3446 ジェイテックコーポレーションの業績について考察してみた

3446 ジェイテックコーポレーションの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1993年12月大阪コンピュータ工業株式会社との共同出資により、大阪府に株式会社ジェイテックを設立。1994年7月バイオ自動機器(自動細胞培養装置、薬効評価装置)を開発。2005年4月大阪大学及び独立行政法人理化学研究所(現国立研究開発法人理化学研究所)の研究成果をもとにX線ナノ集光ミラーの事業化を開始。2016年5月商号を株式会社ジェイテックコーポレーションに変更。2018年2月東証マザーズに上場。2020年9月東証一部に市場変更。研究施設用X線集光ミラーと自動細胞培養装置を柱に研究開発を行う

株主構成

有価証券報告書によると2021年6月末時点の筆頭株主は、代表取締役社長の津村尚史氏で45.59%を保有。次いで、株式会社日本カストディ銀行(信託口)が6.18%、大阪コンピュータ工業株式会社が6.15%を保有している。そのほかに、株式会社SBI証券や野村證券株式会社、松井証券株式会社、実業家の有馬誠氏などが並ぶ。

取締役会

取締役は7名(社内4名、社外3名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役3名は、株式会社シリコンテクノロジーや大研医器株式会社、株式会社ニコンなどの出身者。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の津村尚史氏は1957年4月生まれ。大阪大学を卒業後、倉敷紡績株式会社に入社。1991年4月に株式会社片岡実業へ入社し、取締役技術部長へ就任。1993年12月に同社を設立し、現職へ就任。

報告セグメント

「オプティカル事業」、「ライフサイエンス・機器開発事業」の2報告セグメントに大別される。2021年6月期の売上高820百万円の構成比は、オプティカル事業63.3%、ライフサイエンス・機器開発事業36.7%である。セグメント利益は、オプティカル事業82百万円、ライフサイエンス・機器開発事業▲81百万円であり、営業損失は▲271百万円であった。

事業モデル

オプティカル事業は、兵庫県にある大型放射光施設「SPring-8」やX線自由電子レーザー施設「SACLA」のような国内外の先端的放射光施設やX線自由電子レーザー施設等で使われる反射表面の形状精度が1ナノメートル以下の超高精度の反射表面形状をした集光ミラー、高調波カットミラーや回折格子基板等をユーザーに合わせて設計し、カスタムメイドで製造・販売している。同社が販売するX線ナノ集光ミラーは、国内外の先端的放射光施設やX線自由電子レーザー施設等で使われ、顧客は主に国内外の国立研究機関や大学の研究者などである
近年、放射光施設やX線自由電子レーザー施設は、物理、化学、生物などの基礎科学研究分野から、高度化医療、創薬や材料評価などの応用分野に加えて産業利用ニーズも高まりをみせ、化粧品、食料品、電池、タイヤ等身近な製品の開発にも放射光利用は年々増大している。各国の多様な地域発研究開発・実証拠点(リサーチコンプレックス)において、現在もコアな機関として位置づけられ、イノベーションを強力に推進している。
ライフサイエンス・機器開発事業は、創薬スクリーニングに関連する各種細胞培養操作の自動化の開発を手掛け、その後再生医療に関連する細胞培養操作を自動化した各種自動細胞培養装置やiPS細胞用の各種細胞培養装置の開発・製造・販売を推進している。同社の自動細胞培養装置「CellMeister®シリーズ」は、培地と呼ばれる細胞増殖に欠かせない栄養分(培養液)を交換したり、細胞を培養したり、培養液を保存したりする様々な機能をオールインワンにまとめた全自動化のシステムであることが特長。
医療・バイオ分野では顧客の希望する内容が多様化しており、顧客ごとに独自の操作手順を提案し、カスタムメイドで自動化装置の製造・販売を行っている。新型コロナウイルス感染症拡大の影響が続く中、コロナ治療薬の探索のために、自動細胞培養装置のカスタム製品や簡易型自動細胞培養装置「MakCell®」のような汎用製品等の引合いが増えているとみられる

2021年6月期 決算説明資料

競合他社

遺伝子・再生医療研究用試薬や理化学機器販売を行う4974タカラバイオ(直近決算期売上高460億円)、光電子増倍管で高いシェアを誇る6965浜松ホトニクス(直近決算期売上高1,402億円)などが競合として挙げられる。

連結の範囲

同社グループは、同社及び理化学機器の開発・製造・販売・分析を行う電子科学株式会社(連結子会社)で構成される

強み・弱み

大阪大学や理化学研究所、高輝度光科学研究センターとの共同研究を推進し、その研究を通してX線ミラーの光学設計のノウハウを習得している。そのため、顧客である研究者に対し、最適なX線ミラーの提案が可能な点が強み。オプティカル事業の製造技術において、将来同社の製造方法と同等の精度レベルを実現する新たな製造方法が確立された場合には、価格面で影響を受けることが懸念される。しかし、同社によると本技術を超える精度は物理的に不可能としている。

KPI

KPIとみられる開示は下記。
①生産実績
②受注実績
③販売実績

業績

2017年6月期から2021年6月期までの5期をみると、売上高・経常利益のピークは2019年6月期(売上高1,285百万円、経常利益496百万円)であった。直近期はコロナ禍の影響を大きく受け、大幅減益となっている。営業CFは直近期マイナス、投資CFは恒常的にマイナス。自己資本比率は68.3%。

関連ありそうな記事