9699 西尾レントオールの業績について考察してみた

9699 西尾レントオールの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1959年10月、電気器具の部品加工ならびに販売を目的として、宝電機株式会社を設立。1965年より道路機械のレンタルを開始する。以来、建設現場で使用される機械・器具のレンタル商品化に努めてきた。1970年代には万博や新幹線、高速道などの工事にともなって営業所を全国に展開。1978年、対象領域・取扱商品を拡張し、イベント関連・民生品のレンタル(レントオール)を開始、日本初の総合レンタルショップを開店した。建機のみならず展示会やイベント用の機材、通信映像機器、産業界向けには生産加工機器のレンタルを展開。1992年にニシオレントオール マレーシアを設立、海外進出を果たす。2013年7月、東証一部に上場。2010年代はオーストラリアやシンガポールの現地企業に対して積極的にM&Aをおこなっている。

株主構成

2021年3月末時点の保有比率に大量保有報告書の内容を加味すると、筆頭株主は有限会社ニシオトレーディングとみられ、13.55%を保有する。有限会社ニシオトレーディングは同社の創業者かつ前社長である西尾晃氏の縁故会社だ。次いでヘッジファンドのシンフォニー・フィナンシャル・パートナーズが12.29%を保有するとみられる。そのほか大株主は信託銀行の信託口や証券会社、同社持株会など。外国人株式保有比率は20%以上30%未満

取締役会

取締役は11名(社内9名、社外2名)、監査役は3名(社内1名は常勤、社外2名)、監査役会設置会社である。代表取締役社長を除く9名の社内取締役はいずれもプロパー社員とみられ、うち7名は営業部長の経験を持つ。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の西尾公志氏は1960年8月生まれ。東京大学を卒業後、1985年に株式会社小松製作所に入社。同社には1987年3月に入社した。翌1988年6月、経営計画室長に就任。また同年12月には取締役に就任している。1994年より現職を務めるほか、2021年8月現在グループ会社4社の代表取締役を兼任する。

報告セグメント

「レンタル関連事業」の単一セグメント。建設・設備工事用機器ならびにイベント用機材のレンタルを中心に、建設工事用機械のオペレーション業務の請負や工事用電気設備工事・電気配線工事、運送事業なども手がける。2021年9月期第3四半期の売上高118,827百万円のうち95.6%を国内建機分野が占め、4.4%をイベント分野が占める。利益構成比は調整前で概ね売上高と同じ比率。

事業モデル

レンタル関連事業のメインである国内建機分野は、全国400ヵ所に拠点を持つ。国内の建設業者全般を対象に道路土木工事や建築工事関連の機材をレンタルする。中小企業との取引が多く、年間ユーザーは20,000社を超える。レンタル資産の保有量が売上に直結するストックビジネスであり、国内外から積極的に商品を調達。一方で投資額については一定の資金制約もあるゆえ、同社では設備投資はEBITDAの範囲内との方針を定めている。イベント分野ではイベント・展示会向けの総合レンタルおよび設営を手がける。顧客よりイベントの相談を受け、会場の条件や顧客の要望に合わせて企画・設計の提案をおこなう。また会場では施工会社とともに設営を担い、運営まで一貫したサポート体制をとっている。
建設業界は交通インフラ新設や災害復旧・防災関連工事、都市圏の再開発などは底堅く推移するものの、民間建築需要の動きは弱い。新型コロナウイルスの影響による相次ぐ工事の見直しや中断の影響と、実体経済の落ち込みから民間の投資マインドの低下が懸念される。建機レンタル業界においては大手事業者が地方の中小レンタル事業者を吸収するなど業界再編が進みつつあり、先行きの不確実性が増している。

同社資料よりPERAGARU_BLOG 作成

競合他社

9678カナモト、同社子会社の9641サコス、非上場企業では株式会社アクティオホールディングス、株式会社レンタルのニッケンが挙げられ、同社を含め各社が10%前後の市場シェアを持つとみられる。2020年度の売上高を比較すると同社の151,231百万円に対し、9678カナモトは179,053百万円、9641サコスは18,177百万円である。

連結の範囲

連結子会社は32社と多い。うち海外はオーストラリア、東南アジアを中心に18社である。建機レンタルを手がける9641サコス、それぞれ高所作業機、フォークリフトの賃貸を手がけるオーストラリアの2社、シンガポールで建機レンタルをおこなう1社である。

強み・弱み

ICT施工が強み。他社に先駆けて2000年に取り組みを本格化し、通信機器を専門に取り扱う部署を設置。ICT施工に関するノウハウは業界トップである。建設投資の先行きが不透明な中、省人化によるICT施工や無人化に向けたAIなど、生産性向上によって売上のさらなる拡大を狙う。しかしながら建機レンタルが収益の主軸である同社にとって、建設投資の先行き不透明感はやはり大きな懸念材料となる。M&Aによる海外売上の拡大や非建機部門、異業種の開拓など、リスク分散に取り組む。

KPI

業績に大きな影響を与える建設投資の推移、売上拡大の肝となっていく海外売上高、設備投資の重要な指標となるEBITDAはKPIといえる。
1. 建設投資の推移 2020年度見通し631,600億円(前年度比 -3.4%)
2. 海外売上高 2020年9月期 14,540百万円(前年度比+4.7%)
3. EBITDA 2021年9月期第3四半期 34,210百万円(前年同期比+1.7%)

FACT BOOK 2020.9月期 4Q

業績

過去5期分の経営状況をみると、2020年9月期は減収となったものの売上高は堅調に増加しており、115,937百万円から151,231百万円へ+30.4%となった。経常利益は11,292百万円から、2019年9月期には15,027百万円まで上昇したが、2020年9月期は11,019百万円に落ち込んだ。自己資本比率は47.7%から44.4%へと下落傾向にある。営業CFは2018年9月期をのぞいてプラス推移。投資CFは恒常的にマイナスである。