7581 サイゼリヤの業績について考察してみた

7581 サイゼリヤの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2024.Q1 2023.11 52,646 3,459 6.57%
FY2024.Q2 2024.02 51,988 2,475 4.76%
FY2024.Q3 2024.05 58,636 4,131 7.05%
FY2024.Q4 2024.08 61,272 4,798 7.83%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q2 2017.02 34,942 1,916 5.48%
FY2017.Q3 2017.05 38,434 3,402 8.85%
FY2017.Q4 2017.08 39,324 3,176 8.08%
FY2018.Q1 2017.11 37,934 2,437 6.42%
FY2018.Q2 2018.02 36,888 1,283 3.48%
FY2018.Q3 2018.05 39,254 2,701 6.88%
FY2018.Q4 2018.08 39,987 2,219 5.55%
FY2019.Q1 2018.11 38,332 1,915 5%
FY2019.Q2 2019.02 37,245 1,594 4.28%
FY2019.Q3 2019.05 40,205 3,037 7.55%
FY2019.Q4 2019.08 40,745 3,053 7.49%
FY2020.Q1 2019.11 38,068 1,908 5.01%
FY2020.Q2 2020.02 38,859 1,875 4.83%
FY2020.Q3 2020.05 21,114 -6,045 -28.63%
FY2020.Q4 2020.08 28,801 -1,553 -5.39%
FY2021.Q1 2020.11 32,796 374 1.14%
FY2021.Q2 2021.02 30,073 -1,156 -3.84%
FY2021.Q3 2021.05 32,481 -70 -0.22%
FY2021.Q4 2021.08 31,163 -1,412 -4.53%
FY2022.Q1 2021.11 33,961 -219 -0.64%
FY2022.Q2 2022.02 35,250 173 0.49%
FY2022.Q3 2022.05 38,135 1,107 2.9%
FY2022.Q4 2022.08 36,929 -639 -1.73%
FY2023.Q1 2022.11 43,123 1,697 3.94%
FY2023.Q2 2023.02 40,747 -793 -1.95%
FY2023.Q3 2023.05 48,233 2,664 5.52%
FY2023.Q4 2023.08 51,141 3,654 7.14%
FY2024.Q1 2023.11 52,646 3,459 6.57%
FY2024.Q2 2024.02 51,988 2,475 4.76%
FY2024.Q3 2024.05 58,636 4,131 7.05%
FY2024.Q4 2024.08 61,272 4,798 7.83%

沿革

1967年7月にレストランサイゼリヤの個人店舗を経営開始。1973年5月に将来的な多店舗化を目的に、株式会社マリアーヌ商会を設立。1987年4月に株式会社マリアーノに商号変更。1992年9月に株式会社サイゼリヤに商号変更。1999年7月に東証二部に上場。2000年8月に東証一部に上場、現在は東証プライム。2019年6月に国内外1500店舗達成。2003年6月には中国上海に現地法人を設立し、その後台湾、シンガポールと続き既に100店舗以上を海外でも展開する。本社は埼玉県。低価格帯のイタリアンレストラン「サイゼリヤ」を展開する

株主構成

四半期報告書によると、2022年2月28日時点の創業者で代表取締役会長の正垣泰彦氏で30.8% 、次いで日本マスタートラスト信託銀行株式会社の信託口が9.26%、正垣泰彦氏が取締役を務める株式会社バベットが8.59%、その他は保有割合5%未満でサイゼリヤ従業員持株会、株式会社日本カストディ銀行の信託口や、国内外の金融機関が並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は7名(社内4名、社外3名)、監査等委員3名 (社内1名、社外2名)、監査等委員会設置会社である。社内取締役は社長の堀埜一成氏を除きプロパー。取締役の長岡伸氏はプロパー出身で1996年11月に現職に就任し、2018年12月より海外事業本部長を兼任する。取締役で常勤監査等委員の中嶋靖雄氏は、エンジニアリング部やプロジェクト推進部の部長を経て、2020年11月に現職に就任した。

代表取締役の経歴

代表取締役会長の正垣泰彦氏は1946年1月生まれ。東京理科大学理学部を卒業後、1968年4月にレストランサイゼリヤを個人創業。1973年5月に同社を設立。代表取締役社長を経て、2009年4月に現職に就任した。
代表取締役社長の堀埜一成氏は1957年2月生まれ。京都大学大学院農学研究科を卒業後、1981年4月に2802味の素に入社。2000年4月に同社を入社し、2000年11月に取締役を経て、2009年4月に現職に就任した。

