7707 プレシジョン・システム・サイエンスの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

事業概要

同社は遺伝子検査、たんぱく質検査などの体外診断(IVD)における研究開発や、その実用化で用いられる自動化装置、その他理化学機器、ソフトウェアなどの開発および製造販売に加え、自動化装置に使用される試薬およびプラスチック消耗品の製造販売を行うなど、総合的な開発を実現し独自のバイオシステムコンセプトを構築している(これらの製品の一部は業界大手のグローバル企業との提携によるOEM販売を中心に供給されており、ワールドワイドに事業展開している)。同社のバイオエコシステムコンセプトは、シンプルながら高精度で非常に応用性が広く、且つ安価で小型な製品を生み出すことを可能としている。
中心事業の自動化装置においては、血液や組織細胞などの検体から遺伝子(核酸)を抽出するための自動化装置(DNA自動抽出装置)を中心として、遺伝子研究の現場に対し様々な自動化装置を事業展開してきた。また、遺伝子の抽出技術に増幅・測定技術を組み合わせた全自動PCR検査システムを開発し、これまでの研究開発分野に加えて病院や検査センターなどの臨床診断分野も対象として販売を開始。

報告セグメント

単一セグメントであり、セグメント情報を開示していない。同社の事業は①装置②試薬・消耗品③メンテナンス関連④受託製造の4つに分けられる。

事業モデル

①装置(売上高構成比率58%)
装置事業は(a)ラボ(研究室)自動化装置、(b)臨床診断装置の2つに区分される。(a)はDNA自動抽出装置を中心としたラボ向けの各種自動化装置の販売である。(b)は事業領域として拡大中の遺伝子を利用した臨床診断分野に関わるものである。

②試薬・消耗品事業(同比率31%)
同社装置の使用に伴い消費される、DNA抽出およびPCR検査用の試薬や反応容器などの専用プラスチック消耗品を提供している。

③メンテナンス関連事業(同比率6%)
装置メンテナンスやスペアパーツ(交換部品)販売などの区分となる。主要なOEM先は、OEM先が自社でメンテナンス対応しているが、スペアパーツは同社から購入する契約となっている。

④受託製造事業(同比率5%)
子会社の製造工場であるエヌピーエス(株)が実施している、同社以外の外部からの受託製造事業である。

連結子会社

Precision System Science USA,Inc.(米国における販売、サポート拠点)、Precision System Science Europe GmbH(欧州における販売、サポート拠点)、ユニバーサル・バイオ・リサーチ(株)(知的財産管理や要素技術研究開発、特注機制作)、エヌピーエス(株)(機器製造やプラスチック成型品製造)の4社。

沿革

1985年7月17日に東京都板橋区にて理化学機器(臨床検査機器)の保守メンテナンスを目的として設立。2001年2月28日に当時の大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場(現JASDAQ)に株式上場、その後2015年9月に東京証券取引所マザーズへの市場変更を行った。

株主構成

第1位は代表取締役社長の田島秀二で16.30%を保有。第2位は(株)日立ハイテク(8.76%)、以下(有)ユニテック(4.55%)、日本証券金融(1.49%)と続く。第2位の日立ハイテクとは、2017年に資本業務提携を締結している(遺伝子検査システムおよび試薬を開発する点などで協業)。(有)ユニテックは代表取締役社長田島氏の100%出資会社。

取締役会

取締役6名、監査役3名から構成される。取締役の内1名が社外取締役である。取締役のバックグラウンドは、動力炉・核燃料開発事業団(現 独立行政法人・日本原子力研究開発機構)や銀行など異業種からの人材も見られる。

業績

直近の決算である2020年6月期は、連結ベースで売上高5,067百万円(前期比+685百万円)、経常損失91百万円(同▲230百万円)、当期純損失114百万円(同▲244百万円)と増収減益。世界的な新型コロナウイルス「COVID-19」確定迅速検査の需要に対応するために、エリテック社向けOEM製品である全自動PCR検査装置や、DNA自動抽出装置の販売とそれらに付属する消耗品(抽出試薬、 プラスチック消耗品)の販売が好調に推移したことにより前年同期比で売上増となったが、設備投資による減価償却費増加や研究開発費の増加などのコスト増加要因もあり、赤字着地となったもの。
2021年6月期の第一四半期決算は、売上高2,077百万円(前年同期比+1,152百万円)、経常利益199百万円(同+302百万円)と増収増益で推移。今期も引き続き、世界的な新型コロナウイルス「COVID-19」確定迅速検査の需要に対応するために、エリテック社向けOEM製品である全自動PCR検査装置や、DNA自動抽出装置の販売とそれらに付属する消耗品(抽出試薬、プラスチック消耗品)の販売が好調に推移したことにより前年同期比で売上増加。引き続き研究開発費などのコスト増加もあるものの、利益ベース黒字を確保している。