5949 ユニプレスの業績について考察してみた

5949 ユニプレスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2024.Q3 2023.12 83,372 2,082 2.5%
FY2024.Q4 2024.03 90,032 6,090 6.76%
FY2025.Q1 2024.06 81,443 3,215 3.95%
FY2025.Q2 2024.09 81,138 350 0.43%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.03 96,553 7,523 7.79%
FY2018.Q1 2017.06 79,951 6,286 7.86%
FY2018.Q2 2017.09 83,218 7,229 8.69%
FY2018.Q3 2017.12 77,937 4,201 5.39%
FY2018.Q4 2018.03 89,784 8,331 9.28%
FY2019.Q1 2018.06 78,666 4,303 5.47%
FY2019.Q2 2018.09 84,322 5,440 6.45%
FY2019.Q3 2018.12 79,937 4,149 5.19%
FY2019.Q4 2019.03 84,869 6,232 7.34%
FY2020.Q1 2019.06 72,076 1,240 1.72%
FY2020.Q2 2019.09 76,619 2,693 3.51%
FY2020.Q3 2019.12 71,594 -211 -0.29%
FY2020.Q4 2020.03 75,403 -413 -0.55%
FY2021.Q1 2020.06 41,847 -9,167 -21.91%
FY2021.Q2 2020.09 46,153 -6,131 -13.28%
FY2021.Q3 2020.12 68,882 -1,219 -1.77%
FY2021.Q4 2021.03 77,663 5,187 6.68%
FY2022.Q1 2021.06 55,148 -3,288 -5.96%
FY2022.Q2 2021.09 64,179 -4,664 -7.27%
FY2022.Q3 2021.12 58,004 -4,021 -6.93%
FY2022.Q4 2022.03 77,119 4,380 5.68%
FY2023.Q1 2022.06 62,276 -1,169 -1.88%
FY2023.Q2 2022.09 70,898 -1,602 -2.26%
FY2023.Q3 2022.12 85,417 -828 -0.97%
FY2023.Q4 2023.03 85,851 7,337 8.55%
FY2024.Q1 2023.06 80,988 2,872 3.55%
FY2024.Q2 2023.09 80,687 -117 -0.15%
FY2024.Q3 2023.12 83,372 2,082 2.5%
FY2024.Q4 2024.03 90,032 6,090 6.76%
FY2025.Q1 2024.06 81,443 3,215 3.95%
FY2025.Q2 2024.09 81,138 350 0.43%

沿革

1936年11月創業の大和工業株式会社と1945年3月創業の山川工業株式会社が、1998年4月に合併しユニプレス株式会社発足。自動車内装部品等の技術開発・販売・生産を開始。2002年1月、ユニプレスサウスイーストアメリカ会社を設立。以降、フランス、中国、インド、タイ等へ進出。2004年2月に東証二部上場、2005年9月には同一部へ市場変更。日産自動車株式会社及び関連企業向けを中心に、自動車部品、電機部品、金属製品、溶接機器、金型、治工具の製造・販売、ならびにプレス機械の検査及び保全業を事業とする。

株主構成

四半期報告書によると、2021年9月末時点での筆頭株主は、日本製鉄株式会社で17.4%保有。続いて、日本マスタートラスト信託銀行株式会社信託口が14.8%、JFEスチール株式会社の鋼材などを扱う専門商社の伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社が7.2%、株式会社日本カストディ銀行信託口が5.9%保有。以下は5%未満の保有率で、国内外の金融機関の他、同社名誉顧問の江口昌典氏が1.3%保有。外国人株式保有比率は20%以上30%未満(2021年3月末時点)。

取締役会

取締役は9名(社内6名、社外3名)、うち3名は監査等委員(1名は常勤で社内、他2名は非常勤で社外)、監査等委員会設置会社である。代表権を持たない社内取締役は、株式会社みずほフィナンシャルグループ出身の1名を除いて全員プロパー。社外取締役には、日本製鉄株式会社執行役員、弁護士、公認会計士が就任。

代表取締役の経歴

代表取締役は2名。代表取締役社長の浦西信哉氏は1960年4月生まれ。慶應義塾大学卒業後、1984年4月に日産自動車株式会社入社。常務執行役員などを歴任後、2016年11月に同社入社。専務執行役員、取締役副社長などを経て2020年4月より現職
代表取締役副社長の尾越英樹氏は1954年6月生まれ。1977年3月に同社前進で合併前の大和工業株式会社入社。専務執行役員、取締役副社長などを経て2020年4月より現職

