8101 GSIクレオスの業績について考察してみた

8101 GSIクレオスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1931年10月株式会社林大作商店として横浜市に設立、米国・欧州への生糸・絹撚糸の輸出を開始。1934年4月商号を株式会社郡是シルクコーポレーションに変更。1942年1月商号を郡是産業株式会社に変更。1971年9月商号をグンゼ産業株式会社に変更。1973年2月東証二部、1973年11月大証二部に上場。1978年11月東証・大証一部に変更。1998年より米国、2000年代に入り中国、韓国などへ現地法人設立。2001年11月商号を株式会社GSIクレオスに変更。3002グンゼと親密な繊維、工業製品の専門商社

株主構成

有価証券報告書によると2021年3月末時点の筆頭株主は、3002グンゼで14.86%を保有。以下5%未満の保有で、3402東レ、株式会社三菱UFJ銀行、株式会社みずほ銀行、株式会社北國銀行、信託銀行信託口などが並ぶ。なお、2021年9月21日の主要株主異動に関するお知らせによると、3002グンゼによる保有株式売却により保有比率は9.85%(引き続き筆頭株主)へ低下している。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は8名(社内5名、社外3名)、うち3名は監査等委員(社内1名、社外2名)。監査等委員会設置会社である。代表権を持たない社内取締役のうち3名はプロパー、プロパーでない常務執行役員の西村裕樹氏の前職は開示がない。

代表取締役の経歴

代表取締役兼社長執行役員欧米統括兼ナノテクノロジー事業担当の吉永直明氏は1955年10月生まれ。早稲田大学を卒業後、同社に入社。2002年7月にGSI Holding Corporation社長兼GSI Exim America,Inc.社長へ就任し、2010年4月には会長へ就任している(現任)。2016年6月に同社常務取締役兼常務執行役員に就任し、2020年6月に現職へ就任

報告セグメント

「繊維関連事業」、「工業製品関連事業」の2報告セグメントに大別される。2022年3月期第1四半期の売上高24,449百万円の構成比は、繊維関連事業70.4%、工業製品関連事業29.6%である。セグメント利益は、繊維関連事業269百万円、工業製品関連事業548百万円であり、調整額を差し引いた営業利益は720百万円であった。2021年3月期の海外売上高比率はおよそ5割。地域別構成は下図の通り。

第91期株主通信

事業モデル

繊維関連事業は、各種繊維製品の国内取引及び輸出入取引を行っており、工業製品関連事業は、各種工業製品の国内取引及び輸出入取引を行っている。それぞれの事業領域で取り扱う商材は、日常生活に根差した身近なものに関連しており、「ファッション」、「ライフスタイル」、「ヘルス」、「ビューティー」、「テクノロジー」、「ケミカル」の6つのカテゴリーに分類している
同社は、メーカーや工場などさまざまなパートナーをつなぎ、付加価値を生み出していく専門商社としての役割をベースにしながら、一部のビジネスではメーカー機能も兼ね備えている。たとえば、模型用塗料のトップシェアを誇る「MR.HOBBY」や、アパレルブランド「MashuKashu」などの自社ブランドでは、企画・生産・販売までを一貫して自社で行っている。自社小売店舗のほか、ECサイトの販売チャネルを持つ。また、機能糸やテキスタイル、化粧品原料などの様々な分野で、OEM・ODM生産を請け負っている。

同社HP TOPページ > 事業紹介

経済活動が制限され、非常に厳しい状況が続く中、繊維原料や生地の取引が低調に推移している。一方、国内外の繊維関連事業拠点が連携し、医療・衛生消耗品の需要に対応するほか、ホビー関連商材では海外市場開拓・深耕に向けた施策が奏功するなど、国内の巣ごもり需要を取り込んだことにより、売上が伸長している。

競合他社

8014蝶理(直近決算期売上高2,162億円)、8018三共生興(直近決算期売上高171億円)、8025ツカモトコーポレーション(直近決算期売上高178億円)などの繊維商社が競合として挙げられる。

連結の範囲

同社グループは、同社及び連結子会社16社、持分法適用非連結子会社3社等で構成され、素材から製品までの繊維関連事業及び機械、化成品、その他商品の工業製品関連事業を主な事業とし、これら関連商品の事業も営む。

強み・弱み

単に商材を提供するのではなく、顧客が求める形に加工して提供できる点が同社ならではの強み。大量生産とコストメリットを享受できる海外工場と、品質と短納期対応を可能にする国内工場の両輪で製造を行う。北米・アジア・ヨーロッパなど、さまざまな国や地域で事業を行っており、経済情勢や為替レートの変動などが経営成績に影響を及ぼすことが懸念される。

KPI

①地域別売上高
②生産実績
③受注実績
④販売実績
⑤為替レート

業績

2017年3月期から2021年3月期までの5期をみると、売上高は2014年3月期の158,495百万円をピークに2021年3月期の116,375百万円まで減少基調にあるが、経常利益は1,000百万円代だったのが、2021年3月期に3,700百万円へ急増している。粗利が大幅に改善しており、医療・衛生消耗品、ホビー関連の伸長などが増益の要因とみられる。フリーCFは恒常的にプラス。自己資本比率は上昇基調で2022年3月期第1四半期は41.2%。