7803 ブシロードの業績について考察してみた

7803 ブシロードの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2024.Q2 2023.12 10,555 -215 -2.04%
FY2024.Q3 2024.03 10,719 -336 -3.13%
FY2024.Q4 2024.06 13,404 812 6.06%
FY2025.Q1 2024.09 12,273 510 4.16%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2019.Q4 2019.07 8,653 558 6.45%
FY2020.Q1 2019.10 8,306 1,203 14.48%
FY2020.Q2 2020.01 9,123 1,030 11.29%
FY2020.Q3 2020.04 7,795 -20 -0.26%
FY2020.Q4 2020.07 7,776 497 6.39%
FY2021.Q1 2020.10 8,971 -82 -0.91%
FY2021.Q2 2021.01 9,055 240 2.65%
FY2021.Q3 2021.04 9,128 265 2.9%
FY2021.Q4 2021.06 5,415 -79 -1.46%
FY2022.Q1 2021.09 10,484 1,321 12.6%
FY2022.Q2 2021.12 9,090 382 4.2%
FY2022.Q3 2022.03 9,449 264 2.79%
FY2022.Q4 2022.06 12,943 1,423 10.99%
FY2023.Q1 2022.09 12,340 867 7.03%
FY2023.Q2 2022.12 11,750 515 4.38%
FY2023.Q3 2023.03 11,066 655 5.92%
FY2023.Q4 2023.06 13,643 1,348 9.88%
FY2024.Q1 2023.09 11,584 621 5.36%
FY2024.Q2 2023.12 10,555 -215 -2.04%
FY2024.Q3 2024.03 10,719 -336 -3.13%
FY2024.Q4 2024.06 13,404 812 6.06%
FY2025.Q1 2024.09 12,273 510 4.16%

沿革

2007年5月東京都においてトレーディングカードゲーム事業等を幅広く展開することを目的に設立。2013年4月モバイルオンラインゲーム「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」配信開始。2015年1月月刊ブシロードにて「BanG_Dream!(バンドリ!)[星の鼓動 (スタービート)]」連載開始。2016年10月グリー株式会社を引受先とした第三者割当増資を実施。東証マザーズに上場。2020年11月株式会社ブロッコリーとの資本業務提携「ヴァンガード」や「バンドリ!」などの自社IPを中心に展開する

株主構成

有価証券報告書によると2021年12月末時点の筆頭株主は、三井住友信託銀行株式会社(信託口甲9号)が32.06%を保有。次いで、株式会社中野坂上が14.56%、代表取締役会長の木谷高明氏が12.43%、株式会社日本カストディ銀行(信託口)が6.24%を保有。以下5%未満の保有で、グリー株式会社や信託銀行が並ぶ。

取締役会

取締役は6名(社内4名、社外2名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役2名は、日本アイ・ビー・エム株式会社や楽天グループ株式会社などの出身者。

代表取締役の経歴

代表取締役会長の木谷高明氏は1960年6月生まれ。武蔵大学を卒業後、山一證券株式会社に入社。1994年3月に株式会社ブロッコリーを設立。2007年5月に同社を設立し、代表取締役社長へ就任。株式会社ブシロードファイトの取締役や株式会社ブシロードミュージックの代表取締役社長なども兼任。
代表取締役社長の橋本義賢氏は1964年10月生まれ。慶応義塾大学を卒業後、日本アイ・ビー・エム株式会社に入社。1995年5月に株式会社コスチュームパラダイス(現株式会社コスパ)を設立。2006年4月にタブリエ・コミュニケーションズ株式会社(現コスパグルー株式会社)を設立。2017年10月に現職へ就任。

報告セグメント

「デジタルIP事業」、「ライブIP事業」の2報告セグメントに大別される。2022年6月期第2四半期の売上高19,574百万円の構成比は、デジタルIP事業77.3%、ライブIP事業25.7%である。セグメント利益(又は損失)は、デジタルIP事業1,812百万円、ライブIP事業▲102百万円であり、調整額を加えた営業利益は1,703百万円であった。

事業モデル

デジタルIP事業は、トレーディングカードゲーム(TCG)部門、モバイルオンラインゲーム(MOG)部門、自社・他社のIPに関連するグッズの企画・発売などを行うマーチャンダイジング(MD)部門、関連書籍の出版、広告代理店業務及び声優のマネージメントなどを行うメディア部門の4部門に分かれている。それらを担う同社と連結子会社の相互作用によって独創性が高いIPを開発(又は良質なIPを取得)し、時代の潮流を読みながら多角的なメディアミックスを行うことでIPを発展させ、事業を拡大している。
ライブIP事業は、自社IPを中心とした音楽ソフトの販売やライブ・イベントの運営を行う音楽部門、2012年1月に連結子会社化した新日本プロレスリング株式会社を中心としたスポーツ部門の2部門に分かれている。新日本プロレスリング株式会社は45年を超える歴史を持ち、日本で唯一1989年から現在まで毎年東京ドームでの興行を開催し続けているプロレス団体である。連結子会社化以降、興行の動員人数や全体の売上は伸張し続けていたが、新型コロナウイルス感染症の影響により悪化している。
同社を取り巻く経営環境は、日本アニメの市場規模が国内外で右肩上がりに拡大しているほか、トレーディングカードゲームやゲームコンテンツの市場規模も拡大傾向にある。ここ数年で日本アニメの海外浸透が進み、各事業ともに世界の市場ポテンシャルが格段に高まっている中、同社の事業基盤を国内にとどまらず海外で確立できるかが課題である。

競合他社

総合エンタメ企業である7832バンダイナムコホールディングス(直近決算期売上高7,409億円)、DVDやゲーム等の企画・制作を行う7844マーベラス(直近決算期売上高255億円)などが競合として挙げられる。

連結の範囲

同社グループは、同社、子会社14社及び関連会社2社の合計17社により構成され、良質なIP(Intellectual Property:知的財産)を開発・取得・発展するIPディベロッパーとして「新時代のエンターテイメントを創出する」ことをミッションとし、IPを軸に置いて事業を展開する。

強み・弱み

安定的な収益モデルおよび高い収益力が強み。一方で、近年は中国やイギリスなど海外発のコミックスの輸入による日本国内でブームが到来するなど、ボーダレスにコンテンツ力を競う時代となっており、海外事業基盤の弱さは課題である。また、自己資本比率が30%を切っており、財務基盤が脆弱である点もリスクである。新型コロナウイルス感染症がさらに拡大した場合、プロレスの興行、音楽ライブ及びイベントの延期や中止、販売店休業等による消費への影響、コンテンツ制作やMDの生産販売スケジュールへの影響が懸念される。

KPI

KPIとみられる開示は下記。
①     日本アニメの市場規模
②     トレーディングカードゲームの市場規模
③     国内外のゲームコンテンツの市場規模
④     新日本プロレスの視聴環境

2021年6月期 有価証券報告書

業績

2017年7月期から2021年6月期(2021年より決算期変更)までの5期をみると、売上高は22,759百万円から32,569百万円、経常利益は323百万円から583百万円となっている。経常利益のピークは2019年7月期の3,031百万円であり、新型コロナウイルスの影響で減益傾向にある。営業CFは期によってばらつきがある。投資CFは恒常的にマイナス。2022年6月期第2四半期の自己資本比率は29.8%。

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