8098 稲畑産業の業績について考察してみた

8098 稲畑産業の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2024.Q2 2023.09 190,639 5,394 2.83%
FY2024.Q3 2023.12 197,799 5,854 2.96%
FY2024.Q4 2024.03 193,027 4,871 2.52%
FY2025.Q1 2024.06 213,591 6,825 3.2%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.03 147,272 3,232 2.19%
FY2018.Q1 2017.06 148,768 2,235 1.5%
FY2018.Q2 2017.09 156,132 704 0.45%
FY2018.Q3 2017.12 160,401 3,081 1.92%
FY2018.Q4 2018.03 155,836 -58 -0.04%
FY2019.Q1 2018.06 158,248 3,488 2.2%
FY2019.Q2 2018.09 164,226 3,617 2.2%
FY2019.Q3 2018.12 165,606 4,179 2.52%
FY2019.Q4 2019.03 146,660 2,747 1.87%
FY2020.Q1 2019.06 153,461 3,507 2.29%
FY2020.Q2 2019.09 154,154 3,619 2.35%
FY2020.Q3 2019.12 150,958 3,309 2.19%
FY2020.Q4 2020.03 141,739 2,794 1.97%
FY2021.Q1 2020.06 128,701 2,227 1.73%
FY2021.Q2 2020.09 138,487 3,985 2.88%
FY2021.Q3 2020.12 153,180 4,398 2.87%
FY2021.Q4 2021.03 157,215 4,363 2.78%
FY2022.Q1 2021.06 162,643 5,596 3.44%
FY2022.Q2 2021.09 165,943 5,480 3.3%
FY2022.Q3 2021.12 176,385 5,259 2.98%
FY2022.Q4 2022.03 175,991 3,717 2.11%
FY2023.Q1 2022.06 184,062 5,335 2.9%
FY2023.Q2 2022.09 189,353 5,211 2.75%
FY2023.Q3 2022.12 187,739 5,580 2.97%
FY2023.Q4 2023.03 174,466 4,188 2.4%
FY2024.Q1 2023.06 184,557 5,071 2.75%
FY2024.Q2 2023.09 190,639 5,394 2.83%
FY2024.Q3 2023.12 197,799 5,854 2.96%
FY2024.Q4 2024.03 193,027 4,871 2.52%
FY2025.Q1 2024.06 213,591 6,825 3.2%

沿革

1918年6月に大阪府大阪市において、株式会社稲畑商店として設立された。ただ、同社の起源となる稲畑染料店を開業したのは1890年10月であり、創業者である稲畑勝太郎(現代表取締役社長である稲畑勝太郎氏の祖父)が京都府京都市で開業したのが始まりである。その後、染料に加え、工業薬品、紡績、紡織、染色用諸機械、雑貨、洋酒などの輸入で営業を拡大し、大阪へ移転。1943年4月には商号を稲畑産業株式会社に変更1961年10月には大証市場第二部、1962年6月には東証市場第二部に上場した。1973年8月には東証および大証の市場第一部に指定替え。2020年10月には創業130周年を迎えた。情報電子、化学品、生活産業、合成樹脂の4分野に特化する化学品専門商社。

株主構成

参照日時:2023/09/30

氏名又は名称所有株式数割合
住友化学株式会社13,836,00024.78%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)5,794,00010.38%
株式会社日本カストディ銀行|(信託口)2,081,0003.73%
みずほ信託銀行株式会社 退職給付信託 みずほ銀行口 再信託受託者|株式会社日本カストディ銀行1,736,0003.11%
株式会社みずほ銀行744,0001.33%
DFA INTL SMALL CAP VALUE PORTFOLIO|(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店)724,0001.3%
株式会社三菱UFJ銀行638,0001.14%
株式会社三井住友銀行624,0001.12%
住友生命保険相互会社611,0001.09%
あすか製薬株式会社606,0001.09%

