5950 日本パワーファスニングの業績について考察してみた

5950 日本パワーファスニングの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1964年4月、新和工業株式会社、日本発条株式会、米国イリノイ・ツール・ワークス社が、業界初の日米合弁会社である日本シェークプルーフ株式会社を設立。1979年8月、ニスコ株式会社に商号変更。1980年1月、イリノイ・ツール・ワークス社保有の株式を日本発条株式会社ならびに土肥亀雄氏が譲受け、日米合弁会社の形態を解消。1989年9月に(新)豊岡工場が完成し、ねじの一貫生産を開始。1992年10月、日本パワーファスニング株式会社へ商号変更。1981年11月に大証二部上場、2013年7月には東証二部へ市場変更。工業用ファスナー(ばね、ねじ等)、工業用ファスナー締結工具及び関連製品の製造販売を事業とする。

株主構成

四半期報告書によると、2021年6月末時点での筆頭株主は、主要取引先の積水ハウス株式会社で23.90%保有。続いて、代表取締役会長兼社長の土肥雄治氏が9.27%、鋼材専門商社の伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社が6.16%保有。以下は5%未満の保有率で、国内の金融機関などの他、前代表取締役社長の土肥智雄氏が4.63%保有。外国人株式保有比率は10%以上20%未満(2020年12月末時点)。

取締役会

取締役は11名(社内7名、社外4名)、うち3名は監査等委員(1名は常勤で社内、他2名は非常勤で社外)、監査等委員会設置会社である。代表権を持たない社内取締役は、プロパー3名の他、株式会社池田泉州銀行、伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社、同業他社のサンコーテクノ株式会社の出身者で構成。社外取締役には、投資会社幹部、弁護士、公認会計士が就任。

代表取締役の経歴

代表取締役会長兼社長の土肥雄治氏は1950年8月生まれで、前述の土肥亀雄氏の親族と見られる。同志社大学卒業後、1974年4月に株式会社神戸製鋼所入社。1979年6月、同社取締役就任。代表取締役社長、代表取締役会長などを経て2016年3月より現職

報告セグメント

「建築用ファスナー及びツール関連事業」、「自動車・家電等部品関連事業」の2セグメントで構成される。2020年12月期の外部顧客への売上高5,309百万円の構成比は、建築用ファスナー及びツール関連事業99.2%、自動車・家電等部品関連事業0.7%、その他事業0.1%であった。また、同期の調整前セグメント利益▲64百万円の内訳は、建築用ファスナー及びツール関連事業▲45百万円、自動車・家電等部品関連事業▲21百万円、その他事業2百万円であった。建築用ファスナー及びツール関連事業が主力であるが、赤字幅も最大。なお、地域別売上高は日本国内が90%を超える。また、売上高に占める主要取引先の割合は、積水ハウス株式会社が29.4%であった。

事業モデル

建設・建築分野において異種部材を締結する、ねじ、ばね、釘、鋲(ピン)、アンカー、ボルト、ナット、リベット、金物等の接合部品(工業用ファスナー)などの製造、それらの住宅メーカーを始めとする施工業者への販売を事業とする。建設現場でのファスニングの場面では、「確実に・早く・無駄なく・簡単に・楽に」留め付けできることが不可欠である。また、設計基準を満たし、低コストで常に安定した施工による最適な「ファスニング」が要求される。同社は顧客のニーズに合わせ、ファスナーの複合化やファスナーとツールの組み合わせの最適化によって、一体化した独創的なファスニングシステムを提供する。同社が提案する、ファスナーあるいはツールの一方にとらわれない、ファスニングに求められる技術や作業コストを含めた「トータルファスニング」の理念は、建築分野のみならず組立産業分野にも数多く生かされている。
製品分野別では、鉄骨などの金属構造物に建築部材を締結するための金属系建材用ファスナー(ドリルねじ)、木造建築用の木質系建材用ファスナー(木ねじ)、コンクリート構造物などを対象とするセメント系建材用ファスナーが代表例である。

公式ウェブサイト内「製品・技術案内」

競合他社

3420 株式会社ケー・エフ・シー(売上高27,798百万円)、3435 サンコーテクノ株式会社(売上高17,940百万円)が、建設・建築分野向けの工業用ファスナーを扱う点で競合する。また、くぎ・ねじ類一般を扱う5952 アマテイ株式会社(売上高4,401百万円)も競合の可能性あり。

連結の範囲

同社グループは、同社及び連結子会社2社で構成される。連結子会社は「Japan Power Fastening Hong Kong Limited」(香港)ならびに「蘇州強力五金有限公司」(中国)である。後者は中国における生産拠点であったが、人件費高騰などにより赤字続きのため撤退予定

強み・弱み

ファスニングに求められる技術や作業コストを含めた「トータルファスニング」の考え方が、建築分野のみならず組立産業分野にも数多く生かされている点が強み。一方、需要が住宅業界ならびに建設業界の動向に強く影響される点はリスク。また、国内の同業他社や中国・台湾等からの輸入品など、価格面を中心に競合相手が多い。

KPI

生産実績、商品仕入実績などがKPIとみなせる。
・生産実績(2020年12月期):2,652百万円(前期比▲48.5%)
・商品仕入実績(同上):2,151百万円(前期比▲5.8%)

業績

2016年12月期までは売上高8,000百万円以上をほぼ維持してきたが、2017年12月期にはこれを割り込むとともに4期連続で減収。2020年12月期は、新型コロナウイルス感染症による経済活等低迷もあり大幅減収で、売上高5,309百万円(前期比▲25.1%)、営業利益▲146百万円(前期比+127百万円)、経常利益▲231百万円(前期比+130百万円)であった。なお、2021年12月期第3四半期は売上高3,845百万円(前年同期比▲2.4%)と若干の減収であるものの、中国子会社の整理など合理化が功を奏し、営業利益55百万円(前年同期比+203百万円)、経常利益114百万円(前年同期比+345百万円)と黒字化。営業CFは概ねプラス、投資CFは年度によってプラス・マイナスいずれもあり。2021年12月期第3四半期の自己資本比率は19.6%。

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