3969 エイトレッドの業績について考察してみた

3969 エイトレッドの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q4 2023.03 544 278 51.1%
FY2024.Q1 2023.06 540 206 38.15%
FY2024.Q2 2023.09 632 277 43.83%
FY2024.Q3 2023.12 640 269 42.03%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.03 269 90 33.46%
FY2018.Q1 2017.06 228 35 15.35%
FY2018.Q2 2017.09 299 125 41.81%
FY2018.Q3 2017.12 254 49 19.29%
FY2018.Q4 2018.03 326 115 35.28%
FY2019.Q1 2018.06 282 58 20.57%
FY2019.Q2 2018.09 379 158 41.69%
FY2019.Q3 2018.12 363 160 44.08%
FY2019.Q4 2019.03 424 138 32.55%
FY2020.Q1 2019.06 355 104 29.3%
FY2020.Q2 2019.09 428 163 38.08%
FY2020.Q3 2019.12 387 133 34.37%
FY2020.Q4 2020.03 453 188 41.5%
FY2021.Q1 2020.06 398 133 33.42%
FY2021.Q2 2020.09 476 197 41.39%
FY2021.Q3 2020.12 456 171 37.5%
FY2021.Q4 2021.03 594 282 47.47%
FY2022.Q1 2021.06 489 204 41.72%
FY2022.Q2 2021.09 540 264 48.89%
FY2022.Q3 2021.12 537 207 38.55%
FY2022.Q4 2022.03 547 232 42.41%
FY2023.Q1 2022.06 531 205 38.61%
FY2023.Q2 2022.09 525 262 49.9%
FY2023.Q3 2022.12 567 254 44.8%
FY2023.Q4 2023.03 544 278 51.1%
FY2024.Q1 2023.06 540 206 38.15%
FY2024.Q2 2023.09 632 277 43.83%
FY2024.Q3 2023.12 640 269 42.03%

沿革

2003年4月株式会社ソフトクリエイトホールディングス(旧:株式会社ソフトクリエイト)が開発した中規模・小規模企業向けワークフロー「X-point」(エクスポイント)の販売を開始。2007年4月 株式会社ソフトクリエイトホールディングス(旧:株式会社ソフトクリエイト)のワークフロー事業を会社分割により承継し、東京都渋谷区に株式会社エイトレッドを設立。2009年3月同社が開発した大規模・中規模企業向けワークフロー「AgileWorks」(アジャイルワークス)の販売開始。2011年10月 小規模企業向けに、「X-point」のクラウドサービス「X-point Cloud」(エクスポイントクラウド)の販売開始。2016年12月 東証マザーズ上場、2019年3月には東証一部へ変更。2017年5月 クラウドアプリケーションプラットフォーム「ATLED Work Platform」(エイトレッドワークプラットフォーム)の販売開始。

株主構成

有価証券報告書によると2021年3月末時点の筆頭株主は、親会社となる株式会社ソフトクリエイトホールディングスが51.39%、第2位は第三者割当増資により資本参加したSCSK株式会社が8.03%、続いてGOLDMAN SACHS & CO. REG(常任代理人ゴールドマン・サックス証券株式会社)が5.06%保有。そのほかにMSCO CUSTOMER SECURITIES(常任代理人モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社、日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)、SMBC日興証券株式会社等が並ぶ。

取締役会

取締役は5名(社内3名、社外2名)、監査役は3名(常勤社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。社内取締役は全員が親会社である株式会社ソフトクリエイト(現株式会社ソフトクリエイトホールディングス)出身者である。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の岡本康広氏は1971年生まれ。島根県立浜田商業高校卒業後、日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社(現株式会社日立ソリューションズ)に入社。その後富士ソフトABC株式会社(現富士ソフト株式会社、株式会社DMM.com(現合同会社DMM.com)などを経て2017年1月に株式会社ソフトクリエイト(現株式会社ソフトクリエイトホールディングス)へ入社。2018年4月、株式会社ソフトクリエイトホールディングスがM&Aした株式会社エートゥジェイの代表取締役副社長となり、2019年6月現職に就任。

報告セグメント

「ワークフロー事業」の単一セグメントだが「X-point」、「AgileWorks」の2つの製品と「X-point Cloud」というクラウドサービスの計3つの製品及びサービスを展開している。2021年第1四半期の売上高489百万円の構成は「X-point」製品の売上高が103百万円で21%、「AgileWorks」製品の売上高が211百万円で43%、「X-point Cloud」サービスが174百万円で36%を占める。

