6036 KeePer技研の業績について考察してみた

6036 KeePer技研の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q3 2023.03 3,796 1,019 26.84%
FY2023.Q4 2023.06 4,680 1,440 30.77%
FY2024.Q1 2023.09 4,762 1,176 24.7%
FY2024.Q2 2023.12 5,940 2,144 36.09%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q3 2017.03 1,400 112 8%
FY2017.Q4 2017.06 1,802 214 11.88%
FY2018.Q1 2017.09 1,750 209 11.94%
FY2018.Q2 2017.12 2,207 492 22.29%
FY2018.Q3 2018.03 1,430 -32 -2.24%
FY2018.Q4 2018.06 1,927 203 10.53%
FY2019.Q1 2018.09 1,939 212 10.93%
FY2019.Q2 2018.12 2,539 632 24.89%
FY2019.Q3 2019.03 1,678 101 6.02%
FY2019.Q4 2019.06 2,165 341 15.75%
FY2020.Q1 2019.09 2,254 291 12.91%
FY2020.Q2 2019.12 2,576 558 21.66%
FY2020.Q3 2020.03 1,757 143 8.14%
FY2020.Q4 2020.06 2,112 374 17.71%
FY2021.Q1 2020.09 2,719 711 26.15%
FY2021.Q2 2020.12 3,505 1,106 31.55%
FY2021.Q3 2021.03 2,442 493 20.19%
FY2021.Q4 2021.06 3,135 711 22.68%
FY2022.Q1 2021.09 3,261 798 24.47%
FY2022.Q2 2021.12 4,041 1,518 37.56%
FY2022.Q3 2022.03 3,118 778 24.95%
FY2022.Q4 2022.06 3,938 1,232 31.28%
FY2023.Q1 2022.09 3,788 1,170 30.89%
FY2023.Q2 2022.12 4,778 1,846 38.64%
FY2023.Q3 2023.03 3,796 1,019 26.84%
FY2023.Q4 2023.06 4,680 1,440 30.77%
FY2024.Q1 2023.09 4,762 1,176 24.7%
FY2024.Q2 2023.12 5,940 2,144 36.09%

沿革

1985年8月、現代表取締役会長の谷好通氏が、愛知県にてガソリンスタンド経営の目的で株式会社タニ設立。1993年2月に自動車の洗車、ボディコーティング等を担当するスーパーポリマー事業部をアイ・タック技研株式会社として分社化、「KeePre」(現「KeePer」)ブランドでコーティングの企画・提供を開始。2014年9月、現社名のKeePer技研株式会社へ商号変更。2015年2月に東証マザーズ上場、2016年3月には同一部へ市場変更、現在は同プライム。自動車のボディコーティング「キーパーコーティング」の施工及び関連商品の販売を事業とし、FC店展開のほか直営店も運営

株主構成

有価証券報告書によると2022年6月末時点の筆頭株主は、同社の母体であり谷氏が代表を務める株式会社タニで21.25%保有。続いて、同社と同じく本社を愛知県に置く、独立系自動車ディーラーグループのVTホールディングス株式会社が17.07%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社信託口が8.79%、株式会社日本カストディ銀行信託口が5.01%保有。以下は5%未満の保有率で、主要取引先であるENEOSトレーディング株式会社、代表取締役社長の賀来聡介氏、専務取締役の鈴置力親氏ほか個人などが名を連ねる。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は12名(社内6名、社外6名)、うち3名は監査等委員(全員社外)、監査等委員会設置会社である。代表権を持たない社内取締役4名のうちプロパーは2名。他2名は、ビル管理会社経験者ならびに鉄道会社経験者。社外取締役には、主要取引先のENEOSトレーディング株式会社取締役、公認会計士、元市議会議員、機械メーカー関係者などが就任。

代表取締役の経歴

代表取締役は2名。代表取締役会長兼CEOの谷好通氏は1952年3月生まれ。ガソリンスタンド勤務などの後、1985年8月に株式会社タニ創業。1993年2月、アイ・タック技研株式会社(現同社)設立、代表取締役社長就任。2019年2月より現職
代表取締役社長兼COOの賀来聡介氏は1971年5月生まれ。東京都立足立高等学校卒業後、1999年2月に中外石油株式会社入社。2006年11月にアイ・タック技研株式会社入社、常務取締役、取締役副社長などを経て2019年2月より現職

