4579 ラクオリア創薬の業績について考察してみた

4579 ラクオリア創薬の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2008年2月愛知県にてラクオリア創薬株式会社設立、同年7月にファイザー株式会社中央研究所の閉鎖に伴い、従業員の一部の移籍と研究機器等設備の(有償)譲り受けを経て、事業開始。2011年7月現東証ジャスダックに上場。2017年1月と10月には米国にて動物薬が、2019年3月には韓国にてヒト用の薬品が販売開始。ファイザー日本法人中央研究所が前進のバイオベンチャー

株主構成

有価証券報告書によると2021年6月末時点の筆頭株主は同社社外取締役で弁護士の柿沼佑一で11.38%。以下は保有割合5%未満で、国内外証券会社、ファイザー株式会社、個人名が並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は6名(社内2名、社外4名)、うち監査等委員は3名(全員社外)、監査等委員会設置会社である。社内取締役は後述の代表取締役に加えファイザー株式会社出身の研究員渡邉修造氏、社外取締役は、同社筆頭株主で先述の弁護士柿沼佑一氏のほか、4508田辺三菱製薬出身者、4519中外製薬出身者、公認会計士で構成される。

代表取締役の経歴

代表取締役の武内博文氏は1971年12月生まれ。法政大学卒業後、1994年4月日本政策投資銀行子会社の株式会社協和入社。2004年2月に株式会社スカイライト・バイオテックに転じた後、住商リアルティ・マネジメント株式会社、株式会社サイフューズを経て、2014年1月同社に入社。2018年4月からバイオベンチャーのユビエンス株式会社の代表取締役も務める。同社代表取締役には、2021年3月に就任

報告セグメント

医薬品の研究開発の単一セグメント。2021年12月期第2四半期事業収益は、1,320百万円(マイルストン収入受領により前年同四半期比+254.3%)、営業利益314百万円(前年同四半期は営業損失▲403百万円)だった。

事業モデル

前身のファイザー社中央研究所時代から継続して消化器疾患領域および疼痛疾患領域を中心に研究開発活動を行うほか、2014年度より名古屋大学と産学協同研究活動を開始し、幅広い領域の研究開発に取り組む。同社は創出した新薬のシーズ(開発化合物)を、製薬企業等に導出(ライセンスアウト)することにより収益を得ている。ライセンスアウト時に受け取る契約一時金のほか、契約相手先の研究の進捗状況により受け取るマイルストン収入、医薬品上市後に販売額の一定料率を受け取るロイヤリティ収入などが同社の収入となる。

同社HP TOP>企業情報>事業紹介

製薬業界では、ジェネリック医薬品の普及や医療保険適用基準の厳格化等の影響により医薬品販売高成長率が鈍化することが予想されている。こうした状況下、臨床試験の厳格化、開発期間の長期化から製薬企業の研究開発費は増加している。そうした流れの中、製薬企業は医薬品として成功の可能性が高い開発候補化合物を外部からも積極的に導入している。

競合他社

創薬ベンチャーとして、4586メドレックス(2020年12月期売上高115百万円)、4576デ・ウエスタン・セラピテクス研究所(同355百万円)、4575キャンバス(2021年6月期売上高108百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

がん領域に特化した創薬事業を行うテムリック株式会社と、医薬品の研究開発およびアドバイザリー業務を行うラクオリアイノベーションズ株式会社の2社を連結子会社として持つ。

強み・弱み

高度な技術を必要とし、参入障壁が高いと考えられるイオンチャネル創薬の技術を持つこと、前身のファイザー社中央研究所から受け継いだ研究開発のノウハウ、国内バイオベンチャートップクラスの研究開発インフラを持つことが強み。一方でバイオベンチャー全般の課題だが、医薬品開発は長期化・大規模化の傾向にあり、延期や資金繰りによっては開発が中止となる可能性が常に考えられる。

KPI

パイプラインの進捗がKPIとなる。2021年10月1日時点の進捗は下図の通り。

同社HP TOP>開発情報>導出準備プログラム

業績

売上高は期により変動大きく2016年12月期以降は700~1,700百万円台で推移、同期間中の2019年12月期に旭化成ファーマ株式会社などによる開発が進み、一定のマイルストン収入を得たことで最高収入を記録した。販管費の変動が少ないため、営業利益はほぼ売上高に連動して変動するが、赤字が続いている。フリーCFはほとんどの期がマイナス。有利子負債は0で自己資本比率は90%台で推移。