7600 日本エム・ディ・エムの業績について考察してみた

7600 日本エム・ディ・エムの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1973年5月、医療関連商品の販売を目的として株式会社ホスピタルサービス設立。1981年1月に株式会社日本エム・ディ・エムに商号変更、同年7月には米Ace Medical Companyの日本総販売代理店として骨接合材料の販売開始。1994年9月に米Ortho Development Corporation(ODEV社)を買収、1996年1月にはODEV社製造の人工関節「ODCバイポーラシステム」の販売開始。1998年12月、日本証券業協会に店頭登録。2000年3月に東証二部上場、2001年5月には同一部へ市場変更。2005年11 月に日本特殊陶業株式会社の人工骨補填材の販売開始、2016年5月には日本特殊陶業株式会社との間で資本・業務提携に関する契約を締結。2022年1月、同契約を解消。医療機器の開発製造及び輸入販売、全国主要病院及び医師への医療商品の紹介を事業とする。

株主構成

四半期報告書によると、2021年9月末時点での筆頭株主は、2022年1月まで資本・業務提携契約を締結していた日本特殊陶業株式会社で30.01%保有。次いで、株式会社日本カストディ銀行信託口が15.00%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社信託口が10.90%保有。以下は5%未満の保有率で、個人、国内外の金融機関などが続く。外国人株式保有比率は10%以上20%未満

取締役会

取締役は11名(社内9名、社外2名)、監査役は3名(1名は常勤で社内、他2名は非常勤で社外)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役はプロパー3名、日本特殊陶業株式会社出身者3名、他は商社出身者など。なお、日本特殊陶業株式会社出身者3名は、前述の契約解消に伴い2022年1月に退任。社外取締役には弁護士、公認会計士が就任。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の大川正男氏は1956年9月生まれ。横浜国立大学卒業後、1982年10月に監査法人中央会計事務所入所。2001年8月に同社入社、取締役管理本部長就任。2009年8月より現職

報告セグメント

報告セグメントは地域基準で、「日本」ならびに「米国」の2セグメントで構成される。2021年3月期の外部顧客への売上高16,738百万円の構成比は、日本66.1%、米国33.9%であった。また、同期の調整前セグメント利益2,218百万円の構成比は、日本62.7%、米国37.3%であった。売上高、セグメント利益の両面で日本が主力となる。製品種別ごとの売上高比率は下図の通り。

2021年(第49期)事業報告書 p.9

事業モデル

「人工関節」、「骨接合材料」、「脊椎固定器具」の3製品が主力分野であり、特に人工関節は売上高の6割を占める。人工関節とは、何らかの疾患によって関節の機能が損傷を受けた場合に、その機能を回復するために人工の材料で置き換えることに使用される製品を指す。1996年の人工股関節「ODCバイポーラシステム」、2001年の人工膝関節「バランスド・ニー・システム」、2011年の人工股関節「オベーション ヒップ ステム」、2012年の人工股関節「エンコンパス ヒップ ステム」、2016年の人工股関節「アルパイン ヒップ ステム」など、人工股関節慢性疾患分野への本格参入を果たしている。
骨接合材料は、骨折した骨の固定を行うための体内に埋め込む部材であり、スクリュー、プレート、髄内釘等に分類できる。同社は米国子会社ODEV社と共同で、「日本人患者の骨格体型に合致し、日本人医師ニーズを満たす製品の提供」というコンセプトで骨接合材新製品の開発、薬事承認を取得し販売を開始。高齢化が進むことにより骨接合材市場は伸張することが想定される中で、「日本人向け骨接合材料」の投入を機に売上を伸張させ、巨大かつ成長領域においてシェア拡大を図る。
脊椎固定器具は、脊髄や神経を圧迫している因子である椎間板や靭帯を取り除く手術を行うことにより、不安定となった脊髄を矯正・固定するために使用する器具である。 2012年に「Vusion OSインターボディCage」、2014 年に「Pagodaスパイナルシステム」ならびに「IBISスパイナルシステム」を市場投入し、製品ラインナップを拡充。

2021年(第49期)事業報告書 p.10

競合他社

「ジンマー・バイオメット合同会社」(米Zimmer Biomet Holdings, Inc. の子会社)が、人工関節及び骨接合材料の分野で競合する

連結の範囲

同社グループは、同社及び連結子会社3社で構成される。連結子会社で医療機器の開発製造販売を事業とする 前述ODEV社は、売上高の連結売上高に占める割合が10%を超える(55.3%)

強み・弱み

高齢化やスポーツ人口の増大により骨折等の傷害は増加傾向にあり、整形外科分野製品の需要が着実に拡大している点は追い風。一方、医療機器業界を取り巻く環境は、社会保障関連経費の財源問題等により今後も特定保険医療材料の償還価格の引き下げ等、引き続き厳しい市場環境が継続すると予想される。

KPI

設備投資、減価償却費、研究開発費などはKPIとみなせる。

2022年(第50期)3月期第2四半期決算説明会資料 p.27

業績

順調に業績を拡大し、2020年3月期には売上高18,083百万円、経常利益2,581百万円と上場来最高を記録。2021年3月期は新型コロナウイルス感染症の影響により減収減益で、売上高16,738百万円(前期比▲7.4%)、営業利益2,168百万円(前期比▲18.0%)、経常利益2,125百万円(前期比▲17.7%)であった。営業CFは概ねプラス、投資CFは恒常的にマイナス。2022年3月期第2四半期の自己資本比率は76.8%。

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