3604 川本産業の業績について考察してみた

3604 川本産業の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1914年に初代川本新之助が医療・衛生材料の個人商店として創業。1923年大津川工場の新設、1931年1月大阪市東区(現中央区)瓦町に、株式会社川本新之助商店を設立。その後数度の商号変更を経て、1996年4月川本産業株式会社に商号変更。2001年12月大証二部へ上場。2003年6月東証二部へ上場。2016年12月エア・ウォーター株式会社の連結子会社となる。衛生材料・医療用品・介護用品等の製造販売や仕入販売を行い、マスクや不織布の医療ガウン、消毒ジェルなどの感染予防対策品も取り扱う。

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株主構成

有価証券報告書によると2021年3月末日時点の大株主は親会社のエア・ウォーター株式会社が50.1%を保有。以下は5%未満の保有で、元取締役会長の川本武氏の資産管理会社とみられる株式会社TKが4.6%、川本武氏個人が4.4%保有している。外国人株式保有比率は10%未満。

取締役会

取締役は8名(社内6名、社外2名)、社外2名は監査等委員。監査等委員会設置会社である。2021年6月22日の株主総会を経て役員人事に変更があり、取締役会長の川本武氏が退任し特別顧問となった。プロパー社員の河野寿序氏が新たに取締役に着任しており人数の変更はない。監査等委員のメンバーに変更があった。代表取締役以外の社内取締役は、親会社であるエア・ウォーターから1名、プロパー出身者2名、監査法人トーマツ出身の公認会計士の有資格者1名、三和銀行(現 三菱UFJ銀行)の出身者1名で構成される。

代表取締役の経歴

代表取締役社長執行役員の福井誠氏は1960年10月生まれ。1979年4月山口医療器株式会社へ入社。2001年8月に同社へ入社し、執行役員コンシューマ営業本部本部長や代表取締役専務執行役員営業統括などを歴任後、2020年6月から現職となる。

報告セグメント

「メディカル事業」と「コンシューマ事業」の報告セグメントに大別され、2021年3月期の売上高30,872百万円の構成比は、メディカル事業が31.8%、コンシューマ事業が68.2%である。セグメント別の利益は、メディカル事業217百万円、コンシューマ事業535百万円、調整額が454百万円で、連結損益計算書の経常利益額は298百万円であった。

事業モデル

同社と子会社4社によって衛生材料、医療用品、介護用品、安全衛生保護具などの製造販売、医療用品、介護用品、育児用品、トイレタリー用品の仕入れ販売を行う。製品別の販売状況の開示はない。メディカル事業では医療機関や国内外の介護施設、海外のドラッグストアなどに手術関連製品やマスクや手指消毒剤などの感染予防製品を販売。直接取引もあれば、代理店・商社・通信販売事業者等を間に挟んでの販売もある。コンシューマ事業では一般消費者や産業・工業向けに代理店・商社等や、大手量販店、ドラッグストア、通信販売事業者などを通じて感染予防製品、医療用品、介護用品、育児用品などを販売している自社通販サイトの運営及び一般消費者への直接販売は行っていない。また、包装技術や滅菌技術などを活かして受託製造もおこなう。

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競合他社

医療用消耗品では、3593ホギメディカル(2021年3月期売上高36,504百万円)、4218ニチバン(同41,528百万円)などが競合になあたるとみられる。

連結の範囲

中国で医療用ガーゼを製造する浙江川本衛生材料有限公司、ニシキ株式会社、株式会社サカキL&Eワイズの3社が該当する。衛生材料や医療用品、安全衛生保護具などの仕入れや販売を行う。

強み・弱み

長年にわたって蓄積した技術やマーケティング力によって、ニーズに応えられる製品開発を出来る点が強み。特定の取引先(株式会社西松屋チェーン)に対する売上高が2021年3月期の売上高の3分の1超を占めており、依存度が高くなっている点は弱み。新型コロナウイルス感染症によって材料調達、海外への輸出入事業が影響を受ける可能性がある点も弱み。

KPI

下記の数値などはKPIになり得る。
①新規コロナウイルス感染者数
②欧米、アジア各国との為替レート
③原油、綿糸などの価格

業績

売上高の推移をみると2014年3月期に300億円を超えたが以降は220億円程まで落ち込んだ。2021年3月期は感染症対策関連用品の大幅な伸長を受けて308億円まで回復。営業利益は売上高が低下する中で粗利率の変動影響も大きく、期によって水準が大きく異り、50億円を下回る年もあったが2021年3月期は232億円であった。営業CFは利益の水準次第で期により異なり。投資CFは直近4期はマイナスであった。自己資本比率は31.0%。