事業モデル

企業の様々な業務にかかる稟議・申請から承認・決裁に至るまでの、事務フローを電子化し、業務プロセスの効率化・自動化、内部統制の強化を図る等の、ワークフロー製品の開発及び販売を主たる事業として行っている。主な製品、サービスとして2つのパッケージソフトと1つのサービスを提供している。1つ目の主要製品「X-point」は同社が独自開発したワークフロー製品であり、Java技術を活用し、利用者がWEBブラウザ上で「まるで紙に書くような」直感的な入力フォームを提供する製品である。同製品は、ワークフローの基本機能(稟議・申請から承認・決裁に至るまで)の提供に加えて、導入企業の社内制度や規則等に応じた承認フローの柔軟な設定が可能である。また検索・データ集計機能等の提供、オプションを利用し「スケジュール管理」、「ファイル」、「メンバーの連絡先一覧」など、スムーズに業務を行うために必要な機能が搭載されている主要なグループウェア製品や、財務会計や在庫管理、販売管理、人事給与など、基幹業務を効率化するためのERP製品とのシステム連携も可能である。そしてスマートフォンやタブレット端末などにも対応し、利用者が社外等においてセキュアな環境のもとワークフロー処理が可能であること等の特徴がある。ワークフローにかかる入力フォーム(申請書様式)は、ユーザー企業においてプログラミングすることなく自由に構築可能であり、同社が、予め作成した多種多様な業種及び業務に応じた稟議書や勤務表等の申請書テンプレートを提供しており、これらを活用することにより円滑な導入及び運用を可能となっている。なお、2003年4月の販売開始以降、継続的なバージョンアップを実施し、導入企業の要望を製品機能に取り込み・反映することにより、日本型業務プロセスに適応した製品となっている。「X-point」は、小規模から中規模企業(従業員数:300名から1,000名まで)が主たるターゲット層で、高度な情報システムの知見がなくても容易に導入・運用が可能なシステム設計となっている。2つ目の主要製品「AgileWorks」は、「X-point」の機能を維持しつつ、より大規模な組織における運用を前提として開発した製品である。「AgileWorks」は、組織改編や人事異動等への対応強化、多言語対応(英語及び中国語)、ソフトウェアへ新たな機能を追加するアドオン型のシステム連携(他システムと連携するために必要な機能をパッケージ外部で追加開発すること)となっている。「AgileWorks」は、中規模から大規模企業(従業員数:500名から10,000名まで)が主たるターゲット層。3つ目のサービスとして提供している「X-point Cloud」は、「X-point」をクラウドサービスとして提供している。導入企業においては、自社サーバー等の設備が不要であること、初期導入が迅速であること、バージョンアップや機器管理の手間が不要であること等のメリットがある。「X-point Cloud」は、小規模企業(従業員数:300名未満)を主たるターゲット層としているが、100名未満のより小規模な企業への導入も推進しているサービスである。

競合他社

生産性向上のためのワークフローシステムサービスを提供している会社が競合となりうる。3915 株式会社テラスカイ(2021年2月期売上高11,144百万円)が競合として挙げられる。

連結の範囲

同社はグループ企業であり、同社及び連結子会社7社、持分法適用関連会社5社により構成され、システムインテグレーション事業、ECソリューション事業、ワークフロー事業、コンテンツマーケティング事業を行う。

強み・弱み

政府によるペーパーレス化や脱ハンコ等のDX(デジタルによる企業変革)の推進や、新型コロナウイルス感染症の世界的な広がりを背景として、テレワークや在宅勤務等をはじめとする働き方改革の推進がより拡大しており、ワークフローシステムは「コミュニケーション」と「基幹業務」のどちらも実現する唯一のツールであるため、企業が取り組むべき最初のDXかつ最も重要なツールと考えられる。また現在DXに取り組む企業は全体の5割に以下で日本のDXの潜在市場は大きいところも強みである。懸念点として単一事業であるが故に、事業環境の変化や製品サービスの競争力低下等が生じた場合経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があるリスクなどが挙げられる。

KPI

経営上の目標達成状況を判断するための重要な指標として売上高の安定した成長を掲げている。また、ストック売上の比率も参考となる。2021年第2四半期の実績は下記である。
・売上高成長率 前年同期比22.9%増加
・ストック売上比率 71.05%

2022年3月期 第2四半期決算説明資料

業績

2017年3月期から2021年3月期までの5期間は売上高、利益率共に安定的に成長。2021年3月期までの5期間で見ると、売上高は99.8%増加、経常利益は184.1%の増加となった。営業CFは恒常的にプラス、自己資本比率は長期に渡り70%を維持し、2021年3月期は76.2%。

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