7744 ノーリツ鋼機の業績について考察してみた

7744 ノーリツ鋼機の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2021.Q4 2021.12 23,655 2,406 10.17%
FY2022.Q1 2022.03 14,224 1,671 11.75%
FY2022.Q2 2022.06 17,312 1,596 9.22%
FY2022.Q3 2022.09 18,126 960 5.3%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.03 12,708 1,309 10.3%
FY2018.Q1 2017.06 12,977 1,063 8.19%
FY2018.Q2 2017.09 12,913 1,098 8.5%
FY2018.Q3 2017.12 15,599 2,047 13.12%
FY2018.Q4 2018.03 14,546 1,746 12%
FY2019.Q1 2018.06 15,586 1,480 9.5%
FY2019.Q2 2018.09 15,077 955 6.33%
FY2019.Q3 2018.12 17,172 2,333 13.59%
FY2019.Q4 2019.03 15,692 1,285 8.19%
FY2020.Q1 2019.06 6,114 1,086 17.76%
FY2020.Q2 2019.09 6,584 1,175 17.85%
FY2020.Q3 2019.12 36,196 438 1.21%
FY2020.Q4 2020.03 -22,747 1,435 -6.31%
FY2020.Q2 2020.06 10,859 -259 -2.39%
FY2020.Q3 2020.09 14,578 3,041 20.86%
FY2020.Q4 2020.12 15,711 3,034 19.31%
FY2021.Q1 2021.03 10,339 2,331 22.55%
FY2021.Q2 2021.06 13,191 1,274 9.66%
FY2021.Q3 2021.09 28,141 4,722 16.78%
FY2021.Q4 2021.12 23,655 2,406 10.17%
FY2022.Q1 2022.03 14,224 1,671 11.75%
FY2022.Q2 2022.06 17,312 1,596 9.22%
FY2022.Q3 2022.09 18,126 960 5.3%

沿革

1943年4月個人経営の報国写真館として創業。写真印画紙自動水洗機の開発を機に1956年6月有限会社ノーリツ光機製作所設立。1961年11月ノーリツ鋼機株式会社に改組。基幹現像所用のフィルム自動現像機から始まり、カラープリント仕上げまで行える現像機で世界展開し1978年米国子会社設立を機に世界中へ拠点を設立。1996年2月大証二部上場、1997年9月大証一部に変更、同年11月東証一部上場。1990年代後半以降、デジタルカメラ等の普及もあり、2011年には当該事業は新設分割したNKワークス株式会社へ継承し、持ち株会社制へ移行し、積極的なM&Aによる事業多角化へ舵を切る。2013年5月株式会社日本医療データセンター等を買収、医療分野の事業を拡大する。2015年1月テイボー株式会社を買収、ものづくり事業を強化。2016年6月創業の事業を営むノーリツプレシジョン株式会社を譲渡。2019年12月4483JMDC(旧株式会社日本医療データセンター)が東証マザーズに上場。2020年DJ機器を展開するAlphaTheta株式会社を買収。ペン先、金属部品の製造販売、医療データ分析等多角展開する企業

2021年12月期第2四半期 決算補足説明資料

株主構成

有価証券報告書によると2021年月6月末時点の筆頭株主は、同社を創業した西本家の資産管理会社である株式会社サンクプランニングで保有割合42.14%。次いで創業者の長女西本佳代氏が6.73%で、西本家は合わせて48.87%を保有する。日本カストディ銀行の信託口が5.52%、日本マスタートラスト信託銀行の信託口が5.48%と続き、以降は保有割合5%未満で国内外金融機関、ファンドが並ぶ。尚5%ルール報告書によるとベイリー・ギフォード・アンド・カンパニーの保有割合がそれぞれ5%を超えているとみられる。外国人株式保有比率は20%以上30%未満

取締役会

取締役は6名(社内2名、社外4名)、うち監査等委員3名 (全員社外3名)、監査等委員設置会社である。取締役CEOの横張氏は公認会計士の資格を持つ。2020年1月に同社執行役員へ就任(29歳当時)している。

