社外2名、1名は常勤)、監査役会設置会社である。取締役の須田亨氏は、株式会社日本能率協会コンサルティング、株式会社クリエイティブ・ブレインズの出身者。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の宮川洋氏は1965年11月生まれ。中央大学を卒業後、株式会社アスキーに入社し出版局へ勤務。約11年の勤務を経て、2000年4月同社へ入社し、翌年取締役に就任。2002年10月に現職へ就任。Interface in Design, Inc.のCEO、株式会社エンファクトリーの取締役、株式会社絵本ナビの取締役、マークラインズ株式会社の取締役を兼任している。

報告セグメント

「コンテンツマーケティングプラットフォーム事業」、「コンテンツマーケティングソリューション事業」の2報告セグメントに大別される。2021年6月期第3四半期の売上高4,170百万円の構成比は、コンテンツマーケティングプラットフォーム事業86.0%、コンテンツマーケティングソリューション事業14.0%である。セグメント利益は、コンテンツマーケティングプラットフォーム事業366百万円、コンテンツマーケティングソリューション事業79百万円であり、営業利益は446百万円であった。

事業モデル

コンテンツマーケティングプラットフォーム事業は、「iid-CMP(イード・コンテンツ・マーケティング・プラットフォーム)」にて運営するWebメディア、コンテンツを通じて、顧客企業へマーケティングサービスを提供する。顧客企業により支払われる広告料金やデータ・コンテンツ利用料金、ECサイト運営等(子会社の運営する「STYLE STORE」や「絵本ナビ」など含む)により収入を得ている。2021年6月期第3四半期時点では、21ジャンル、70メディアを運営
コンテンツマーケティングソリューション事業は、リサーチソリューションとECソリューションの2つのソリューションを提供している。リサーチソリューションは、大規模な定量調査から生活者個人に対する定性調査までを提供する。また、高度なネットリサーチからリアルな行動観察まで、幅広いリサーチソリューションメニューで顧客企業の要望に対応する。ECソリューションは、同社オリジナルのECシステム「marbleASP」の提供を中心に展開している。marbleASPはデザイン自由度が高く、外部システムとの連携APIを多数そろえた、拡張性・汎用性の高いECサイトを構築支援するシステム。通常のBtoCだけでなく、リアル店舗での対面販売やポイント連携、小学校での教材申込、その他レンタルやBtoBなど、さまざまな形態で活用されている。

2021年6月期第3四半期 決算説明会資料

同社の主力事業であるコンテンツマーケティングプラットフォーム事業では、新型コロナウィルス感染症の影響等により広告需要が落ち込んでいる。一方、データ・コンテンツ提供(EC物販含む)は、巣ごもり消費によるEC利用の拡大・定着化を受け、大きく伸長している。

競合他社

Webメディアの運営等を行う企業は多数存在するが、2148アイティメディア4387 ZUUなどのように、領域を絞ることでリードジェネレーション(潜在顧客)を獲得することを目的にオウンドメディアを運営していることが多く、2454オールアバウトでも運営メディア数は7つ程度と、同社のように幅広いジャンルやメディアを運営し、広告収入を得る類似企業は見当たらない

連結の範囲

同社グループは、同社及び連結子会社5社で構成され、コンテンツマーケティングプラットフォーム事業とコンテンツマーケティングソリューション事業を行う。

強み・弱み

多様性のあるメディアポートフォリオを組んでおり、独自性が高い点が強み。広告・マーケティング収入への依存度が高い点が課題。また、google等の検索エンジンから多くのユーザーを集めているため、検索エンジン側のロジック変更等による集客への悪影響が懸念される。

KPI

2021年6月期第3四半期におけるKPIは下記。
PV数 168,087千PV/月
UU数 54,408千UU/月
サイト数 70サイト

2021年6月期第3四半期 決算説明会資料

業績

2016年6月期から2020年6月期までの5期をみると、売上高は4,533百万円から5,266百万円、経常利益は298円から277百万円と売上高・利益ともにほぼ横ばいで推移。直近期はEC物販やECソリューションが好調だが、ネット広告の売上が減少している。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは恒常的にマイナス。2021年6月期第3四半期の自己資本比率は71.9%。