4237 フジプレアムの業績について考察してみた

4237 フジプレアムの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

フジプレアムの事業概要

・沿革
同社は1982年、包装資材の販売を目的として(株)不二として設立された。1983年に機械事業部を開設し、1991年の光学機能性フィルム加工事業への参入し、フジプレアム(株)に商号変更を行った。2000年の採光型太陽電池モジュール製造及びシステム施工・販売開始による環境ビジネスへの参入、2001年には、PDP用光学フィルターの製造・販売を通じて表示デバイス業界で確固たる地位を確立するに至っている。ジャスダックに上場を果たしたのは、2004年であった。
・株主構成
大株主の状況を確認すると、フォローウインド(株)が40.5%で第一位株主となっている。代表取締役社長である松本倫長氏は8.1%を保有しており、松本庄藏氏6.2%、東レ5.2%、日亜化学工業4.7%と続く。特定株がおよそ77%となっている。
・取締役会
役員は7名おり、取締役4名(社外取締役は0名)、監査役3名で構成されている。取締役のバックグランドは、1名は野村證券出身者が在籍しているが、残りは社内昇進である。
・代表取締役の経歴
松本倫長氏は1982年01月07日生まれであり、前社長である松本実蔵氏の長男である。北海道大学を卒業後、フジプレアムに入社し、フジサンエナジー株式会社やイマクル株式会社の取締役、ファインテック事業部長などを務めた。
・報告セグメントと事業の構成、ビジネスモデル
「精密貼合及び高機能複合材部門」と「環境住空間及びエンジニアリング部門」で構成されている。2020年8月3日のリリースにより、報告セグメントを変更した。旧セグメントでは、「精密貼合及び高機能複合材部門」と「環境ビジネス部門」で構成されていたが、前者にメカトロニクス事業が含まれていた。これが新セグメントでは、同事業が後者に含まれるとともに、「環境住空間及びエンジニアリング部門」という名称に変更されている。

(2020年8月3日IR「報告セグメントの変更に関するお知らせ」より)
2021年3月期第2四半期の売上高では、全体の88.4%が「精密貼合及び高機能複合材部門」によるものであり、「環境ビジネス部門」の売上高は全体の11.6%となっている。

(フジプレアムHP「セグメント情報」より)
・競合他社
比較される企業としては、オリジンが挙げられる。また、高機能複合材という点では帝人も競合といえるだろう。
・連結の範囲
同社グループは親会社1社、子会社1社、関連会社1社で構成されている。

精密貼合及び高機能複合材部門

・事業モデル
精密貼合技術とは異なる素材を貼り合わせて、新しい機能を創造するテクノロジーである。テレビやスマートフォン、タブレット、ノートパソコン、カーナビなど、光学フィルムを使った様々な製品にフジプレアムの技術が使われている。同社は精密貼合技術を軸として、液晶ディスプレイ用部材やタッチパネルセンサー基板等を製造し、完成品メーカーに販売することで収益を得ている。
・強みや弱み
最先端テクノロジーである精密貼合技術を持っており、参入障壁が高いことが強みとなっている。
一方、生産ラインを自社で構築しているため、固定費が経営を圧迫しやすい体質であることは弱みとして挙げられるだろう。
・事業の盛衰
汎用品等の製品価格低下等により厳しい環境となりつつあるが、最先端のエレクトロニクス関係製品向
け、自動車業界あるいは医療機器業界向け等の、高付加価値マーケットからの引合いが順調に推移している。これは自動車を含めたモビリティに関して、多様なパーツのディスプレイ化あるいはタッチパネル化が見込まれているからである。
・KPI
取引社数が主要なKPIとして想定できるだろう。
・懸念点
同セグメントの売上高が全体の9割弱を占めているため、同じ技術力のある競合が出現した場合は、急激に売上高が低下する恐れがある。
・業績の進捗
2020年2年3月期では、売上高10,757百万円(前年同期比8.1%増)、営業利益389百万円(同21.4%増)であった。また、2021年3月期第2四半期累計では売上高3,962百万円(前年同四半期比32.0%減)、営業利益90百万円(同25.3%減)だった。

環境住空間及びエンジニアリング部門

・事業モデル
同セグメントでは、太陽電池モジュールの製造・販売及び太陽光発電システム等の設計・施工・販売によって収益を上げている。
・強みや弱み
強みは精密貼合技術を生かし、業界トップクラスの軽さを誇る製品を生み出している点。
従来型の太陽光発電事業においては、流入した海外製品と比べ、価格・技術面で必ずしも優れているとは言い切れないことは弱みであるといえるだろう。
・事業の盛衰
太陽電池の国内市場が、固定価格買取制度の見直しと買取価格の低下、また、海外生産品による価格競争の激化により、単価が低下傾向である。
固定価格買取制度の見直しによる需要の動向。
・懸念点
OEM供給品も生産量の拡大を目指したが、市場環境の悪化の影響を受けている。同社はOEM供給品を製品開発・用途開拓等の開発要素が大きいものに注力し、更にメンテナンス市場開拓も推進するとのこと公表しているが、当該経営判断の成否が懸念といえるだろう。
・業績の進捗
2020年3月期では、売上高1,412百万円(前年同期比5.1%減)、営業損失49百万円であった。また、2021年3月期第2四半期は売上高累計1,013百万円(前年同期比5.9%減)、営業利益55百万円(同6.0%減)だった。