報告セグメント

「日本」、「豪州」、「アジア」の3セグメントに大別される。レストラン運営事業は日本とアジアであり、豪州では食材の製造を担う。2022年8月期の売上高144,275百万円の内、日本が101,126百万円、豪州が5,690百万円、アジアが43,117百万円を占め、売上高の9割以上を日本とアジアで創出する。利益率は日本がマイナス推移を続ける一方、豪州とアジアで稼ぎ、連結では利益を確保している。

事業モデル

国内とアジアを中心に低価格帯のイタリアンレストランを直営展開し、「サイゼリヤ」を全国に1,069店舗(前期比▲20)、海外に478店舗(前期比+14)を運営する(2022年8月期)。海外店舗数は上海に149店舗、広州に142店舗、台湾に20店舗、北京に80店舗、香港に58店舗、シンガポールに29店舗。国内の地域別店舗数は関東が57%、近畿が17%、中部が14%、その他地域が12%を占める(同)。また22年8月期の有価証券報告書待ちだが、「スパゲティ・マリアーノ」等の他業態は閉店済みとみられる。海外ではそれぞれ現地の連結子会社を通して店舗の運営や管理を行う。本社・神奈川・福島・兵庫・千葉の国内5工場で食材の製造と物流業務を行い、豪州工場では肉製品を中心とした食材の製造を担う。
サイゼリヤでは、アラカルトを中心としたメニュー展開を実施。顧客が好みの組み合わせで食事をコーディネートできるように、サイドメニューはメインメニューと組み合わせやすい価格設定で提供する。自社で商品開発から食材の生産・加工、配送までを一貫して行う製造直販体制を採用全店直営によりリアルタイムで客数状況を把握し、計画生産を実施。収益計画を明確化することで、価格と品質の安定に寄与する。また他のファミリーレストランとの差別化としてワインに注力しており、イタリアンレストランとして国内トップのワインの消費量を誇る。

競合他社

ファミリーレストラン国内最大手の3197すかいらーくホールディングス (2021年12月期売上収益264,570百万円)、ファミリーレストラン「デニーズ」を展開する3382セブン&アイ・ホールディングス (2022年2月期営業収益8,749,752百万円) 、イタリアンレストラン「ジョリーパスタ」を運営する7550ゼンショーホールディングス (2022年3月期売上高658,503百万円) 、ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」を展開する8179ロイヤルホールディングス (2021年12月期売上高83,975百万円)が競合として挙げられる。

連結の範囲

連結子会社を7社と非連結子会社1社を持つ。アジアの連結子会社6社はアジア各地域での店舗運営を行い、豪州の連結子会社では食材の製造を実施する。

強み・弱み

強みとして徹底した低価格路線が挙げられる。サイゼリヤの国内客単価は769円(2022年8月期)であり、学生やファミリー層を中心に幅広い年齢層から支持を得る。同社では農場での食材の生産から店舗への商品の配送に至るまで、全工程を一貫して自社で実施することで、安定した品質とコスト削減を実現。また計画生産を行い、無駄のない商品提供を行う。競合各社が値上げを遂行する中、2022年も徹底した「価格据置」を貫いている
懸念点としては豪州工場や海外からの食材の輸入に係る為替変動リスクが挙げられる。

KPI

KPIには①期末店舗数、国内の②客数、③客単価、海外の④客数、⑤客単価が挙げられる
①    期末店舗数(2022年8月期):1,547店舗

2022年8月期 決算説明資料

②    国内客数(同):129.8百万人
③    国内客単価(同):769円

2022年8月期 決算説明資料

④    海外客数(同):57,895千人
⑤    海外客単価(同):745円

2022年8月期 決算説明資料

業績

売上高は2017年8月期から2019年8月期にかけて、国内外での店舗数を拡大により新規顧客を獲得し、+5.5%に増加。2020年8月期・2021年8月期は新型コロナ流行に伴う臨時休業や短縮営業、外食産業における需要減少が響き、2期連続減収となったが、2022年8月期には前期比+14.0%まで持ち直した。経常利益は2017年8月期から2019年8月期にかけて、円安による輸入食材価格の高騰等を受けて▲18.1%に減益。2020年8月期は▲2,091百万円の損失を計上。その後深夜営業の廃止や作業時間の短縮等といった店舗運営の効率化に努め、2021年8月期は黒字転換し、2022年8月期も10,774百万円まで回復に努めた。フリーCFは2020年8月期を除いて、プラスを推移。自己資本比率は60%台を推移する

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