6200 インソースの業績について考察してみた

6200 インソースの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2002年11月 東京都千代田区にて社会人教育のベンチャーとして株式会社インソース設立。公開講座の開催や、顧客管理システム開発や研修管理システム開発などのITサービス事業の拡大など事業を展開。2016年7月東証マザーズへ上場。2017年7月東証一部へ変更。社会人教育を軸に講師派遣型研修や、公開講座などを主催するほか、人事サポートシステム「Leaf」の提供やe-learningを提供する。

株主構成

有価証券報告書によると2021年3月末時点の大株主は、代表取締役執行役員社長の船橋孝之氏の資産管理会社である株式会社ルプラスが27.0%、など同氏個人でも6.3%を保有し併せて33.3%の保有。その他は国内外の信託銀行等の信託口などが中心で、保有率5%未満で取締役執行役員常務の川端久美子氏などが続く。外国人株式保有比率は10%以上20%未満。

取締役会

取締役は7名(社内5名、社外2名)、監査役は3名(社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。社内取締役は、代表の船橋孝之氏と常務の川端久美子氏が三和銀行(現三菱UFJ銀行)の出身者であるが、その他の役員の出身に決まった傾向はない。社外取締役の上林憲雄氏は神戸大学大学院経営学研究科教授で人的資源管理・人事労務管理等の豊富な専門知識を有している廣冨克子氏は株式会社パワー・インタラクティブの取締役執行役員。WEBマーケティングリサーチ及 びWEBコンサルティング分野に精通し、高い営業戦略を有している。

代表取締役の経歴

代表取締役執行役員社長の舟橋孝之氏は1964年4月生まれ。1988年神戸大学経営学部商学科を卒業後、現在の三菱UFJ銀行に入行、システムエンジニアとして活躍。その後2002年に同社を設立、同社代表取締役。2015年から現職。

報告セグメント

「教育サービス事業」の単一セグメント。2021年第3四半期の売上高は5,544百万円(前年同期売上高3,749百万円)。構成比は「講師派遣型研修事業」が2,857百万円で51.5%、「公開講座事業」が1,362百万円で24.6%、「ITサービス事業」が721百万円13.0%、「その他事業」が602百万円10.9%であった。

事業モデル

「講師派遣型研修事業」は、金融・商社・IT・製薬・アパレル業界などの民間企業から官公庁・自治体まで、業界や職種別に多様なビジネス経験を積んだ講師が、目的に沿った時間、カリキュラムなどを組んで研修サービスを提供している。
「公開講座事業」は、異業種交流型の研修サービスで、少人数制をとり、多様な場面で役立つビジネススキルの研修を行う
「ITサービス事業」は、テレワークの教育を快適に実施する次世代型のLMS/人事サポートシステム、人事評価シートWEB化サービス、ストレスチェック支援サービスなどを展開。
「その他事業」は、DX推進支援、AI・RPA活用支援、アセスメント、CS調査など各種調査などのコンサルティングや、オンラインセミナー支援サービス、人材紹介、eラーニング・動画・映像制作などを展開している。
近年はリカレント教育として、社会人の教育の重要性が広く認識されている。中長期的な労働人口の減少もあり、企業の人材獲得競争が激化する中で、企業による研修ニーズは引き続き堅調に推移することが見込める。特に、DX/IT人材育成の需要は底堅く、市場拡大を同社は見込む。DX/ITやSDGs/ESG、などの新分野でシェアを確保することを目指す方針。

2021年9月期 第3四半期決算説明資料

競合他社

大企業からベンチャー企業まで様々な法人を対象に組織、人事、IRなどの経営コンサルを展開する2170 リンクアンドモチベーション(2020年12月月期売上高35,278百万円)、人材開発・組織開発のためのコンサルティングとソリューションの開発・提供、人材開発・組織開発に関わる情報発信、コミュニケーション、学習、実践支援をつなげたクラウド サービスの開発・提供をする9610 ウィルソン・ラーニング ワールドワイド(2021年3月期売上高1,480百万円)、MBA取得、英語の鍛錬、起業準備などの講座・プログラムなどを展開する2464 BBT(2021年3月期売上高5,888百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

eラーニング等のコンテンツ事業などを行うミテモ株式会社 、組織コンサルティング事業などを行う株式会社らしく 、大企業向け選抜教育事業を行う株式会社インソースデジタルアカデミー 、IT関連の講師派遣型研修、公開講座などを行う株式会社未来創造&カンパニー、株式会社マリンロード(2021年8月1日より株式会社インソースマーケティングデザインへ社名変更)の5社が連結子会社に該当する。

強み・弱み

2021年6月末時点で、カリキュラム数3,391種類という多様な内容の研修を高品質、低価格で提供していることが強み。充実なラインナップをベースに、顧客ニーズに対応したオーダーメードの研修も迅速に提供可能である。また、2021年6月末時点での累計取引先数数は35,364組織と業種の偏りなく幅広い顧客基盤を有している点も強みといえる。
企業の教育投資は、短期的には採用動向やその背景にある景気動向に左右される傾向があり、同社業績へ与える影響も大きい点はリスクである。

2021年9月期 第3四半期決算説明資料

KPI

KPIとなり得る様々な指標を開示している。2021年第3四半期のKPI実績は下記。
・オンラインブース新設数 67
WEBinsource新規登録先数 1,695(累計 35,364)
・講師派遣型研修新規コンテンツ数 251
・公開講座新規コンテンツ数 255
・eラーニング・動画新規コンテンツ数 189
・コア・ソリューションプラン数 37
・セッション数 1,545
・買い切り eラーニング・動画数 419(2020年第3四半期比 ▲11)
・レンタル受講者数 1,735(2020年第3四半期比 ▲143)
・クラウド型eラーニング 利用ID数 51,047(2020年第3四半期比 +6,533)
・映画制作ソリューション 件数 35(2020年第3四半期比 ▲2)
・コンサルティング 件数 55(2020年第3四半期比▲28)
・オンラインセミナー代行 件数 36(2020年第三四半期比 ▲31)

2021年9月期 第3四半期決算説明資料

業績

2015年9月期から2019年9月期までの4年間で、売上高は2,423百万円から5,608百万円へ約2.3倍、営業利益も460百万円から1,303百万円と約2.8倍へ急拡大していたが、b>2020年9月期は新型コロナウイルスによる講師派遣型及び公開講座型などの研修事業の中止及び延期等の影響により売上高5,119百万円(前年比▲8.7%)営業利益784百万円(同▲39.9%)と伸び悩んだ。営業CFは恒常的にプラスで、投資CFはマイナスが継続している。2021年9月期第3四半期の自己資本比率は69.8%であった。