3390 INESTの業績について考察してみた

3390 INESTの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1996年7月株式会社ベンチャー・リンクコミュニケーションズとして、インターネットを通じた情報提供、フランチャイズ支援等を目的に東京都にて設立。飲食事業者向けのASPサービスの提供や携帯電話端末の販売などを提供。2005年2月ユニバーサルソリューションシステムズ株式会社へ商号変更。2005年10月ジャスダックへ上場。2009年7月株式会社光通信の子会社となる、2016年6月株式会社光通信の関連会社となる。2016年7月INEST株式会社に商号変更EPARKライフスタイル及びEPARKモールの全株式は2020年5月に売却済み。WEBサービスの開発や、移動通信端末の販売、飲食小売りへのASPサービスなどを展開。3期連続で赤字、営業CFマイナスと継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在

株主構成

2020年9月末時点の有価証券報告書とそれ以降の大量保有報告書から、筆頭株主は株式会社光通信で、A種優先株式も含めると50%超を保有し、議決権所有ベースでは27.6%を有すると見られる。次いで東海東京証券株式会社11.6%、SBIイノベーションファンド1号8.10%、その他は5%未満で証券会社や個人の名前が並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満。

取締役会

取締役は6名(社内3名、社外3名)、監査役は3名(社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役は副社長の坂本幸司氏だけで、保険業界を経て2018年4月に同社へ入社している。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の執行健太郎氏は1989年1月生まれ。2009年3月に株式会社ネットワークサービスへ入社し、2015年6月に代表取締役を経て、同年7月より株式会社光通信へ転籍しMK事業部部長を経て、2017年5月に同社の代表取締役として就任、2020年6月より現職
代表取締役常務管理本部長の片野良太氏は1984年7月生まれ。2007年4月に光通信へ入社し、管理本部の管理職を歴任し、2016年11月より同社へ、2020年5月に現職へ就任した。

報告セグメント

「法人向け事業」、「個人向け事業」、の2報告セグメントに大別され、直近2021年3月期第3四半期売上高4,362百万円で、構成比は法人向け事業が2,639百万円で約61%、個人向け事業が1,729百万円で約39を占める。セグメント利益は法人向け事業が116百万円、個人向け事業が99百万円、連結営業利益は55百万円であった。

事業モデル

「法人向け事業」においては中小法人へ人材派遣、企業広告活動の代行、IT機器の販売や構築・保守等のサービス、コンサルティングサポートを行う。不動産店舗専用デジタルサイネージ、店舗用遠隔監視カメラ・リモート監視システム、AI(人工知能)を活用した顔認識技術と赤外線カメラによる高速検知するAI温度検知ソリューションを提供する。
「個人向け事業」は通信キャリア、メーカーの各種商材を取次販売、営業活動業務の代行を行う。スマホ・ケータイのカンタン取り換えができるソフトバンクの正規代理店、ワイモバイルの乗り換えや新規契約を扱うオンラインショップ、ソフトバンク光の」契約を受け付けるWEBサイト、その他にもスタンプカードをアプリ内で一元管理できる共通店舗アプリなどを提供する。
2021年度3月期より経営体制が新しくなり「システム事業」「直販事業」「広告ソリューション事業」から「法人向け事業」と「個人向け事業」の2事業セグメントに変更された。

2021年3月期第3四半期 決算補足説明資料
2021年3月期第3四半期 決算補足説明資料

競合他社

法人、個人向けIT機器の販売、保守サービス、法人向けのコンサルティング業務とも、大小様々な先と競合する。

連結の範囲

同社グループは同社及びその他関連会社1社、連結子会社4社、持分適用会社1社から構成される。その他関連会社は、株式会社光通信。連結子会社4社は、株式会社ジョインアップ、日本企業開発支援株式会社、株式会社アイ・ステーション、株式会社Patch。株式会社ジョインアップはシステム事業、日本企業開発支援株式会社は直販事業・システム事業を営む。持分法適用会社1社は、株式会社メディカル・ソリューションズで情報通信サービス業を行う。

強み・弱み

月販約1万件の実績をもとに600名の営業人財で、商品・サービスを提案することが強み。一方で、販売代理店、BPO、人材派遣、広告代理店、システムといった同社の事業領域は、強いネットワークや既存の充実した営業基盤などの無形資産を有する競合が複数存在し、同社が今後経営を再建する際に強みとなる資産が見えにくい現状も課題

KPI

事業セグメント別売上高・利益がKPIになり得る。2021年3月期第2四半期の実績は下記。
①法人向け事業 売上高1,444百万円(前年同期比+75%)、セグメント利益は85百万円(前年同期は▲255百万円)。
②個人向け事業 売上高972百万円(前年同期比+12%)、セグメント利益は98百万円(前年同期比+90%

業績

過去5期分の経営状況をみると、売上高は増減があり、損益面は5期間において経常損失を直近3期、当期純損失を直近4期において計上。自己資本比率は2020年3月期は7.9%であったが、事業子会社2社の売却と新たに2社の連結化を実施しており、2021年3月期第3四半期は37.2%へ改善。恒常的に投資CFはマイナス、営業CFは利益に準ずるところが大きく、2020年3月期はマイナスであった。2020年8月に株式会社アイ・ステーション及び、株式会社Patchを完全子会社としたことにより、2021年3月期の足元は売上高、営業利益とも大幅に増加となっている。