取締役会

参照日時:2023/03/31

役職名・氏名生年月日任期所有株式数
代表取締役 社長執行役員
稲畑 勝太郎
1959年12月3日(注)4466,000
代表取締役 専務執行役員 情報電子・生活産業セグメント担当 欧米地区担当
赤尾  豊弘
1959年12月19日(注)417,000
代表取締役 専務執行役員 管理部門全般担当
横田 健一
1962年11月3日(注)413,000
取締役 常務執行役員 化学品セグメント担当 情報電子セグメント担当補佐 北東アジア地区担当
杉山 勝浩
1958年6月15日(注)49,000
取締役
重森 隆志
1958年10月3日(注)4-
取締役 指名・報酬委員会委員長
萩原 貴子
1961年3月12日(注)4-
取締役
長南 収
1956年5月16日(注)4-
取締役(監査等委員) 監査等委員会委員長
濱島 健爾
1959年1月3日(注)5-
取締役(監査等委員)
玉井 哲史
1960年6月12日(注)5-
取締役(監査等委員)
佐成 実
1958年5月20日(注)5-
取締役(監査等委員)
藤澤 友一
1958年7月6日(注)5-
取締役(監査等委員)
横田 乃里也
1961年2月3日(注)6-

(注)1.取締役 萩原貴子、長南収、濱島健爾、玉井哲史、佐成実、藤澤友一及び横田乃里也は、社外取締役であります。

2.当社は、取締役 萩原貴子、長南収、濱島健爾、玉井哲史、佐成実、藤澤友一及び横田乃里也を東京証券取引所の定めに基づく独立役員として指定し、同取引所に届出ております。

3.当社は、法令に定める監査等委員である取締役の員数を欠くことになる場合に備え、会社法第329条第3項に定める補欠の監査等委員である取締役1名を選任しております。補欠の監査等委員である取締役の略歴は次のとおりであります。 氏名 生年月日 略歴 株式数 (千株) 村中 徹 1965年6月3日生   1995年4月 2007年4月 弁護士登録 同志社大学法科大学院兼任教員 2007年11月   2014年5月 弁護士法人第一法律事務所社員弁護士(現在) 古野電気株式会社社外監査役に就任(現在) 2015年6月 株式会社スズケン社外監査役に就任 2016年6月 株式会社カプコン社外取締役に就任(現在) - (注)1.補欠の監査等委員である取締役と当社との間には特別の利害関係はありません。 2.村中徹は、補欠の監査等委員である社外取締役であります。 3.補欠の監査等委員である社外取締役の任期は、就任した時から退任した監査等委員である社外取締役の任期の終了の時までであります。

4.取締役(監査等委員である取締役を除く。)の任期は、2023年3月期に係る定時株主総会終結の時から2024年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。

5.監査等委員である取締役 濱島健爾、玉井哲史、佐成実及び藤澤友一の任期は、2022年3月期に係る定時株主総会終結の時から2024年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。

6.監査等委員である取締役 横田乃里也の任期は、2023年3月期に係る定時株主総会終結の時から2025年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。

7.当社は、経営の効率化と意思決定の迅速化を図るため執行役員制度を導入しております。 2023年6月22日現在の執行役員は、以下のとおり13名であります。 執行役員役名 氏名 担当 代表取締役社長執行役員 稲畑 勝太郎   代表取締役専務執行役員 赤尾 豊弘 情報電子・生活産業セグメント担当、欧米地区担当 代表取締役専務執行役員 横田 健一 管理部門全般担当 取締役常務執行役員 杉山 勝浩 化学品セグメント担当、情報電子セグメント担当補佐、北東アジア地区担当 常務執行役員 中野 幸治 合成樹脂セグメント担当、東南アジア地区担当、東南アジア総支配人 執行役員 花木 和宏 名古屋支店長 執行役員 河合 紳也 合成樹脂セグメント担当補佐、合成樹脂第一本部長、コンパウンド統括室長 執行役員 髙橋 豊 生活産業セグメント担当補佐、化学品本部長 執行役員 田中 勝敏 稲畑ファインテック株式会社代表取締役社長 執行役員 丸田 剛志 情報電子第一本部長 執行役員 農田 康一 財務経営管理室長 執行役員 大倉 崇晴 北東アジア総支配人 執行役員 角田 正人 リスク管理室長

8.当社は、監査等委員会の職務を補助する役割を担う監査等特命役員を選任しています。なお、有価証券報告書提出日現在における監査等特命役員は、次のとおりであります。 監査等特命役員 久保井 伸和

