3612 ワールドの業績について考察してみた

3612 ワールドの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2022.Q3 2021.12 48,900 7,142 14.61%
FY2022.Q4 2022.03 45,114 -2,798 -6.2%
FY2023.Q1 2022.06 50,532 4,990 9.87%
FY2023.Q2 2022.09 46,214 -912 -1.97%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2019.Q2 2018.09 56,197 -704 -1.25%
FY2019.Q3 2018.12 69,030 9,358 13.56%
FY2019.Q4 2019.03 63,656 -475 -0.75%
FY2020.Q1 2019.06 59,990 8,713 14.52%
FY2020.Q2 2019.09 57,687 -676 -1.17%
FY2020.Q3 2019.12 64,825 8,951 13.81%
FY2020.Q4 2020.03 53,763 -4,637 -8.62%
FY2021.Q1 2020.06 32,994 -3,189 -9.67%
FY2021.Q2 2020.09 46,081 -11,276 -24.47%
FY2021.Q3 2020.12 53,773 4,795 8.92%
FY2021.Q4 2021.03 47,474 -11,967 -25.21%
FY2022.Q1 2021.06 40,532 1,941 4.79%
FY2022.Q2 2021.09 36,798 -4,089 -11.11%
FY2022.Q3 2021.12 48,900 7,142 14.61%
FY2022.Q4 2022.03 45,114 -2,798 -6.2%
FY2023.Q1 2022.06 50,532 4,990 9.87%
FY2023.Q2 2022.09 46,214 -912 -1.97%

沿革

1959年1月株式会社ワールドとして、故木口衛氏と畑崎廣敏氏が共同で兵庫県神戸市に創業。創業時からしばらくは婦人服衣料の卸売事業を中心としていたが、徐々にトータルコーディネイトブランドを開発しながら、総合アパレルメーカーとして業容を拡大させてきた。1993年11月には大証第二、1998年12月に東証第二部へ上場し、1999年9月には東証第一部及び大証第一部に指定替え。2005年11月には長期的、持続的な企業価値の最大化を図ることを目的に、MBO(経営陣による自社株式取得)を行い、上場廃止。その後、2018年9月に東証一部に再上場。現在は東証プライム。2022年2月持分法適用関連会社の株式会社ナルミヤ・インターナショナルを子会社化。SCから百貨店までを展開する総合アパレル企業

株主構成

有価証券報告書によると2022年3月末時点の大株主は、日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)が13.2%、同社の元代表取締役会長である寺井秀蔵氏が6.9%、株式会社日本カストディ銀行(信託口)が5.7%を保有。そのほか、創業家や旧経営陣の個人及び資産管理会社などが並び、旧代表取締役会長であった畑崎重雄氏が2.6%保有する。

取締役会

取締役は9名(社内4名、社外5名)、うち3名は監査等委員(社内1名、社外2名)。監査等委員会設置会社である。代表権を持たない社内取締役2名はいずれもプロパー。

代表取締役の経歴

現代表取締役社長執行役員である鈴木信輝氏は1974年生まれ。京都大学大学院法学研究科修士課程終了後、1999年にアンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)に入社した。その後、企業再生支援機構、ボストンコンサルティング・グループなどを経て、2012年9月にワールドに入社。グループ専務執行役員(グループ戦略統括兼グループ企画本部管掌兼D-GROWTH戦略本部管掌)などの役職を経て、2020年6月に現職に就任した。鈴木氏の社長就任に伴い、旧住友銀行出身で長崎屋などの再建の手腕を買われて入社した上山健二氏は代表取締役会長に就任している。

報告セグメント

「ブランド事業」、「デジタル事業」、「プラットフォーム事業」及び「共通部門」の2報告セグメントに大別される。2023年3月期第1四半期の売上高50,532百万円の構成比は、ブランド事業85.5%、デジタル事業5.3%、プラットフォーム事業9.1%、共通部門0.1%である。セグメント利益は、ブランド事業4,338百万円、デジタル事業209百万円、プラットフォーム事業▲282百万円、共通部門816百万円であり、調整額を差し引いた営業利益は4,801百万円であった。

事業モデル

創業から60年以上の長い歴史のなかで、多くのブランドを世に送り出してきた。「ブランド事業」が主力事業で、ターゲットは婦人服や子供服、紳士服など多岐にわたり、服飾雑貨・生活雑貨のほか、ジュエリーなども手掛ける。店舗での対面販売を行う他、ブランドなどのバリューアップを行う投資活動も同事業に含まれる。
「デジタル事業」は、B2Bソリューション及びB2Cネオエコノミーから成り立っており、デジタル技術を梃子にしたトランスフォーメーションの牽引役として、重点投資領域と位置付けている。
「プラットフォーム事業」は、ブランド運営や衣料の製造販売などのビジネスモデルそのものを外部に拡販するユニークな事業。製造面での生産性改善について指導・助言を行うほか、今まで多くの店舗開発を行ってきた経験を活かし、店舗デザインの提供活動なども行う。
「共通部門」は各事業間の調整などを行う事業持株会社としての位置づけである。
ファッション業界を取り巻く経営環境は、人口減少や少子高齢化の進行にともなう数量減少に加えて、国内アパレル市場も成熟化して単価下落が進む一方、海外生産地での加工賃上昇や為替変動による仕入価格の上昇のほか、人手不足による人件費や物流費といった経費増加も生じるなど、引き続き厳しい状況が続くことが予想される。また、デジタル化の進展を背景として消費者の購買行動は急速に変化しており、新たなビジネスチャンスが生まれているものの、新規参入企業の誘発などを通じて異業種や外資系も巻き込んだ競争激化が継続している。

競合他社

8016オンワードホールディングス(2022年2月期決算期売上高1,684億円)、3608TSIホールディングス(2022年2月期決算期売上高1,403億円)、8011三陽商会(2022年2月期決算期売上高386億円)などが競合となる。

連結の範囲

同社グループは、同社、子会社48社及び持分法適用関連会社4社で構成され、ブランド事業、デジタル事業、プラットフォーム事業を営む。

強み・弱み

かつてはビジネススクールの題材としても注目されたサプライチェーンが同社の強み。顧客の需要予測に基づく短いリードタイムで店舗に商品を供給できる仕組みは2000年代に注目された。店舗販売を担う販売員などから顧客動向をヒアリングし、商品に改良を重ね、速やかに店頭に商品を並べる手法で、現在もそれらの経験値が「プラットフォーム事業」の一つとして生かされている。一方、収益の大部分を日本国内で得ているため、日本の経済情勢の影響を強く受ける点は弱みと言える。

KPI

KPIとみられる開示は下記。
①     店舗売上
②     Eコマース売上
③     店舗数

2023年3月期 月次売上概況(7月度)

業績

2018年3月期から2022年3月期までの5期をみると、売上収益は245,829百万円から171,344百万円、営業利益は13,225百万円から2,196百万円と減収減益。2021年3月期は大幅な赤字となったが、直近期は持ち直している。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは恒常的にマイナス。2023年3月期第1四半期の親会社所有者帰属持分比率は33.2%。

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