4337 ぴあの業績について考察してみた

4337 ぴあの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

ぴあの事業概要

 同社は、東京都渋谷区東に本社を置くチケット事業・出版事業の会社行う会社である。

沿革

同社は1972年7月に中央大学の学生だった矢内廣が映画情報とコンサート情報をまとめた雑誌「ぴあ」創刊し創業した。その後1974年12月にぴあ株式会社を設立し、1984年4月に電話注文でコンサートやイベントのチケット予約販売をする「チケットぴあ」のサービスを開始し、1999年12月にチケット販売専用のWebサイト「チケットぴあ」を開始している。その後2003年5月に東京証券取引所市場第一部に上場を果たす。

取締役会

同社の役員は取締役12名(社内9名、社外3名)、監査役3名(常勤1名、非常勤2名)で構成されている。取締役(社外を除く)のうち、リクルート出身者1名、日銀出身者1名を除き、新卒で同社に入社して社内昇進で取締役に就任している。

代表取締役の経歴

矢内廣氏は1950年1月7日生まれ。1974年12月ぴあ株式会社設立し、同代表取締役社長となる。その後1988年7月、チケットぴあ名古屋株式会社代表取締役会長 (現任)、1990年2月、チケットぴあ九州株式会社代表取締役会長 (現任)に就任する。2003年6月には当社代表取締役会長兼社長となり、2006年6月に当社代表取締役社長 (現任)、2016年6月にぴあデジタルコミュニケーションズ株式会社代表取締役会長となる。

報告セグメント

同社の報告セグメントはレジャー・エンターテインメント関連事業の単独セグメントとなる。チケット流通事業を軸とし、1984年にスタートしたオンラインチケット販売システム「チケットぴあ」は、現在では常時2万件のイベントが登録され、年間で7,000万枚のチケットを発券している。チケット取扱数は日本最大級規模であり、会員数も1,700万人を超える。その他、チケット販売のノウハウを活かし、様々な興行元、スポーツ団体などと提携し、幅広くチケッティング業務を請け負う。オリンピック、ワールドカップなどの国際的規模の大型イベントのチケッティング業務も行っている。

事業モデル

 ぴあ株式会社は、音楽・スポーツ・演劇・映画などの各種イベントのチケット販売の他、レジャー・エンタテインメント領域におけるムック・書籍の刊行及びウェブサイトの運営、コンサートやイベントの企画・制作・運営などを行っている。各種イベントを行いたいコンテンツホルダーと、イベントに参加したい消費者との間のチケットの供給体制を構築し、円滑なイベント運営を提供している。またチケットの販売方法としてコンビニエンスストアや各種webサイトやスマートフォンアプリなどで行っている。

競合他社

 「チケット販売」で競合他社を考えると、日本国内においてはチケット流通センターやローソンチケットなどが存在する。この他スマートフォンやインターネット環境の普及により楽天チケットやLINEチケットなども競合として存在する。また海外に目を向けると、MLB.comやライブ・ネイション、Ticketmasterなども存在する。

連結の範囲

関係会社として10社存在する。その内、以下の3社について記載する。
・ぴあフィールドサービス株式会社…東京都渋谷区に本社を置くレジャー・エンターテインメント関連事業会社。議決権の保有割合は100%である。
・チケットぴあ名古屋株式会社…愛知県名古屋市に本社を置くレジャー・エンターテインメント関連事業会社。議決権の保有割合は25.0%である。
・北京ぴあ希肯国際文化発展有限公司…中国北京に本社を置くレジャー・エンターテインメント関連事業会社。議決権の保有割合は22.14%である。

株主構成

主要株主は、矢内廣(20.81%)、株式会社セブン&アイ・ホールディングス(9.62%)、KDDI株式会社(9.55%)、凸版印刷株式会社(7.42%)、株式会社セブン&アイ・ネットメディア(4.81%)、株式会社セブン-イレブン・ジャパン (4.81%)となっている。

強み・弱み

 ぴあ株式会社の強みとして設立後約50年間に培われてきた各企業とのコネクションの他、円滑にチケットを販売できるサプライチェーンがある。この他常時約20,000件の公演情報について、空席情報・当日券情報・予約流れ状況・追加公演情報等、時々刻々変化するデータベースを保有し情報公開を行っていることも強みである。
 弱みとしては小型イベントではコストが圧迫され収益化が難しいことがあげられる。またチケットの販売方法の多様化から、システム投資のコスト増と既存システムの陳腐化による除却コストが増加しやすいことが挙げられる。

KPI

 チケットの販売方法が既存のチケットショップでの販売に留まらず、コンビニエンスストアなどでの販売や、スマートフォンアプリやwebサイトなどを通じた販売など多岐に渡るようになっている。このため各イベントの座席対チケット販売数や座席稼働率のみではなく、webサイトを通じたイベント宣伝サイトからのチケット購入数や購入決定率などを把握する必要がある。
 また近年では新型コロナウイルスによるイベント中止による収益性の低下が見られており、チケット販売などにおける固定費の削減が必要となる。

業績

2016年3月期決算から2020年3月期決算まで売上高は137,953百万円から162,319百万円まで24,3696百万円増加し堅調な推移を見せている。しかしながら経常利益においては2016年3月決算から2020年3月決算まで1,472百万円から1,100百万円まで372百万円減少した。また2018年3月期には当期純利益817百万円であったが、2019年3月には121百万円と696百万円減少している。
2019年3月決算と2020年3月決算を比較すると売上高は179,969百万円から163,204百万円へ、売上原価は165,101百万円から149,034百万円へ推移し、売上総利益率はどちらも8.7%程度となっている。これに対し販管費においては13,626百万円から13,156百万円へとほぼ同額となっている。この販管費が全て固定費と仮定し13,000百万円とすると、損益分岐点売上高は約150,000百万円となる。売上高減少による売上総利益減少が利益減少の要因だと言える。
また2020年3月期に計上した特別損失688百万のうち554百万円が新型コロナ関連損失を計上している。これは新型コロナウイルス感染症の影響による政府からの自粛要請等を受け、イベントの中止や延期に伴う膨大な量のチケットの払い戻し対応業務などから仮定した金額となっている。