1447 Itbookホールディングスの業績について考察してみた

1447 Itbookホールディングスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

ITbookホールディングスの事業概要

同社はITコンサルを手掛けるITbookと、地盤調査・改良工事を行っているサムシングHDが2018年10月より経営統合してできた会社である。主に自治体や独立行政法人へのITコンサル、ソフトウェアの販売や人材の派遣また、地盤調査・改良工事がメイン業務である。

沿革

同社の創業は1992年、システムコンサルティングをメイン業務として設立された。その後順調に業務拡大を続け、2004年に東京証券取引所マザーズに上場。2018年にはサムシングHDと経営統合、現在に至る。

株主構成

2020年9月末日時点の筆頭株主は個人投資家の梶弘幸氏で9.8%の保有次いで、サムシングHDの創業者で現在同社代表取締役社長の前俊守氏が4.6%を保有、取引先と見られる測量事業者の株式会社UNSが2.0%、代表取締役会長兼CEOの恩田饒氏1.2%と続くが、そのほかの上位株主は1%前後の保有にとどまる証券会社や信託口が並び、大口の安定株主が少ない。

取締役会構成

同社の取締役は3名(社外1名)、監査役は4名(社外1名)の合計7名となっている。取締役のうち唯一の社外取締役である佐々木隆氏は旭化成ホームズ株式会社の取締役経験者で、株式会社アイニードの取締役も兼務。監査役会設置会社である。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の前俊守氏は、1967年1月生まれ。天理大学を卒業後、1989年4月株式会社ワキタに入社したのち、1997年6月に株式会社サムシングの代表取締役として就任(現サムシングホールディングス株式会社)。ITbook社と経営統合した後、同社の代表取締役社長として就任している。
代表取締役会長兼CEOの恩田饒氏は、1934年9月生まれ。1962年東京大学卒業後大和証券に入社し、1991年から常務取締役を務めた。2009年Itbook株式会社の顧問を経て同年に代表取締役社長として就任。企業合併に伴い、代表取締役会長兼CEO(現職)を務めている。

報告セグメント

同社の報告セグメントは、①コンサルティング事業、②システム開発事業、③人材事業、④アパレル事業、⑤地盤調査改良事業、⑥保証検査事業、⑦建設テック事業、⑧海外事業、⑨その他の事業の合計9つ に分類されている。50%超の売上高比率を占める⑤を含め、②、③、⑤で全体の約90%を占めている(2021年3月期第2四半期ベース)。

競合他社

地盤調査会社としての競合他社には6072地盤ネットホールディングスが挙げられるが、地盤解析に特化しているため地盤改良の分野では同社が優位性を発揮しており、売上高も同社の地盤調査改良事業の10分の1程度である。
システム関連だと、同じく官公庁向けにコンサルを行っている会社としては4386SIGなどが挙げられる。尚、時価総額はItbookホールディングスの約半分である。

連結の範囲

持株会社である同社の傘下に、事業会社として主要なItbook株式会社、サムシングホールディングス株式会社の他、ITbookテクノロジー株式会社、Itloan株式会社、Itbook Capital株式会社などの連結子会社を合計で30社抱える。

システム開発事業・人材事業

システム開発事業の顧客は主に自治体や独立行政法人である。顧客の既存システムにかかる費用や機能を調査した後、新たにコンサル提案する流れで機能向上と経費削減を実現する。また、データテクノロジー株式会社と株式会社RINET、エスアイ技研株式会社の子会社3社を業務上吸収統合し、システム開発事業のさらなるブランド向上を狙っている。
人材事業は、技術者や教育人材の派遣を製造業及び流通業向けに行っている。人材確保と派遣先確保に営業資本を投下し拡販中である。

地盤調査改良事業

土地の地盤調査から改良工事までを請け負う同事業の主な顧客はハウスメーカーである。これまでの「柱状改良工法」からシフトを進める、「スクリューフリクションパイル工法(以下SFP工法)」という新たな工法は過去に類を見ない販売実績を示しており、さらなる販売拡大で業績をけん引すると期待されている。尚販売実績は、2018年7月から2020年9月末までに8000棟である。持つ

強みや弱み

強みは地盤調査から改良に向けたコンサルを一気通貫して自社で行える体制と、その費用対効果の高さ。他社よりも高品質なコンサル提案を、他社よりも安い価格で提供できる。弱みとしては、業態の異なる2社の統合から3年目を迎えたが大きな統合成果が見出せない点。

KPI

同社のKPIはシステム開発事業・人材事業では新規顧客の獲得とソフトウェアの販売数で、地盤調査改良事業ではSFP工法を始めとした新規顧客件数となるだろう。人材確保ありきの話などで、主要な事業子会社2社の従業員数の動向も参考となるだろう。

懸念点

売上債権が総資産に占める比率が3割強と高いため、コロナウイルスの影響が長期化すれば、同社事業への直接的な影響に加え、それらの債権悪化による業績影響も懸念される。また、ITコンサル事業では、IT人材がひっ迫する中で当社の育成に資する人材を中長期的に確保していけるかは懸念点である。

業績の進捗

2021年3月期第2四半期の売上高は10,319百万円(前年同期比+2.7%)、営業損失は753百万円(前年同期:営業損失240百万円)。なお、期中の赤字が期末に解消する企業であり、通期の業績予想は売上高25,673百万円(前年同期比+21.0%)、営業利益324百万円(+108.2%)と、増収増益の会社計画である。