3604 川本産業の業績について考察してみた

3604 川本産業の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q1 2022.06 7,566 81 1.07%
FY2023.Q2 2022.09 7,564 197 2.6%
FY2023.Q3 2022.12 7,986 237 2.97%
FY2023.Q4 2023.03 7,287 177 2.43%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.03 5,242 -38 -0.72%
FY2018.Q1 2017.06 5,751 -13 -0.23%
FY2018.Q2 2017.09 5,783 49 0.85%
FY2018.Q3 2017.12 6,024 50 0.83%
FY2018.Q4 2018.03 5,699 17 0.3%
FY2019.Q1 2018.06 5,891 -1 -0.02%
FY2019.Q2 2018.09 5,993 -62 -1.03%
FY2019.Q3 2018.12 6,207 34 0.55%
FY2019.Q4 2019.03 5,504 60 1.09%
FY2020.Q1 2019.06 5,927 8 0.13%
FY2020.Q2 2019.09 6,118 39 0.64%
FY2020.Q3 2019.12 6,268 17 0.27%
FY2020.Q4 2020.03 6,778 168 2.48%
FY2021.Q1 2020.06 7,642 343 4.49%
FY2021.Q2 2020.09 7,926 453 5.72%
FY2021.Q3 2020.12 8,032 320 3.98%
FY2021.Q4 2021.03 7,272 189 2.6%
FY2022.Q1 2021.06 7,505 183 2.44%
FY2022.Q2 2021.09 7,589 172 2.27%
FY2022.Q3 2021.12 7,454 171 2.29%
FY2022.Q4 2022.03 7,543 214 2.84%
FY2023.Q1 2022.06 7,566 81 1.07%
FY2023.Q2 2022.09 7,564 197 2.6%
FY2023.Q3 2022.12 7,986 237 2.97%
FY2023.Q4 2023.03 7,287 177 2.43%

沿革

1914年に初代川本新之助が医療・衛生材料の個人商店として創業。1923年大津川工場の新設、1931年1月大阪市東区(現中央区)瓦町に、株式会社川本新之助商店を設立。1943年6月川本繃帯材料株式会社、1971年1月川本商事株式会社への商号変更を経て、1996年4月川本産業株式会社に商号変更。2001年12月大証二部、2003年6月東証二部へ上場。2016年12月4088エア・ウォーターの連結子会社となる。2022年4月東証の市場区分見直しによりスタンダード市場へ移行。衛生材料・医療用品・介護用品等の製造販売や仕入販売を行い、マスクや不織布の医療ガウン、消毒ジェルなどの感染予防対策品も取り扱う

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株主構成

有価証券報告書によると2022年9月末日時点の筆頭株主は親会社の4088エア・ウォーターで50.10%を保有。以降は保有割合5%未満で、元取締役会長の川本武氏の資産管理会社とみられる株式会社TKおよび川本武氏個人(合算すると8.85%)、国内証券会社、取引先とみられる企業、個人名などが並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は9名(社内6名、社外3名)、うち4名は監査等委員(社内1名、社外3名)、監査等委員会設置会社である。代表権を持たない社内取締役はプロパー3名、監査法人出身の公認会計士1名、現三菱UFJ銀行および4088エア・ウォーター出身者1名(監査等委員)で構成される。

代表取締役の経歴

代表取締役社長執行役員の福井誠氏は1960年10月生まれ。大阪商業大付属高校卒業後、1979年4月山口医療器株式会社へ入社。2001年8月に同社へ入社し、執行役員コンシューマ営業本部本部長や代表取締役専務執行役員営業統括などを歴任後、2020年6月から現職となる

報告セグメント

「メディカル事業」と「コンシューマ事業」の2報告セグメントに大別され、2023年3月期第2四半期累計期間の売上高15,130百万円の構成比は、メディカル事業が27.9%、コンシューマ事業が72.1%である。全社費用控除前の営業利益構成比は、メディカル事業23.3%、コンシューマ事業76.7%。

事業モデル

同社と子会社4社によってメディカル事業(国内外医療機関・施設向けに衛生材料、医療用品、介護用品等の製造販売及び仕入販売)とコンシューマ事業(一般消費者や産業・工業向けに代理店・商社等や、大手量販店、ドラッグストア、通信販売事業者などを通じて衛生材料、医療用品、介護用品、育児用品、安全衛生保護具等の製造販売及び仕入販売)を展開する。2023年第2四半期累計期間では国内製造事業が全体売上の約3割、国内卸売事業が約6割、残りが海外事業やその他事業の売上だった。また直接取引もあれば、代理店・商社・通信販売事業者等を間に挟んでの販売もある。コンシューマ事業では自社通販サイトの運営も行う。また、包装技術や滅菌技術などを活かして受託製造もおこなう。

同社HP TOP>カタログ一覧「医療機関向け製品総合カタログ」

競合他社

医療用消耗品では、3593ホギメディカル(2022年3月期売上高36,778百万円)4218ニチバン(同43,134百万円)などが競合になあたるとみられる。

連結の範囲

中国で医療用ガーゼを製造する浙江川本衛生材料有限公司、ベビー用品や介護用品の製造、販売を行うニシキ株式会社、医療用品の製造、販売を行う株式会社サカキL&Eワイズの3社が該当する。尚、同社は4088エア・ウォーターの連結子会社である。

強み・弱み

長年にわたって蓄積した技術やマーケティング力によって、ニーズに応えられる製品開発を出来る点が強み。特定の取引先(7574西松屋チェーン)に対する売上高が2022年3月期の売上高の3分の1超を占めており、依存度が高い。また調達は原油や綿糸相場の影響を受けることや、中近東を中心としたアジア、欧米、アフリカ諸国に輸出、また中国を中心とした国から輸入を行っていることからそれら国々の地政学リスクや為替リスクを負っていることが考えられる。

KPI

下記の数値などはKPIになり得る。
①主要取引先(7574西松屋チェーンなど)の業績(売上高、客数)
②欧米、アジア各国との為替レート
③原油、綿糸などの価格

業績

売上高の推移をみると2014年3月期に30,000百万円を超えたが以降はインバウンド需要の減退や一部商品の自主回収の影響を受け2017年3月期には22,000百万円台まで落ち込んだ。2021年3月期は感染症対策関連用品の大幅な伸長を受けて前年度比+23.0%の30,872百万円となった。営業利益率は売上や仕入価格変動の影響大きく、期によって水準が異なり、0~4%台。フリーCFは主に売上債権の増減による影響大きく、マイナスとなる期もみられる。2022年3月期末の自己資本比率は31.0%。2021年3月期の売上回復以降、利益剰余金の積み増しが進み30%台に上昇した。

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