3984 ユーザーローカルの業績について考察してみた

3984 ユーザーローカルの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

3984 ユーザーローカルの業績について考察してみた

沿革

2005年9月に有限会社ユーザーローカルとして東京都に設立。2007年1月に株式会社ユーザーローカルへ変更。2017年3月東証マザーズへ上場。2018年12月に深層学習による感情認識AIをリリース。2019年11月東証一部へ変更。「ビックデータ×人工知能で世界を進化させる」を経営理念に掲げ、ビッグデータ分析システムの研究開発を営む。

株主構成

有価証券報告書によると2020年12月末時点の筆頭株主は、代表取締役社長である伊藤将雄氏で48.5%と約半数を保有。次いでYJ2号投資事業組合が4.6%。以降は同社経営陣や国内外の信託銀行等のカストディアンが並ぶ。

取締役会

取締役は5名(社内3名、社外2名)、監査役は3名(全員社外、1名は常勤)、監査役会設置会社である。取締役兼COOの渡邊和行氏は、楽天株式会社を経て2008年12月に入社、2014年9月に現職に就任。また、取締役兼CFOの岩本大輔氏は楽天株式会社、メタウォーター株式会社を経て2015年10月に入社し、翌2016年1月より現職に就任。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の伊藤将雄氏は1973年12月生まれ。早稲田大学を卒業後、株式会社日経BP社に入社。その後、2000年4月に楽天株式会社へ入社。2002年4月に大学生時代に開発した「みんなの就職活動日記」を事業化し、みんなの就職株式会社代表取締役に就任。その後、早稲田大学大学院国際情報通信研究科に入学し、Web上のユーザー行動解析や大規模データの分析、レコメンデーションエンジンを研究し、早稲田大学内の産学インキュベーションセンター内で製品化し、2005年9月に有限会社ユーザーローカル設立。2007年8月より同社代表取締役社長に就任。

報告セグメント

「データクラウド事業」の単一セグメント。2021年6月期の売上高は2,088百万円(対前期+25.5%)、営業利益は854百万円(同+24.4%)、当期純利益は615百万円(対前年46.6%)であった。営業利益率は40%を超える

事業モデル

「ビッグデータ×人工知能で世界を進化させる」という経営理念のもと、大量のデジタルデータや人工知能を活用したプラットフォームサービスを提供する。SaaS型ビジネスで、顧客から徴収する初期費用及び月額利用料が主たる収益源となる。ユーザーがローカルに有するビッグデータや人工知能を活用した製品は、WEBサイト分析やSNS分析、チャットボットなどの形で活用され、1,000社以上の大手企業を含むユーザーへ導入実績を有す。スマートフォンをはじめとしたあらゆるデバイスがインターネットに接続されることにより、大量のデジタルデータが日々生成されている中、企業経営やマーケティング活動等においては、こうしたビッグデータを有効に活用することがますます重要になってきていると考えられる。

有価証券報告書 第15期(2020年9月開示)

競合他社

3655株式会社ブレインパッド(2021年6月期売上高7,098百万円)3906株式会社ALBERT(2020年12月期売上高2,703百万円)が競合として挙げられる。

連結の範囲

連結の対象となる親会社・子会社を持たない。

強み・弱み

官公庁や自動車、メディア、ITの大手を中心とした1,000社を超える企業のマーケティング活動を支援しており、これまで培ってきた知見や実績に基づく技術開発力を生かすことで競争優位性を保ち、多様化する顧客ニーズに対応した製品・サービスのクオリティが強み。一方、同社が提供する各種ツールは、SaaSによる提供となっていることから、解約が用意に可能であり、技術革新により競合他社がより良いサービス提供を行う場合等において、顧客離れが生じ同社の経営成績に影響を及ぼす可能性がある。

KPI

KPIには収益に直結する①サービス導入件数と研究開発力を示す②社内AIエンジニア比率が挙げられる。
①サービス導入件数
②社内AIエンジニア比率

2021年6月期(第16期)決算説明資料

2021年6月期(第16期)決算説明資料

業績

売上高及び営業利益は右肩上がりに成長しており、2017年6月から2021年6月までの過去5期間でいずれも約2倍となった。長期間において無借金経営、自己資本比率は9割を超えて安定推移。営業CFは恒常的にプラスで増加傾向。多くの固定資産を必要としない業種のため、投資CFは低位に安定推移しており、毎期ごとキャッシュポジションが積みあがる傾向にある。