3109 シキボウの業績について考察してみた

3109 シキボウの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q1 2022.06 8,604 203 2.36%
FY2023.Q2 2022.09 9,896 377 3.81%
FY2023.Q3 2022.12 9,947 268 2.69%
FY2023.Q4 2023.03 9,446 369 3.91%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.03 11,132 723 6.49%
FY2018.Q1 2017.06 10,053 643 6.4%
FY2018.Q2 2017.09 9,995 769 7.69%
FY2018.Q3 2017.12 10,570 653 6.18%
FY2018.Q4 2018.03 10,739 698 6.5%
FY2019.Q1 2018.06 10,094 584 5.79%
FY2019.Q2 2018.09 9,897 507 5.12%
FY2019.Q3 2018.12 10,376 582 5.61%
FY2019.Q4 2019.03 10,437 733 7.02%
FY2020.Q1 2019.06 9,499 457 4.81%
FY2020.Q2 2019.09 9,459 486 5.14%
FY2020.Q3 2019.12 9,771 520 5.32%
FY2020.Q4 2020.03 9,308 495 5.32%
FY2021.Q1 2020.06 8,062 196 2.43%
FY2021.Q2 2020.09 7,789 166 2.13%
FY2021.Q3 2020.12 8,827 463 5.25%
FY2021.Q4 2021.03 8,841 371 4.2%
FY2022.Q1 2021.06 8,628 305 3.54%
FY2022.Q2 2021.09 8,494 353 4.16%
FY2022.Q3 2021.12 9,554 418 4.38%
FY2022.Q4 2022.03 8,994 280 3.11%
FY2023.Q1 2022.06 8,604 203 2.36%
FY2023.Q2 2022.09 9,896 377 3.81%
FY2023.Q3 2022.12 9,947 268 2.69%
FY2023.Q4 2023.03 9,446 369 3.91%

沿革

1887年に綿花問屋を営む小林八郎兵衛が大阪に日本綿繰設立、綿繰機を備えた伝法工場を建設し操業を開始。1892年8月に有限責任伝法紡績会社として法人化、1893年3月に福島紡績株式会社への改組を経て、1944年3月に朝日紡績株式会社を合併し、商号を敷島紡績株式会社へ、2002年4月にはシキボウ株式会社へ商号変更。1949年5月東証・大証・名証へ上場、2022年4月からは東証プライム。130年の歴史を誇る紡績の名門だが、繊維事業の競争力低下により、現在は遊休土地を活用した不動産賃貸が安定収益源となっている。

株主構成

有価証券報告書によると、2022年3月末時点の筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行株式会社信託口で10.84%保有。以下は5%未満の保有率で従業員持株会、取引先持株会、国内外の金融機関などが続く。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は7名(社内4名、社外3名)、うち4名は監査等委員(1名は常勤で社内、3名は非常勤で社外)、監査等委員会設置会社である。社内取締役は全員プロパー。社外取締役には監査法人代表、大学副学長、弁護士が就任。

代表取締役の経歴

代表取締役は2名。代表取締役会長の清原幹夫氏は1959年8月生まれ。関西学院大学卒業後、1983年4月に入社。取締役、代表取締役社長などを経て2021年6月より現職
代表取締役社長の尻家正博氏は1965年4月生まれ。関西学院大学卒業後、1988年4月に入社。総務部長、執行役員などを経て2021年6月より現職

報告セグメント

「繊維」、「産業材」、「不動産・サービス」の3セグメントで構成される。2022年3月期の外部顧客への売上高35,670百万円の構成比は、繊維52.2%、産業材33.7%、不動産・サービス14.1%であった。また、同期の調整前セグメント利益2,026百万円の内訳は、繊維▲480百万円、産業材679百万円、不動産・サービスエンターテインメント1,827百万円となった。調整額は▲670百万円。売上面では繊維が過半を占めるものの、利益面では不動産・サービスが主力である。地域別売上高は、日本国内87.2%、アジア8.0%%、その他4.8%と主力は国内市場

事業モデル

繊維事業は繊維製品(糸、布、ニット、二次製品など)の製造販売、産業事業は工業用品(製紙用ドライヤーカンバス、フィルタークロスなど)・産業機械(加工機械など)・化成品(食品添加物など)・陶磁器の製造販売、不動産・サービス事業は不動産賃貸・ゴルフ場経営・リネンサプライ業・物流倉庫業などを展開している。
生産拠点は、繊維事業と産業材事業において、国内(富山工場、八幡工場、八日市工場、鈴鹿工場、長野事業所、国内製造子会社)と、アジア(インドネシアと中国の製造子会社、およびベトナムの協力会社)に展開している。
不動産・サービス事業は遊休土地を活用して、兵庫県姫路市と高知県高知市における大規模商業施設(ショッピングセンター)の店舗賃貸を主力としている。

2022年3月期 決算説明会資料 pp.6-8

競合他社

3106倉敷紡績(株)(売上高132,215百万円)、3104富士紡ホールディングス(株)(売上高35,916百万円)などが、祖業の繊維事業で競合する。

連結の範囲

同社グループは、同社及び子会社25社(うち連結子会社24社)で構成される。連結子会社のうち7社は海外拠点。また、製紙用ドライヤーカンバス等の販売を事業とする敷島カンバス株式会社は、売上高の連結売上高に占める割合が10%を超える(17.7%)

強み・弱み

イオンモール高知など、好立地の工場跡地を利用した賃貸事業が安定した収益源として機能している点が強み。一方、祖業の繊維事業は安価な海外製品などに押され苦戦

KPI

生産実績、販売実績などが主要KPIと見られる。
・生産実績(2022年3月期)
繊維:16,576百万円(前期比+4.0%)
産業材:9,497百万円(同+8.0%)
・販売実績(2022年3月期)
繊維:18,616百万円(前期比+4.0%)
産業材:12,022百万円(同+11.3%)
不動産・サービス:5,031百万円(同+4.7%)

業績

過去10期は、売上高300億円~500億円、経常利益9億円~28億円の範囲で推移。売上高は2015年3月期の473億円を、経常利益は2017年3月期の27億円をピークに以降は減少傾向。2022年3月期は若干持ち直し、売上高35,670百万円(前期比+6.4%)、営業利益1,357百万円(同+13.3%)、経常利益1,038百万円(同+10.8%)であった。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは恒常的にマイナス。直近決算期の自己資本比率は39.0%。

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