報告セグメント

「キーパー製品等関連事業」、「キーパーLABO運営事業」の2セグメントで構成される。前者は、FC店及び直営店へのコーティング用ケミカル類の卸売を事業とする。後者は、主に直営店の運営を事業とする。2022年6月期の外部顧客への売上高14,358百万円の構成比は、キーパー製品等関連事業44.8%、キーパーLABO運営事業55.2%であった。また、同期のセグメント利益4,326百万円の構成比は、キーパー製品等関連事業49.0%、キーパーLABO運営事業51.0%となった。地域別では、日本国内における売上が全体の90%を超える。また、 ENEOSトレーディング株式会社への売上高は、全売上高の10%以上を占める(14.6%)。これは、ENEOS系ガソリンスタンドに同社とFC契約を締結している店舗が多いためである。

事業モデル

自動車ボディ用のガラス被膜コーティング「キーパーコーティング」シリーズが主力商品。年1回のコーティングで、ツヤ出し、シミ防止、水はじきの効果が持続し、洗車の手間も低減。
キーパー製品等関連事業は、コーティングを施工するFC店「キーパープロショップ」への商材卸売を主力事業とする。キーパープロショップは6283店舗(2022年6月末時点)を展開しており、ほとんどがガソリンスタンドによる兼業である。キーパープロショップとして同社の商材を扱うためには、同社の定める施工技術の水準を満たす必要があり、そのための教育、研修の制度を設けている。主な収益源は、同店舗から支払われる商材代金である。製造は国内外のケミカルメーカーへ委託しているため、商材売上高とメーカーへの製造委託費との差額が主な収益となる。
キーパーLABO運営事業は、直営店を主とする「キーパーLABO」の運営を担当する。店舗数は107(うち直営店95、2022年6月末時点)と多くはないものの、施工までを実施するためキーパー製品等関連事業と同等以上に売上と利益に貢献している。
また、新車向けにメーカーやディーラーへも売り込みをかけ、既にスバルやトヨタで採用されるなど新展開も見られる。自動車用途以外では、スマホ用コーティング「スマホキーパー」をキーパー施工店やドコモショップで提供。

公式ウェブサイト内「株主・投資家情報」>「個人投資家の皆様へ」>「KeePer技研ってどんな会社」

競合他社

8117中央自動車工業(株)(売上高30,693百万円)が、主要顧客を自動車ディーラーとするものの、コーティング施工を事業とする点で競合する。また、非上場であるが、(株)カービューティープロも事業モデルが類似する点で競合し得る。その他、9832(株)オートバックスセブン(売上高228,586百万円)、9882(株)イエローハット(売上高148,038百万円)などの自動車用品量販大手も、独自のコーティング施工を提供する点で競合の可能性あり。

連結の範囲

同社は、母体企業である前述の株式会社タニを除いては、子会社、関連会社を持たない。

強み・弱み

高品位かつ独自性の強いコーティング施工を、ガソリンスタンド等で手軽に利用できる点が高い人気を呼んでいる。昨今の洗車ブームやコーティング需要増に加え、SNS等での好評な口コミも追い風。一方、生活必需品に該当しないコーティング施工は、ガソリン価格上昇などによる家計圧迫によって需要減となる可能性あり。長期的には、少子化や若者の車離れによる需要減も懸念される。

KPI

キーパープロショップならびにキーパーLABOの店舗数、顧客単価、施工台数などが主なKPIとみられる。
キーパープロショップ
・店舗数(2022年6月末時点):6283店(前年同期比+3.0%)
・平均顧客単価:非開示
・年間施工台数:非開示
キーパーLABO
・店舗数(2022年6月末時点):107店(前年同期比+24.4%)
・平均顧客単価(2022年6月期):14,597円(前期比+8.0%)
・年間施工台数
EXキーパー(2022年6月期):9,375台(前期比+60.0%)
ダイヤモンドキーパーシリーズ(同上):38,102台(同上+ 25.7%)

業績

2012年6月期~2022年6月期の10年間で売上高を4倍に、経常利益を22倍以上へ伸ばすなど急成長。特に2021年6月期は、見込まれる需要増に迅速な人員増強で対応したことが功を奏し、前期比で売上高+35.7%、経常利益+120.0%と大幅な増収増益。2022年6月期も引き続き好調で、売上高14,358百万円(前期比+21.7%)、営業利益4,326百万円(同+43.2%)、経常利益4,325百万円(同+43.1%)であった。直近決算半期の自己資本比率は67.8%。

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