3001 片倉工業の業績について考察してみた

3001 片倉工業の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q1 2023.03 10,700 1,051 9.82%
FY2023.Q2 2023.06 9,916 1,053 10.62%
FY2023.Q3 2023.09 9,832 1,071 10.89%
FY2023.Q4 2023.12 9,524 628 6.59%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q1 2017.03 14,841 1,143 7.7%
FY2017.Q2 2017.06 10,626 387 3.64%
FY2017.Q3 2017.09 10,012 272 2.72%
FY2017.Q4 2017.12 10,706 99 0.92%
FY2018.Q1 2018.03 14,181 777 5.48%
FY2018.Q2 2018.06 10,123 492 4.86%
FY2018.Q3 2018.09 9,176 79 0.86%
FY2018.Q4 2018.12 10,828 183 1.69%
FY2019.Q1 2019.03 14,307 1,053 7.36%
FY2019.Q2 2019.06 9,898 1,005 10.15%
FY2019.Q3 2019.09 9,683 463 4.78%
FY2019.Q4 2019.12 10,155 48 0.47%
FY2020.Q1 2020.03 13,218 1,117 8.45%
FY2020.Q2 2020.06 9,479 1,534 16.18%
FY2020.Q3 2020.09 8,477 795 9.38%
FY2020.Q4 2020.12 8,465 149 1.76%
FY2021.Q1 2021.03 12,600 1,604 12.73%
FY2021.Q2 2021.06 9,414 1,456 15.47%
FY2021.Q3 2021.09 6,597 -255 -3.87%
FY2021.Q4 2021.12 9,016 -8 -0.09%
FY2022.Q1 2022.03 8,545 -903 -10.57%
FY2022.Q2 2022.06 8,619 917 10.64%
FY2022.Q3 2022.09 7,697 541 7.03%
FY2022.Q4 2022.12 9,413 814 8.65%
FY2023.Q1 2023.03 10,700 1,051 9.82%
FY2023.Q2 2023.06 9,916 1,053 10.62%
FY2023.Q3 2023.09 9,832 1,071 10.89%
FY2023.Q4 2023.12 9,524 628 6.59%

沿革

1873年に創業後、1895年に片倉組を設立して製糸事業を拡張。1920年3月に片倉製糸紡績株式会社に改組。1939年9月に旧官営の富岡製糸場を合併。1943年11月に片倉工業株式会社に商号変更。1949年5月に東証一部に上場。1954年5月に衣料品事業、1975年4月に小売事業を開始。本社は東京都中央区。不動産事業や衣料品事業、機械関連事業、繊維事業等の多角的な事業展開が特徴

株主構成

参照日時:2023/12/31

氏名又は名称所有株式数割合
ASO GROUP Limited3,490,00010.52%
三井物産株式会社2,200,0006.63%
みずほ信託銀行株式会社(信託口)2,043,0006.16%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)1,862,0005.62%
損害保険ジャパン株式会社1,715,0005.17%
農林中央金庫1,690,0005.1%
株式会社みずほ銀行1,655,0004.99%
大成建設株式会社1,400,0004.22%
明治安田生命保険相互会社999,0003.01%
東京建物株式会社980,0002.96%

取締役会

参照日時:2023/12/31

役職名・氏名生年月日任期所有株式数
取締役社長(代表取締役)
上甲亮祐
1961年8月6日(注)16,000
取締役執行役員企画部長
水澤健一
1970年7月22日(注)11,000
取締役執行役員不動産事業部長
栗原修
1972年6月7日(注)13,000
取締役執行役員事業推進部長
山田有歩
1974年1月19日(注)14,000
社外取締役
大室康一
1945年2月6日(注)110,000
社外取締役
桑原道夫
1948年10月24日(注)1-
社外取締役
金丸哲也
1964年4月12日(注)1-
社外取締役
真下陽子
1969年9月20日(注)1-
常勤監査役
吉田伸広
1961年5月14日(注)2-
常勤監査役
五位渕洋
1961年5月31日(注)2-
社外監査役
酒井明夫
1958年10月20日(注)2-
社外監査役
手島俊裕
1960年10月24日(注)2-

(注) 1.取締役の任期は、2024年3月28日就任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までであります。なお、増員または補欠として選任された取締役の任期は、在任取締役の任期の満了する時までであります。

2.監査役の任期は、2024年3月28日就任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までであり、任期の満了前に退任した監査役の補欠として選任された監査役の任期は、退任した監査役の任期の満了する時までであります。

 3.当社は、法令に定める監査役の員数を欠くことになる場合に備え、会社法第329条第3項に定める補欠監査役1名を選任しております。補欠監査役の略歴は次のとおりであります。(氏名)     (生年月日)         (略歴)                                             (所有株式数)五日市喬弘   1954年6月8日   1979年4月  安田火災海上保険株式会社入社              600株                                2009年4月  株式会社損害保険ジャパン理事岡山支店長                                2011年4月  同社執行役員信越本部長兼北陸本部長                                2012年4月  同社常務執行役員信越本部長兼北陸本部長                                2013年4月  損保ジャパン日本興亜ビジネスサービス株 式会社代表取締役会長 2015年6月 株式会社千葉興業銀行社外監査役                                2016年3月 当社社外監査役(2020年退任)なお、五日市喬弘氏は、社外監査役の要件を満たしております。

