7351 グッドパッチの事業について分析してみた

7351 グッドパッチの事業について分析してみた

PERAGARU管理人

グッドパッチの事業概要

同社は「ハートを揺さぶるデザインで世界を前進させる」というビジョンのもと、「デザインの力を証明する」というミッションを掲げ、「デザイン」を通じて人々の生活がより便利になり、より暮らしやすくなることを目指し事業活動を行うデザインカンパニーである。Webサイトやアプリケーション、ブランドのデザイン支援を行うデザインパートナー事業と自社開発のSaaSプロダクトやデザインプラットフォーム事業を展開している。
従業員数は197名 (2020年8月末時点)。

沿革

同社は2011年9月に企業のUI/UXのデザイン支援を目的に「株式会社グッドパッチ」として設立され、2015年5月にはヨーロッパ市場へ事業展開のためにドイツ・ベルリンに子会社「Goodpatch GmbH」を設立。2018年8月には顧客にUI/UXデザイン支援を提供するフルリモートのデザインチーム「Goodpatch Anywhere」を開始。2020年6月に東京証券取引所マザーズに上場。

株主構成

20年6月末時点の大株主は、同社代表土屋氏が41.25%保有しているオーナー企業で、他に株式会社ブルーローズ(8.50%)、株式会社日本カストディ銀行(6.06%)などで構成されている。

取締役会構成

同社の取締役は9名(社内4名、独立役員の社外5名。)、監査役3名 (独立役員の社外3名)であり、監査役会設置会社である。経営の意思決定・監督機能と業務執行機能の分離と迅速な業務執行のために執行役員制度を導入している。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の土屋尚史氏は1983年生まれ、関西大学社会学部中退。2011年4月にチャットワークの山本社長の紹介でサンフランシスコ、シリコンバレーのbtrax Incに入社。シリコンバレーでコワーキングスペースとユーザー体験を重視したUIに衝撃を受け、2011年9月に帰国し、グッドパッチ創業、代表取締役に就任。当初UI/UXコンサルに加え、コワーキング事業をしていたが、会社の継続が厳しいと判断したことからUI/UXデザインのみに集中した。

報告セグメントと事業の構成

同社の報告セグメントはデザインパートナー事業とデザインプラットフォーム事業の2つで構成されている。2020年8月期の売上高は2,143百万円で内訳は主力のデザインパートナー事業が1,575百万円、デザインプラットフォーム事業が568百万円となっている。

競合他社

株式会社セブンデックス、株式会社Donguri、フェンリル株式会社など。

連結の範囲

アメリカ、ドイツに1社ずつ100%連結子会社を有している。

事業モデル

主力事業であるデザインパートナー事業では、主にWebサイトやスマートフォンアプリケーション等のデジタルプロダクトデザイン開発を進めたいクライアントが必要とするUI/UXデザインを提供する。完成物を納品したら売上が成り立つ請負契約ではなく毎月課金型のストック収益型である。
デザインプラットフォーム事業は、デザインパ-トナー事業で支援しきれないクライアントに対してフルリモートデザインチームのGoodpatch Anywhere、人材紹介をするReDesigner及びReDesigner for tudent、プロトタイピングツールのPrott及びStrap、VR/XRのプロトタイピングサービスのAthenaを提供している。
Prottはプログラミングなしで画面の設計を簡易的に行える。月額課金制で2020年4月末には1306アカウントが有料登録している。
ReDesignerはデザイナーに特化した人材紹介サービスで人材マッチングが成約した場合に求人企業から成功報酬として成約者の年収の3割から4割の金額を受け取っている。
これらデザインプラットフォーム事業はデザインパートナー事業を支える形で提供され、デザイン人材、ノウハウの不足、事業のUX改善といったニーズを満たすように各事業が連携している。

強みと弱み

矢野経済研究所の「ITサービス市場におけるUX貢献額に関する調査」によると17年におけるITサービス市場におけるUX貢献額は1.21兆円で、21年には2.88兆円と成長市場であることは強みだろう。
さらに同社はUI/UXデザインに注力した企業で、この分野は2018年に経済産業省・特許庁が発表した「デザイン経営」宣言などデジタルを中心とした領域の重要性が増し、DXトランスフォーメーションのテーマ株としてPERも86倍(2021年1月8日現在)と高く投資家から注目されている。
弱みとしては、月額課金型のサブスクリプションを採用しているため、コロナウイルスの影響などで顧客企業が倒産してしまった場合に安定した収入が減ってしまうおそれや、低価格で優れたデザインを提供する企業が現れた場合に同社の業績に影響を及ぼす可能性がある。

KPI

デザインパートナー事業における主要KPIはプロジェクト件数とプロジェクト単価と考えられる。2020年8月期においてはドイツ子会社のプロジェクト数減少により月平均プロジェクトは減少した。一方で大企業のDX案件にリソースを投下したため、単価は上昇した。

同社が全体の事業を通してKPIとしてあげているものにデザイナー数の確保がある。この事業拡大のために設定されたKPIも大幅に増加している。