4934 プレミアアンチエイジングの業績について考察してみた

4934 プレミアアンチエイジングの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q3 2023.04 6,351 -67 -1.05%
FY2023.Q4 2023.07 5,791 -653 -11.28%
FY2024.Q1 2023.10 5,264 -35 -0.66%
FY2024.Q2 2024.01 5,385 -170 -3.16%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2020.Q4 2020.07 5,934 823 13.87%
FY2021.Q1 2020.10 7,210 888 12.32%
FY2021.Q2 2021.01 8,100 1,573 19.42%
FY2021.Q3 2021.04 8,456 1,967 23.26%
FY2021.Q4 2021.07 9,049 252 2.78%
FY2022.Q1 2021.10 9,865 2,074 21.02%
FY2022.Q2 2022.01 8,105 174 2.15%
FY2022.Q3 2022.04 7,926 -291 -3.67%
FY2022.Q4 2022.07 8,015 457 5.7%
FY2023.Q1 2022.10 7,391 -244 -3.3%
FY2023.Q2 2023.01 6,867 353 5.14%
FY2023.Q3 2023.04 6,351 -67 -1.05%
FY2023.Q4 2023.07 5,791 -653 -11.28%
FY2024.Q1 2023.10 5,264 -35 -0.66%
FY2024.Q2 2024.01 5,385 -170 -3.16%

沿革

2009年12月、化粧品・健康食品の企画、製造販売を目的として東京都にて設立された。2010年2月に化粧品ブランド「DUO」を創出。翌年には化粧品卸売業者と代理店契約を締結し、バラエティショップ等の小売店への販売を開始した。2020年10月、東証マザーズへの上場を果たす。2021年2月にはベイ安美(蓓安美:上海)化粧品有限公司を新設している。

株主構成

有価証券報告書によると2021年7月末時点での大株主の状況は、代表取締役社長の松浦清氏が21.5%を保有。同氏の資産管理会社であるプレミアマネジメント株式会社の保有分45.6%とあわせると、保有割合67.1%の筆頭株主となる。ほか5%未満で国内外の銀行や証券会社などが名を連ねる。外国人株式保有比率は10%未満。

取締役会

取締役は5名(社内3名、社外2名)、監査役は3名(全員社外、1名は常勤)、監査役会設置会社である。取締役常務の河端孝治氏は4911資生堂へ入社後、PwCコンサルティング合同会社やシャネル合同会社、株式会社ディーエイチシーなどを経て同社へ入社。同じく取締役常務の戸谷隆宏氏はアクセンチュア株式会社、9467アルファポリスを経て同社へと入社した。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の松浦清氏は1968年10月生まれ。慶応義塾大学経済学部を卒業し、1993年10月にアメリカンファミリー生命保険会社(現:アフラック生命保険株式会社)へ入社した。その後コロンビア大学経営大学院にてMBAを取得。家業が宝石商だったことから、帰国後はイタリアのジュエリーブランドの日本法人を設立するなど、複数社の設立と経営に携わる。2008年8月に株式会社QVCジャパンに入社。通販市場の将来性を確信し、2009年2月、同社を設立するに至った。

報告セグメント

「化粧品の製造・販売事業」の単一セグメント。主力の「DUO」、第2ブランドとして育成中の「CANADEL」に加えて、2020年9月には敏感肌向けブランド「sitrana」とオーガニックブランド「immuno」の販売を開始し、4種の化粧品ブランドを展開する。2022年7月期第1四半期の売上高構成比は「DUO」が89%、「CANADEL」が10%を占める。

事業モデル

エイジングケアを軸とする化粧品を、通信販売、卸売販売、その他(Amazonを筆頭としたEC店舗への出店、海外展開など)の3チャネルで販売する。主軸は通信販売であり、2022年7月期第1四半期における売上高構成比は通信販売62%、卸売販売35%、その他が3%である。外展開については中国、香港、台湾を中心に越境ECおよび現地代理店経由での販売も手がける。

2022年7月期第1四半期 決算説明資料

2020年の国内化粧品市場は2兆5,948億円程度。うちスキンケア市場が1兆2,651億円、クレンジング市場が1,282億円となっている。2019年まで成長基調だった化粧品市場だが、2020年はコロナ禍の影響で前年比7.8%の落ち込み。しかし、巣ごもり需要が化粧品販売のEC化にとって追い風となっている。

2022年7月期第1四半期 決算説明資料

競合他社

化粧品大手では4911資生堂(2021年12月期売上高1,035,165百万円)、4922コーセー(2021年3月期売上高279,389百万円)、4927ポーラ・オルビスホールディングス(2021年12月期売上高178,642百万円)があげられる。なお、同社の2021年7月期売上高は32,815百万円。

連結の範囲

プレミア・ウェルネスサイエンス株式会社、ベイ安美(上海)化粧品有限公司の2社が該当する。中国の現地法人ベイ安美(上海)化粧品有限公司では「sitrana」ブランドを販売する。

強み・弱み

定期販売によるストック型の売上と、ファブレス経営による機動力の高さが強み。通信販売では都度販売と定期販売の2手法を取る。同社によると、2020年7月期時点で通信販売売上高の約90%を定期販売が占め、販売数も堅調に増加している。コロナ禍で化粧品市場がマイナス成長に転換した後も、同社は増収を続けている。
また、「限られた経営資源はコア業務に集中すべき」との考えから、製品製造、物流、決済、コールセンターの大部分をアウトソースし、機動力の高い経営を実現。
一方、売上高に占める「ザ クレンジングバーム」シリーズの構成比が80.3%と高く、特定の製品へ依存している点は弱みといえるだろう。

有価証券報告書(第12期)

KPI

通信販売における総会員数、卸売販売における配荷店舗数、中国市場進出のカギとなる「sitrana」ブランドの売上高がKPIになると思料される。
①総会員数:2022年7月期第1四半期300万件突破(2020年7月末219百万人)
②配荷店舗数:2021年7月 約16,000店(前年13,435店)
③「sitrana」売上高:2021年6月 月商100百万円突破(2020年9月販売開始)

業績

2021年7月期より連結財務諸表を作成しているため、提出会社の経営指標等を含めて2017年7月期からの業績を見ると、売上高は14倍、経常利益は4百万円から4,653百万円に成長。自己資本比率についても、1桁から54.9%へと大きく上昇している。営業CFは2019年7月期を除いてプラス、投資CFは恒常的にマイナスである。

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