報告セグメント

報告セグメントは地域基準で、「日本」、「米州」、「欧州」、「アジア」の4セグメントで構成される。2021年3月期の外部顧客への売上高234,545百万円の構成比は、日本31.3%、米州28.9%、欧州9.9%、アジア29.9%であった。また、同期の調整前セグメント利益▲11,825百万円の内訳は、日本▲9,167百万円、米州▲2,369百万円、欧州▲3,673百万円、アジア3,384百万円となった。日本は売上高が最高である一方、赤字幅も最大。唯一黒字を達成したのはアジアであった。従業員数の構成は、売上構成比とほぼ等しい。
なお、製品及びサービスごとの売上高は、「車体プレス部品事業」83.5%、「トランスミッション部品事業」14.1%、「樹脂部品事業」1.3%、「その他事業」1.1%であり、車体プレス部品事業が主力となる。
売上高に占める主要取引先の割合は、東風汽車有限公司(日産自動車株式会社と東風汽車集団有限公司との合弁企業)19.1%、日産自動車株式会社14.9%、北米日産会社11.6%、メキシコ日産自動車会社10.9%であった。日産グループへの売上が全体の50%以上を占める。

事業モデル

自動車部品の製造ならびに日産グループなど自動車メーカーへの販売を事業とする。部品の内訳は車体を中心に、トランスミッション用の精密部品や樹脂部品も扱う。いずれの場合もプレスによって成形された部品であることが特徴である。自動車部品は、車体に代表されるように車種ごとに特化される場合が多いため、顧客となる自動車メーカーと協議しながら設計される。同社では、自動車メーカーのニーズに合致する提案を行い、それに沿って「設計・試作」、「実験・解析」、「金型・治工具・生産ラインの製作」、「量産」の各段階を経て自動車メーカーへ納入する。
主力製品の車体を例にとると、骨格部品を体系的に見つめ車体構造を見直すことで、自動車メーカーのニーズや要求性能、生産性の向上を実現させる最適解を提案する。具体的には、部品分割位置や材質を見直すことで、補強部材の廃止、材料歩留まり・生産性の向上を図り、コスト削減や軽量化などの合理化を実現する。また、独自の解析ツールによって提案までの検討期間を短縮している。

公式ウェブサイト内「ユニプレスの技術力」>「プレストータルエンジニアリング」

競合他社

5975 東プレ(株)(売上高214,544百万円)、5970 (株)ジーテクト(売上高209,420百万円)、5989 (株)エイチワン(売上収益163,927百万円)などが、自動車用車体プレス品などで競合する。

連結の範囲

同社グループは、同社及び子会社24社(うち連結子会社22社)、関連会社11社(うち持分法適用会社6社)で構成される。連結子会社のうち、「ユニプレスメキシコ」ならびに「ユニプレス鄭州」の売上高の、連結売上高に占める割合は10%を超える。両社の割合は順に15.3%ならびに11.2%であり、いずれも自動車部品の加工委託及び販売を事業とする。

強み・弱み

世界トップクラスの高張力鋼成型技術や独自の解析ツールなど、高い技術力が強み。一方、業績が自動車業界の動向に強く影響される点はリスクであり、特に主要顧客たる日産グループの低迷が当面の課題である。

KPI

生産実績、受注実績などが主要なKPIとみなせる。
・生産実績(2021年3月期):217,827百万円(前期比▲21.7%)
・受注高(同上):228,865百万円(前期比▲24.3%)
・受注残高(同上):67,389百万円(前期比▲7.8%)

業績

過去10期では、2018年3月期に売上高、経常利益ともに最高となったが、以降は3期連続で減収減益。2021年3月期は、新型コロナウイルス感染症による経済活等低迷もあり大幅減収で、売上高234,545百万円(前期比▲20.7%)、営業利益▲11,330百万円(前期比▲14,639百万円)、経常利益▲9,167百万円(前期比▲12,627百万円)であった。なお、2022年3月期第2四半期は売上高119,327百万円(前年同期比+35.5%)と回復しつつあるものの、営業利益▲7,952百万円、経常利益▲7,216百万円と依然として赤字。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは恒常的にマイナス。直近決算期の自己資本比率は40.9%。

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