9.「株式数」については、2023年3月31日現在の株主名簿に基づく記載としております。

※有価証券報告書から抜粋

代表取締役の経歴

代表取締役社長執行役員である稲畑勝太郎氏は1959年12月生まれ。早稲田大学政経学部卒業後、1984年に第一勧業銀行(現みずほ銀行)に入行。1989年1月に当社に入社した。2005年12月に前社長である故・稲畑武雄氏の逝去を受け、現職である代表取締役社長執行役員に就任した。
代表取締役専務執行役員である赤尾豊弘氏は1959年12月生まれ。1982年4月に当社に入社後、長年にわたり、情報電子事業の責任者などを歴任してきた。2010年6月に取締役、2015年6月に現職に就任した。
代表取締役専務執行役員である横田健一氏は1962年11月生まれ。1996年7月に当社に入社後、長年にわたり、財務経理部門の責任者などを歴任してきた。2008年に取締役、2017年6月に現職に就任した。

報告セグメント

「情報電子事業」・「化学品事業」・「生活産業事業」・「合成樹脂事業」・「その他」の5つから構成される

2023年12月期 参照日時:2023/12/31

セグメント売上高(百万円)
情報電子177,870
化学品84,539
生活産業39,618
合成樹脂270,830

事業モデル

社是を「愛」(I)、「敬」(K)として定め、経営理念として、「人を愛し、敬う」ことで、社会の発展に貢献することを掲げている。グローバルに展開する専門商社として、顧客や社会のニーズに応えることで価値ある存在であることを目指している。
商社である同社では扱う商材も多岐にわたり、情報電子事業では液晶・有機EL関連、フラットパネルディスプレイや周辺部材、インクジェットプリンター関連の取引、合成樹脂事業の樹脂コンパウンド事業では、供給先となる家電や自動車関連の部材関連の取引がビジネスの中心である。
「情報電子事業」は、液晶・有機ELディスプレイ、デジタル印刷、半導体・電子部品などに関する部材の仕入・販売などを手掛ける事業であり、「化学品事業」は、石油化学関連企業向けの原料や中間物、塗料・インキ・接着剤、などの仕入・販売などを手掛ける。また、「生活産業事業」は、医農薬・防虫剤の原料などに関する仕入・販売、「合成樹脂事業」は、生活用品、建築部材などへの合成樹脂をはじめとして、様々な企業に合成樹脂関連製品の供給を担っている。「その他」は上記4事業のいずれにも含まれないものである。
同社では長期ビジョン「IK Vision 2030」を策定し、連結売上高1兆円の実現とする定量目標を掲げるほか、2021年4月よりスタートした中期経営計画「New Challenge 2023」では、2024年3月期売上高目標を6,700億円に設定し、主力ビジネス(情報電子事業・合成樹脂事業)のさらなる深掘りと成長分野への横展開、将来の成長が見込める市場への多面的な取り組みと確実な収益化、などを主力重点施策として掲げている。また、各事業においては、環境負荷低減に資する商材の拡充や5G関連、再生医療関連、など成長が見込める分野における商材の発掘、などにも注力している。

競合他社

  • 8012 長瀬産業(24年3月期売上高900,149百万円)
  • 8103 明和産業(24年3月期売上高158,279百万円)

連結の範囲

2021年3月末時点において、同社には54社の連結子会社が存在し、関連会社が10社、その他の関係会社1社(筆頭株主の住友化学)がある。特にアジア圏を中心に海外売上高比率が50%を超える同社では、40社以上の連結子会社が海外子会社である。

強み・弱み

創業100年を超える間に培われてきた顧客基盤が強み。電機、自動車、住宅関連など幅広い業種・メーカーに及び、顧客業界の状況による業績変動リスクが分散されている。また、同社では、アジアを中心に現地子会社を多数設立しており、豊富な海外ネットワークで手厚い顧客サポート体制を構築している点も強みである。一方で、情報電子事業と合成樹脂事業の収益源に加えて、将来の成長が見込める食品・農業や再生医療などの領域へビジネスを更に拡大することを中計で掲げている。同社の掲げる成長分野への投資は、競合も投資を積極化しており、これまでの堅実経営から一転してリスクテイクを積極的に行っていけるかが今後の課題である。

KPI

  • 連結売上高
  • 海外比率
  • 情報電子・合成樹脂以外の事業比率
  • ネットD/Eレシオ
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