代表取締役の経歴

代表取締役CEOの岩切隆吉氏は1978年4月生まれ。法政大学卒業後、2001年4月株式会社エフアンドエム入社。2003年9月株式会社オプト(現2380デジタルホールディングス)入社後、取締役等を務める。2018年6月同社に代表取締役として入社、現在は同社連結子会社の取締役も兼任する

報告セグメント

「ものづくり」、「ヘルスケア」の2報告セグメントに大別される。2021年12月期第2四半期売上高33,240百万円の内訳は、ものづくり約7割、うち部品・材料が26%程度、音響機器関連が74%程度。ヘルスケア約3割、うちほとんどが医療情報事業によるものだった。全社費用等を除くセグメント利益(EBITDA)のセグメント別構成もほぼ同様だが、音響機器の利益が大きい。下図は2020年12月期の数値。

第66期株主通信

事業モデル

ものづくりは音響機器関連事業と部品・材料事業に大別される。音響機器関連事業は子会社のAlphaTheta株式会社などで取り扱う「Pioneer DJ」でグローバルトップシェアを誇るDJ/CLUB機器、2021年4月に買収した「Jlab Audio」ブランドで知られる米国オーディオメーカーPEG, LLC dba Jlab Audioで取り扱うヘッドホン等のオーディオデバイスのほか、業務用音響機器、音楽制作機器の商品開発・設計および販売、サービスの提供を行う。部品・材料事業はペン先事業を行うテイボー株式会社を中心にコスメ部材、金属部材などの製造販売を行う。テイボー株式会社では年間約3,400品種、国内および海外45ヶ国以上に販売を行い、世界トップシェアを誇る。筆記具メーカーのほか、コスメティック業界や医療業界にも進出する。
ヘルスケアは医療情報事業として4483JMDCにて国内最大規模の医療データベースを医薬・医療機器・研究機関・保険者および50以上の製薬・医療機器メーカーに提供、導入されている。また医療検査事業として株式会社プリメディカにて脳梗塞・心筋梗塞等重大疾患のリスク検査を軸に、最先端の予防医療サービスを日本全国の提携医療機関を介し提供している。
経営環境について、ものづくり事業はコロナ禍の影響を受け厳しい経営環境が続くが、生活様式の変化に伴う新たな需要が発掘されている。ヘルスケア事業は医療費適正化に向けた医療ビッグデータの利活用を促進させる法整備も進んでいることや、未病・予防医療に対する認知度も広まっていることから、前向きな経営環境であると同社は捉えている。

競合他社

多角的に事業を展開しているため、直接の競合は存在しない。医療情報事業を行う子会社4483JMDCの競合としては、3902MDV(2020年12月期売上高4,579百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

連結子会社32社、持分法適用関連会社1社で構成される。主な子会社として、東証マザーズに上場し、ヘルスケアセグメントに属する4483JMDCものづくりセグメントに属するテイボー株式会社2020年4月に買収したAlphaTheta株式会社が挙げられる。

強み・弱み

M&Aによる多角化により事業リスクが分散されていることが強み。「Pioneer DJ」でグローバルトップシェアを有するように、長年培ってきた技術開発力を生かすノウハウが傘下の各社に相応にみうけられ、ニッチシェア市場で存在感を持つことも強み。一方で海外売上比率が約60%に上るため、特に売上比率の高いヨーロッパ、中東、アフリカ諸国の為替リスクやカントリーリスクを負う。

KPI

事業ごとに、下記などがKPIになると考えられる。
①テイボー株式会社取扱品目数、販売国数(約3,400品種、45ヶ国以上)
②AlphaTheta認知度(SNSフォロワー数約220万人)
③LOX-index検査数24,200件(ヘルスケア事業、2021年1-3月期、前年同期比123%)
④為替(ユーロ1円の変動により税引前利益が約240百万円変動)

業績

M&Aによる事業拡大により2016年3月期から2020年3月期まで連続増収。2020年12月期は決算期変更のため9ヶ月決算となったが、買収したAlphaTheta株式会社が売上に寄与。営業利益は2019年3月期まで連続増益も2020年3月期は営業譲渡にかかる損失計上等により減益となった。フリーCFは大規模M&A実施年にマイナス。自己資本比率は買収資金借り入れ目的と考えられる有利子負債増加などを受け低下傾向で2020年3月期は44.6%。

2021年12月期第2四半期 決算補足説明資料


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