8068 菱洋エレクトロの業績について考察してみた

8068 菱洋エレクトロの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1961年2月、三菱電機の半導体販売商社として菱洋電機株式会社設立1985年6月、菱洋エレクトロ株式会社へ社名変更した。1986年12月、東証二部に上場し1991年7月には東証一部に変更。半導体商社として発展し、現在はデバイスやICTなどへ事業分野を拡大、三菱電機や海外メーカーなどのエレクトロニクス製品・サービスを幅広く手掛けている

株主構成

有価証券報告書によると2021年7月末時点の大株主は、エス・エッチ・シー有限会社が11.9%、三菱電機株式会社が8.9%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)が8.4%となっている。その他は、国内信託銀行の信託口や社員持株会が中心である。

取締役会

取締役は8名(社内4名、社外4名)、監査役は4名(社内1名、社外3名)、監査役会設置会社である。代表権を有さない社内取締役は、三井物産の出身者とプロパー入社の2名。

代表取締役の経歴

代表取締役社長執行役員の中村守孝氏は1959年9月生まれ。慶應義塾大学を卒業後、株式会社伊勢丹(現:株式会社三越伊勢丹)に入社。取締役執行役員、常務執行役員などを務めた後、2017年5月に特別顧問として菱洋エレクトロ入社。2017年8月より専務執行役員となり、2018年4月には代表取締役。2021年2月より、現職である代表取締役社長執行役員に就任した。
代表取締役専務執行役員経営企画本部管掌、管理本部管掌の脇清氏は1959年10月生まれ。1983年4月、株式会社三菱銀行(現:株式会社三菱UFJ銀行)入行2011年11月に菱洋エレクトロに出向となり、経営戦略室長を務める。2012年2月に同社執行役員となり、2012年4月に同社入社。2016年4月に取締役上席執行役員、2019年2月には取締役常務執行役員。2019年7月の代表取締役専務執行役員就任を経て、2021年2月より現職である代表取締役専務執行役員経営企画本部管掌、管理本部管掌となった。米国公認会計士の資格を有する。

報告セグメント

販売地域別のセグメント構成となっており「日本」、「アジア」の2報告セグメントに大別される。2022年1月期第2四半期の売上高52,264百万円の構成比は日本68.9%、アジア31.1%である。調整前セグメント別利益は日本が839百万円、アジアが189百万円であった。

事業モデル

エレクトロニクス商社として、国内外の電子機器メーカー・ユーザーに対し、「半導体/デバイス」「ICT/ソリューション」を販売するとともに、付随するサービスを提供している。
「半導体/デバイス」ではインテルや三菱電機などの代理店・特約店として、マイコン・プロセッサ、メモリーやパワーデバイスなどを取り扱う。
「ICT/ソリューション」では、ヒューレット・パッカードやエプソンなどと契約を結び、サーバーやネットワーク、パソコン・タブレットやその周辺機器を手掛ける他、最近では医療分野向けソリューションサービスも手掛けている。

競合他社

エレクトロニクス商社として半導体などを扱う国内上場企業としては、8140リョーサン(2021年3月期売上高219,884百万円)や、8141新光商事(2021年3月期売上高102,898百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

同社グループは、同社と子会社12社及び関連会社1社により構成される。リョーヨーセミコン株式会社は国内主要会社として、菱洋エレクトロが販売する商品の一部を相互に供給している。海外では中国やインドに加え、シンガポールなど東南アジア各国にも子会社を擁し、同社グループの販売網を形成している。

強み・弱み

三菱系の半導体専門商社として60年の歴史を持ち、三菱電機をはじめとする国内外の多くのメーカーと提携・契約していることが強み。一方、代理店・特約店契約が原則1年と短期であることや、契約先の業績悪化や方針変更が起こりうることから、販売権を失うリスクを抱えている。また、直近の三菱電機の企業不祥事に代表されるように、仕入元メーカーの風評リスクが同社の業績に与える影響には注意が必要とみられる。

KPI

2021年1月期の主要KPIは以下のとおり。
①2021年1月期「半導体/デバイス」売上高49,854百万円(対前期8.3%減)
②2021年1月期「ICT/ソリューション」売上高45,938百万円(対前期15.2%減)

2021年1月期 決算説明会資料

業績

2017年1月期から2021年1月期まで過去5期分の経営状況をみると、売上高はおおむね90,000百万円台で推移している。一方、経常利益は期によって変動が大きく、ゲーム機・テレビ向け半導体の需要の波や代理店権の異動に売上高と粗利が左右される影響が大きい。2021年1月期は新型コロナウイルスの影響もあり、前期比1,282百万円減の905百万円となった。営業CFはプラス推移だが、投資CFは年度により変動が見られる。財務CFは恒常的にマイナス。2022年1月期第2四半期の自己資本比率は60.3%であった。