3202 ダイトウボウの業績について考察してみた

3202 ダイトウボウの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1896年2月東京モスリン紡織株式会社を設立。1944年3月大東工業株式会社へ、1936年12月大東紡織株式会社へ改称。1949年5月東証、1961年10月名証へ上場。1960年11月衣料事業を開始。2000年8月に中国寧波市に衣料品製造会社を設立し、中国へ進出するも、すでに同社は解散し出資持分も2017年に売却が完了。2016年9月ダイトウボウ株式会社へ改称。2019年3月に和田哲株式会社よりヘルスケア事業を譲受。商業施設事業やヘルスケア事業、繊維・アパレル事業を営む。

株主構成

有価証券報告書によると2021年3月末時点の大株主は、日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)が2.82%、ファーストブラザーズ株式会社が2.27%を保有。以下2%未満の保有で、株式会社日本カストディ銀行、大和証券株式会社、取引先とみられる株式会社シードや株式会社デベロツパー三信、新陽株式会社などが並ぶ。

取締役会

取締役は10名(社内4名、社外6名)、内4名は監査等委員(社内1名、社外3名)、監査等委員会設置会社である。代表権を持たない社内取締役3名の内、プロパーが2名、株式会社三井銀行(現株式会社三井住友銀行)の出身者が1名である。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の山内一裕氏は1957年1月生まれ。大阪市立大学を卒業後、三井信託銀行株式会社(現三井住友信託銀行株式会社) に入社。2009年6月に同社の取締役経営企画部長へ就任。その後、経営管理本部長や人事部長などを経て、2015年6月に現職へ就任。

報告セグメント

「商業施設事業」、「ヘルスケア事業」、「繊維・アパレル事業」の3報告セグメントに大別される。2022年3月期第1四半期の売上高875百万円の構成比は、商業施設事業61.4%、ヘルスケア事業28.6%、繊維・アパレル事業10.0%である。セグメント利益は、商業施設事業198百万円、ヘルスケア事業▲17百万円、繊維・アパレル事業▲23百万円であり、調整額▲138百万円を差し引くと、営業利益は19百万円であった。

第201期 株主通信

事業モデル

商業施設事業は、商業施設の運営・管理及び不動産賃貸を行っている。静岡県下有数の商業施設「サントムーン柿田川」の運営を行うほか、不動産の売却・購入・有効活用等、仲介事業を行っている。同事業においては、「サントムーン柿田川」で静岡県の休業要請に応じた結果、一部を除くテナントが休業したことや、飲食・娯楽などの分野でコロナ禍の影響を長く受けることになった。一方で、2020年3月期末に新たにオープンした「サントムーンオアシス」の開業や、映画「鬼滅の刃」効果に加え、生活必需品関連などコロナ禍に業績が伸びた一部業態もあるとみられる。
ヘルスケア事業は、寝装品等の製造・販売をしている。和田哲カンパニー取扱商品として、洗えるクッション素材「PARAREVE」、「快適寝具ウィンドバード」、「ディーサポートギア」などを展開している。そのほか、健康素材関連、家庭用医療機器、健康食品、一般寝装品などの販売も行う。同事業では、マスクや抗菌素材など新型コロナウィルス感染症対策商品の拡販に努めているものの、大口の職域販売ルートや店頭などにおいて落ち込みが大きく、一般寝具関連も苦戦している。
繊維・アパレル事業は、布帛(織物生地)OEM、ニットOEM、素材、ユニフォーム、ブランドビジネスなど、衣料品・ユニフォームなどの製造・販売を行っている。マスクを含む官需向け売上は順調に推移したものの、アパレル市況の低迷が想定よりも長引き、OEM営業が苦戦している。

第201期 株主通信

競合他社

3204トーア紡コーポレーション(直近決算期売上高147億円)、8013ナイガイ(直近決算期売上高116億円)、3011バナーズ(直近決算期売上高35億円)など、衣料品を扱う企業や不動産賃貸などを行う企業が競合として挙げられる。

連結の範囲

同社グループは、同社、子会社3社及び関連会社1社により構成され、不動産賃貸及び商業施設の運営・管理を主たる業務とする商業施設事業、寝装品等の製造・販売を主たる業務とするヘルスケア事業並びにアパレル製品(衣料品、ユニフォーム)・繊維(素材)等の製造・販売を主たる業務とする繊維・アパレル事業を営む。

強み・弱み

紡織事業で120年以上の歴史を有す老舗企業として、布帛(織物生地)に関する専門チームを中心に、レベルの高い国内縫製での生産に特化し、きめの細かい生産管理で布帛OEMを提供できる点は強み。近年ニット人材育成で日本トップ級の実績がある東京ニットファッションアカデミーとの連携、国内生産拠点の高い技術力、地域密着型であることなども強み。主力収益事業である商業施設事業のショッピングセンター等の商業施設が静岡県駿東郡清水町(三島地区)に集中しており、地震等の発生による業績影響のリスクが存在する。また、同施設は賃貸契約を締結しているため、契約解除による業績への影響も懸念される。

KPI

KPIとみられる開示は無いが、以下の項目などがKPIと想定される。
①生産・受注・販売実績
②金利動向

業績

2017年3月期から2021年3月期までの5期をみると、売上高は4,701百万円から4,617百万円とほぼ横ばい、経常利益は267百万円から21百万円と減益。特に、新型コロナウィルスの影響を受けた直近期は、前期比▲90.4%の減益となっている。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは2018年3月期以降マイナス。2022年3月期第1四半期の自己資本比率は21.4%。