3909 ショーケースの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1996年2月広告販売や販売促進に関する企画立案制作会社として有限会社フューチャーワークスを東京都に設立。誘導型LPO(ランディングページ最適化)サービス「ナビキャスト」の提供を開始。2003年5月に設立された株式会社スマートイメージを2005年11月に吸収合併。2015年3月東証マザーズ上場、2016年12月東証一部へ変更。2019年4月株式会社ショーケースへ商号変更。カンタンeKYC(本人確認)ツール『ProTech ID Checker』の提供を開始。2019年12月HR事業を行う子会社を解散。

株主構成

2020年12月16日付けのAI inside株式会社との資本業務提携に伴う第三者割当増資後の大株主は、AI inside株式会社が筆頭株主で20.7%、次いで取締役会長の森雅弘氏で17.9%、代表取締役社長永田豊志氏で14.0%、JP MORGAN BANK LUXEMBOURG S.A 1300000で14.0%、日本マスタートラスト投信の信託口で1.25%、日本カストディ銀行の信託口で1.0%となっている。

取締役会

取締役は4名(社内2名、社外2名)、監査役3名(社外3名)、監査役会設置会社である。社内取締役会長の森氏は代表権を持たない。同氏はリクルート入社後に1996年に同社の前身である有限会社フューチャーワークスへ入社。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の永田豊志氏は1966年1月生まれ。九州大学を創業後、株式会社リクルートに入社。その後2003年に株式会社スマートイメージを設立。2005年11月に株式会社フューチャーワークスへ吸収合併され、副社長として事業を牽引。2019年1月より「第二創業期」と位置づけ同氏が現職へ就任し、商号変更を実施。

報告セグメント

「マーケティングSaaS事業」、「広告・メディア事業」、「投資事業」の3報告セグメントに大別される。以前はHR事業を運営していたが撤退済みで、2020年12月第3四半期において清算が結了している。2020年12月期に2020年12月期の売上高1,528百万の構成比はマーケティングSaaS事業が881百万円で57.6%、広告・メディア事業が434百万で28.4%、HR事業が119百万円で7.8%、投資事業が93百万で6.0%を占める。セグメント利益はマーケティングSaaS事業が592百万円で87.7%、広告・メディア事業が65百万で9.6%、HR事業が▲1百万円、投資事業が19百万で2.8%を稼ぎ、4セグメント総計で675百万円、全社費用が計上され連結財務諸表上の営業利益は45百万円

事業モデル

マーケティングSaaS事業は、同社の主力事業であるWebサイトの最適化技術により成約率を高めるクラウドサービス「ナビキャストシリーズ」Webサイトのセキュリティ関連のクラウドサービス「ProTechシリーズ」を提供する。ナビキャストは「フォームアシスト」と「フォームコンバータ」の2種類が主力で、フォームアシストは同社HPによると全金融業界で65%のシェアを持ち、その他の大手航空会社やメーカーでも導入事例を持つ。フォームコンバータも楽天証券や株式会社エービーシー・マート等の大手の導入実績多数。eKYC(本人確認)ツール「Pro Techシリーズ」でもEPOSカードなどの導入実績を持つ。
広告・メディア事業はオウンドメディアの運用と広告関連サービスを提供する。スマートフォン関連メディア『bit Wave』や金融関連情報メディア『金融lab.』を運営する。メディア領域は成長性・収益性が高く、今後も積極投資方針。
投資事業は国内外問わず、先進的・独自的なテクノロジーを持つスタートアップ企業へベンチャーキャピタル投資を行う。主にFinTech領域・インターネット・モバイル領域が中心

2020年12月期通期決算説明資料

競合他社

主力商品の「ナビキャスト」同様にWebサイトの成約率を高めるサービスは様々な競合サービスが存在するが、金融業界での同社シェアは圧倒的。競合ではないが4170KAIZEN PLATFORM(2020年12月期1,686百万円)は動画の分野では類似サービスを提供しており比較対象となりうる。オウンドメディアも競合多数で、金融メディアでは4387 ZUU(2020年3月期売上高1,847百万円)などが代表例である。

連結の範囲

同社グループは、同社及び連結子会社1社、非連結子会社1社から構成されるとみられる。連結子会社はFintech・インターネット・モバイル分野を中心としたベンチャーキャピタル投資を担う株式会社Showcase Capital。なお、デジタル人材紹介業を担った株式会社レーザービームは2019年12月付で解散し、2020年12月期第3四半期において清算が結了済。非連結子会社はモバイルコンテンツ事業を担う株式会社インクルーズの1社である。

強み・弱み

マーケティングSaaS事業の主力商品各種が大手金融機関を中心に豊富な導入実績を持つことが強み。急激な事業環境の変化の中で、全社費用を賄う十分な利益を各事業で確保できておらず、連結営業利益が投資事業次第となりやすい点は事業構造上の弱み。また、技術者を中心とした人材確保において他社との獲得競争が激しさを増していることは懸念点。

KPI

マーケティングSaaS事業ではナビキャストシリーズやPro Techシリーズの導入状況、広告・メディア事業ではページレビュー数、リピーター数、平均セッション時間などがKPIとなり得る。確認可能な指標は同社がYoutube配信する金融情報動画の『山田レゾンデートル』のチャンネル登録数で実績は下記。
・山田レゾンデートル チャンネル登録者数 2021年2月時点1.69万人

業績

連結財務諸表が作成されている2017年12月から2020年12月期までの4期の経営状況をみると、売上高は2018年12月期の2,002百万円をピークに低迷しており、2019年12月期1,508百万円、2020年12月期1,530百万円となっている。経常利益は2019年12月期に▲14百万円と赤字化するも2020年12月期は58百万円まで回復。営業CFは安定してプラス、投資CFは営業CFの4割程度の金額でマイナス、財務CFは恒常的にマイナスである。2020年12月期の自己資本比率73.6%。