9247 TREホールディングスの業績について考察してみた

9247 TREホールディングスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2021年10月株式会社タケエイとリバーホールディングス株式会社の経営統合にともない、両社の共同持株会社として設立される。「静脈産業(廃棄物処理・再資源化)のメジャー企業」として、動脈産業(モノづくり)の大手企業と協力していくための統合だった。設立と同時に東証プライム市場に上場。主力は廃棄物処理・再資源化事業である。
なお株式会社タケエイは廃棄物処理・リサイクル事業を主力とし、リバーホールディングス株式会社は金属リサイクル事業を基盤とする廃棄物処理事業を展開していた。

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株主構成

新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)によると、2021年10月時点の筆頭株主は10.3%を保有する日本マスタートラスト信託銀行の信託口。また日本カストディ銀行の信託口も9.2%を保有する。ほか5%未満で、取締役の鈴木孝雄氏と三本守氏の両名、鈴木氏が社外取締役を務める1433ベステラなど。外国人株式保有比率は10%以上20%未満。

取締役会

取締役は7名(社内4名、社外3名)、社外の3名は監査等委員。監査等委員会設置会社である。社内4名の取締役は、タケエイの代表取締役2名とリバーホールディングスの代表取締役2名が務める。

代表取締役の経歴

代表取締役会長の松岡直人氏は1949年4月生まれ。1972年4月、8058三菱商事へ入社。鉄鋼業界で長く経験を積み、関連企業で要職を歴任してきた。2015年9月にリバーホールディングス代表取締役社長に就任。2021年10月より現職を務め、タケエイの取締役も兼任している。
代表取締役社長の阿部光男氏は1960年6月生まれ。1983年に早稲田大学商学部を卒業後、協和銀行(現:りそな銀行)に入行する。2017年3月、りそな決済サービス株式会社代表取締役社長を退き、4月にタケエイへ入社。執行役員、取締役常務を経て、2019年6月より代表取締役社長を務める。2021年10月、TREホールディングス設立と同時に現職に就任。くわえて、リバーホールディングスの取締役も務めている。

報告セグメント

同社事業は「廃棄物処理・再資源化事業」、「資源リサイクル事業」、「再生可能エネルギー事業」の3報告セグメントに大別される。直近2022年3月期第3四半期(累計)では、売上高45,038百万円の41.7%が廃棄物処理・再資源化事業、27.3%が資源リサイクル事業、20.6%が再生可能エネルギー事業にて計上されている。一方で同期の営業利益5,143百万円は、74.5%を廃棄物処理・再資源化事業が占め、再生可能エネルギー事業は赤字である。

会社資料よりPERAGARU_BLOG作成

事業モデル

主力の「廃棄物処理・再資源化事業」、「資源リサイクル事業」では、廃棄物の収集運搬から再資源化・最終処分まで、一貫処理を担う。工場や建設現場から産業廃棄物や使用済自動車、家電などを受け入れ、金属、プラスチック、木、紙など素材ごとに再資源化する。生成したリサイクル材をおもに鉄鋼メーカーや素材メーカーへ販売。木質チップや再資源化できなかった廃プラスチックはバイオマス発電の燃料としてサーマルリサイクルされる。再資源化の難しい廃棄物は最終処分場で処理される。また、埋め立てが完了した最終処分場の跡地を太陽光発電施設やパークゴルフ場として活用している。
「再生可能エネルギー事業」では、森林間伐材を燃料とした木質バイオマス発電を手がけ、地域の小中学校、公共施設などに供給する。発電時に発生する余熱で農作物の栽培もおこなう。

2022年3月期 第3四半期決算 補足説明資料

産業廃棄物処理業界の市場規模は5.3兆円程度。さらに再生資源卸売業、再生資源利用などを含めると12兆円を超えるとも推計される。
廃棄物処理・リサイクル業界においては、法的規制などの背景から、より高度な環境対応や廃棄物リサイクルのニーズが高まりを見せる。また日本を含む124ヵ国と1地域が2050年までのカーボンニュートラル実現を表明しており、脱炭素化の流れが加速している。

競合他社

同社が属する静脈産業は、従業員100人未満の中小企業が99%を占める。産業廃棄物処理業やリサイクル業を手がける上場企業では1433ベステラ、1712ダイセキ環境ソリューションなどが挙げられる。しかし、同社のように廃棄物処理からリサイクル、再生可能エネルギー、バイオマス発電をすべて手がける企業は見当たらない

連結の範囲

連結子会社は39社、持分法適用関連会社は6社と多い。国内38社、タイの1社で構成される。主要な子会社はタケエイで、3つの事業をすべて営む子会社はこの1社のみである。

強み・弱み

扱える産業廃棄物の多さと、収集から最終処理まで一貫して手がけられる点が強みといえる。タケエイは建設系廃棄物を主体としており、リバーホールディングスは金属リサイクルを主体に展開していたため、両社の統合によって取扱量が増加。さらに、競合他社の段落でも述べたように、収集から最終処理まで一貫して担える点は他社と大きく異なっている。一方で再生可能エネルギー事業の赤字が弱みといえる。統合以前からタケエイはエネルギー事業に注力していたが、同事業の売上高は全体の25%程度にとどまっていた。2社の統合後もエネルギー事業を成長戦略のひとつに掲げており、社会的にも脱炭素化の追い風が吹く中、黒字化が急がれる。

KPI

主軸の廃棄物処理・再資源化事業では建設系産業廃棄物が多いことから、新設住宅着工件数、建設工事受注高はKPIとなりうる。以下、国土交通省発表の数値である。
①新設住宅着工件数:2021年 856,484戸(前年比+5%)
②建設工事受注高(大手50社):2021年 15,783十億円(前年比+14.1%)

業績

統合以前の、タケエイ、リバーホールディングス両社の業績を振り返る。
タケエイは2017年3月期から2021年3月期まで、売上高、経常利益ともに安定的に成長してきた。売上高は27,973百万円から42,062百万円へと+50.4%、経常利益は2,275百万円から3,893百万円へ+71.1%の成長である。
一方、リバーホールディングスは2018年6月期から2020年6月期までの3期連続で減収・減益だったものの、2021年6月期は大きく持ち直した。4期を通じて売上高は39,285百万円から36,203百万円へ▲27.8%、経常利益は1,516百万円から4,131百万円へ、2.7倍となっている。

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