4.当社では、経営の意思決定の迅速化と業務執行機能の強化を図るため、執行役員制度を導入しております。取締役を兼務しない執行役員は次のとおりであります。常務執行役員     柿本勝博(株式会社ニチビ 代表取締役社長)執行役員 片倉義則(経理部長)執行役員 北橋昭彦(日本機械工業株式会社 代表取締役社長) 

※有価証券報告書から抜粋

代表取締役の経歴

代表取締役社長の上甲亮祐氏は1961年8月生まれ。一橋大学経済学部を卒業後。1985年4月に株式会社みずほ銀行に入社し、2017年4月に理事に就任。同年5月に同社常勤顧問に就任後。2018年3月に専務取締役を経て2019年3月に現職に就任した。

報告セグメント

2023年12月期 参照日時:2023/12/31

セグメント売上高(百万円)
不動産10,833
医薬品13,059
機械関連5,972
繊維7,481

「不動産事業」、「医薬品事業」、「機械関連事業」、「繊維事業」の4セグメントに大別される。報告セグメントに含まれない事業として、ビル管理サービスや交配用ミツバチの販売等を含むその他がある。2021年12月期第2四半期の売上高は22,697百万円で、不動産事業が4,596百万円で20.2%、医薬品事業が7,899百万円で34.8%、機械関連事業が6,168百万円で27.2%、繊維事業が3,155百万円で13.9%。その他が877百万円で3.9%を占める。
2021年12月期は調整前セグメント利益の7割以上を不動産事業が創出。利益率は不動産事業が30%台後半、医薬品事業が1桁前半。機械関連事業と繊維事業がマイナスから1桁前半を推移する。

事業モデル

不動産事業では全国でショッピングセンターや住宅展示場、企業主導型保育所などの運営及び不動産賃貸を行う。製糸工場跡地等の社有地を活用しており、所有・管理物件数は全国で19箇所に及ぶ。最も収益性の高い事業で同社では中核事業として位置付ける。
医薬品事業では不整脈や心不全等の医薬品を製造・販売する。連結子会社であるトーアエイヨー株式会社が事業を担い、循環器領域に特化した医薬品の開発やジェネリック医薬品の製造を行う。自社開発品ではテープに強みを持ち、持続型狭心症治療薬の「フランドルテープ」や経皮吸収型β1遮断剤「ビソノテープ」の販売実績を有す。国内内では少子高齢化の進行により循環器領域の医薬品需要の増加が見込まれる。
機械関連事業では連結子会社の日本機械工業株式会社にて消防自動車や防災機器を製造し。国内外で販売する。消防自動車では国内2位のシェアを誇る。従来では自動車部品や工業用洗浄機、工業用バルブ等の設計・製造・販売事業も行っていたが、2020年11月に撤退。採算性の改善のため新規事業領域の拡大を図る。
繊維事業では肌着や靴下。エプロン等の各種衣料品の開発から販売までを行う。連結子会社の株式会社ニチビでは機能性繊維の製造・販売。オグランジャパン株式会社では肌着やエプロンの企画・販売やブランドライセンス業務を担う。物流拠点の統合や高付加価値商品である介護衣料品の商品拡充等により、収益力強化を狙う。
その他事業では交配用ミツバチの販売やビル管理事業等を行う。ビル管理事業は連結子会社の株式会社片倉キャロンサービスが担う。
国内での売上が連結売上高の9割以上を占める。また主要な顧客は4503アステラス製薬で、連結売上高の31.2%(2020年12月期)を占める

競合他社

  • 3002 グンゼ(23年3月期売上高136,030百万円)
  • 6455 モリタホールディングス(23年3月期売上高81,344百万円)

連結の範囲

連結子会社6社と非連結子会社3社を持つ 。連結子会社の医薬品事業を担うトーアエイヨー株式会社と機械関連事業を担う日本機械工業株式会社は、それぞれ連結売上高に占める売上高の割合が10%を超える。

強み・弱み

強みとして多角的な事業展開が挙げられる。不動産事業、医薬品事業、械関連事業。繊維事業を展開する同社では。連結売上高の40%を超える事業がない点が特徴に挙げられる。事業部間でのつながりが多く、幅広い顧客層に向けたアプローチを可能とする。また近年では事業の構造改革に着手。採算性の高い新規事業を開拓する一方で、不採算事業を撤退または大幅に縮小することで事業基盤の安定化を目指す。
懸念点には、医薬品事業における医療政策の売上高への影響や、医薬品開発過程で開発を継続できない事象が発生した場合の研究開発費の未回収リスクが挙げられる。

KPI

KPIには①セグメント別売上高構成比と②設備投資額、③研究開発費が挙げられる
①セグメント別売上高構成比(2020年12月期)
②設備投資額:2,910百万円(同)
③研究開発費:2,190百万円(同)

2020年12月期 決算説明会資料
2020年12月期 決算説明会資料
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