2174 GCAの業績について考察してみた

2174 GCAの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

GCAの事業概要

GCAは子会社28社より構成されるM&A関連の事業を展開している会社となっている。グローバルには25拠点展開している。
・沿革
2008年3月にGCAホールディングス株式会社とサヴィアン株式会社の共同株式移転により両社の完全親会社となるGCAサヴィアングループ株式会社が設立された。その後、2008年12月には英国現地法人を設立、2011年3月にインド現地法人を設立、2011年5月に中国現地法人を設立している。2012年9月には東京取引証券取引所市場第一部へ上場している。そして、2014年12月にシンガポール現地法人を設立、2018年1月に台湾現地法人を設立、2018年4月にベトナム現地法人を設立、2019年にフランス現地法人を設立するなどグローバルに展開している。
・株主構成
同社の大株主はAGCA HOLDINGS LIMITEDとなっており、24.19%保有している。その他、現代表取締役や証券会社などが保有している。同社の特徴として外国法人等(個人除く)で45.66%となっており、海外の株主が保有している点である。なお、上位10株主で61.58%となっている。
・取締役会構成
取締役会は13名で構成されており、監査等委員である4名が社外取締役として選任されている。
・代表取締役の経歴
同社の代表取締役の渡辺氏は1959年生まれで、平和監査法人、KPMG、などを経て、2004年に現在の前身のGCAを設立し、代表取締役に就任している。その後、外部の会社の取締役も就任している。
・報告セグメントと事業の構成、ビジネスモデル
同社の報告セグメントはアドバイザリー事業とアセットマネジメント事業の2事業となっている。M&A取引に関するアドバイザリー事業を主たる業務とし、M&A関連周辺業務にも事業展開を行なっている。なお、売上高構成比率はアドバイザリー事業が97%である。
・競合他社
同社の競合他社はM&A関連の業務を行なっている会社となっており、上場会社であれば、日本M&Aセンター、ストライク、M&Aキャピタルパートナーズ、山田コンサルティングなどが該当する。
・連結範囲
同社はアドバイザリー事業を行う子会社とアセットマネジメント事業を行なっている子会社の28社が連結範囲となり、連結財務諸表を作成している。なお、同社のアセットマネジメント事業は独立系メザニンファンドを運営している。

アドバイザリー事業

同社のアドバイザリー事業はM&Aの戦略立案から案件オリジネーション、エクゼキューション、M&A実行後のPMIに至るまでのM&Aアドバイザリーサービスを行なっている。
・事業モデル
M&Aアドバイザリーをはじめ、財務・税務デューデリジェンス、企業価値評価などのM&Aの専門家として業務を提供している。
・強みや弱み
同社の強みは各グローバルの拠点を保有しており、クロスボーダー案件に対応できる点があげられる。
一方、同社の弱みとしては、労働時間が長いため、人材の流動性が高い点が弱みとなっている。これは、M&A業界に属する大半の企業が抱える課題である。
・事業の盛衰
同社が置かれている競業環境は参入障壁が低く、競業他社は多数存在する。銀行系、証券系、監査法人系など範囲が広い。また、それぞれの会社から独立した会社も存在しており、厳しい環境となっている。また、M&Aの案件数の影響により、パイが変動し、同社の収益が変動すると考えられる。
・KPI
同社は個々人の売上が同社全体の売上高につながる。また、同社はものを販売して収益を上げる構造ではないため、案件数をどれだけこなせるか、コンサルタント等がどれだけ稼働しているかが重要となってくる。
上記を踏まえると同社は一人当たり売上高、稼働率がKPIとしていると考えられる。

GCAの財務状況と業績進捗

同社の業績は先述の通り、市場環境に大きな影響を受けやすい。2019年12月期に関しては、前年と比較して約12%減となっている。これは世界のM&A市場が案件数で6%減、金額で14%減という点が影響を受けている。米国市場や欧州市場の減少が全社の売上の減少に繋がっている。
同社の損益構造として費用関連は人件費が大半を占めている。そのため、業績が悪化すると賞与などで調整を行い、コストコントロールしていると考えられる。実際、2019年12月期は先述の通り、売上収益が12%減少しているにもかかわらず、営業利益の減少幅は小さくなっている。
次に同社のB/Sは売上債権・仕入債務がメインで固定資産などは少額となっている点が特徴的である。売上債権は案件完了のタイミングにより増減しており、その影響がC/Sに影響している。仕入債務は人件費関係に関連するものと考えられ、給料や賞与などの債務と考えられる。
C/Sのうち、営業CFは上記の売上債権や仕入債務の増減の影響が大きい。2019年12月期については、前期と比較して賞与に関連する債務が減少したことで営業CFが減少していると考えられる。
また、投資CFは大きくなく、財務CFの主な項目は配当金の支払額となっている。
なお、2020年12月期は新型コロナウイルスの影響を受けて世界的なM&A件数、金額が減少していることで売上収益は減少傾向で推移している。ただし、直近の第3四半期だけをみると前期水準まで戻してきている。また、コロナ禍の状況での業績の悪化に伴い、借入金を増やして手元現預金の残高を増やしている。