6036 KeePer技研の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1985年8月代表取締役会長の谷好通氏が、ガソリンスタンド経営の目的で設立した株式会社タニが同社の起源である。1993年2月に自動車の洗車、ボディコーティング等を担当するスーパーポリマー事業部をアイ・タック技研株式会社として分社化。『KeePre』(現『KeePer』)ブランドでコーティングの企画・提供を開始。2014年9月現社名のKeePer技研株式会社へ商号変更、2015年2月東証マザーズ上場、2016年3月東証一部変更。自動車のボディコーティング「キーパーコーティング」を扱い、同社とフランチャイズ契約を締結したFC店からのロイヤリティを主な収益源とする。並行して直営店も展開。

株主構成

有価証券報告書によると2020年12月末時点の筆頭株主は、代表取締役会長谷好通氏が代表を務める、前述の株式会社タニが20.50%保有。次いで、独立系自動車ディーラーグループのVTホールディングス株式会社が20.01%、以下は5%以下の保有で、主要取引先であるENEOSトレーディング株式会社が4.53%、代表取締役社長賀来聡介氏が4.17%と続き、国内外の信託銀行等の信託口なども並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満。

取締役会

取締役は11名(社内7名、社外4名)、うち3名は監査等委員(全員社外)であり、監査等委員会設置会社である。代表取締役以外の社内取締役は、プロパーや、小売企業、鉄道会社などの経歴を持つ役員など様々で、社外取締役には株主でもあるENEOSトレーディングの取締役や、メーカー等の大手企業出身者や公認会計士など様々である。

代表取締役の経歴

代表取締役会長兼CEOの谷好通氏は1952年3月生まれ。ガソリンスタンド勤務などの後、1985年8月株式会社タニを創業。アイ・タック技研株式会社(現同社)代表取締役社長、同社代表取締役社長を経て2019年2月より現職
代表取締役社長兼COOの賀来聡介氏は1971年5月生まれ。東京都立足立高等学校卒業後、1999年2月中外石油株式会社入社。2006年11月アイ・タック技研株式会社入社、常務取締役、取締役副社長などを経て2019年2月より現職

報告セグメント

ケミカル類の卸売を行う「キーパー製品等関連事業」及び直営店運営を行う「キーパーLABO運営事業」の2報告セグメントに大別される。ケミカル類の卸売は、FC店及び直営店を対象としており、これらのうちFC店から支払われる対価がロイヤリティに相当する。2021年6月期第2四半期の売上高6,224百万円の構成比は、キーパー製品等関連事業が3,184百万円で51.1%、キーパーLABO運営事業が3,040百万円で48.8%。セグメント間取引消去前のセグメント利益は、キーパー製品等関連事業が1,250百万円と62.3%、キーパーLABO運営事業が756百万円と37.7%を占める。なお、四半期損益計算書の営業利益は975百万円であった。

事業モデル

自動車のボディに対して、ガラス被膜を施すコーティング「キーパーコーティング」シリーズが主力商品で、年に1回コーティングすることで車にはツヤが出で、シミの防止や水はじきにもなり、洗車が楽になる。コーティングを施すFC店「KeePer PROSHOP」への商材卸売が主力。国内に6千以上の店舗(2021年4月現在)を展開しており、ほとんどがガソリンスタンドによる兼業である。FC店として同社の商材を扱うためには、同社の定める施工技術の水準を満たす必要があり、そのための教育、研修の制度を設けている。主な収益源は、FC店から支払われる商材代金である。製造は国内外のケミカルメーカーへ委託しているので、大まかには商材売上高とメーカーへの製造委託費との差額が主な収益となる。また、前述のように、直営店「KeePer LABO」によるエンドユーザーへのサービス提供も収益源に挙げられる。
事業展開として、新車マーケット用に『EXキーパー』を投入してカーディーラーへ販売する他、自動車メーカーへの営業活動の成果として2020年10月発売開始となった高級ボディ-コーティングがSUBARU車で純正採用され、スバルディーラーにて導入が進む。車以外では、スマートフォン用のコーティングとして、『スマホキーパー』をキーパー施工店やドコモのキャリアショップで販売している。

同社の事業モデル(同社ウェブサイト「株主・投資家情報」>「個人投資家の皆様へ」)

競合他社

以下各社が競合し得る。なお同社の売上高は8,699百万円(2020年6月期)。
8117 中央自動車工業(株) 自動車ディーラーが主要な取引先、売上高25,943百万円(2020年3月期)。
4464 (株)ソフト99コーポレーション 一般向け市販品のカーワックス大手、売上高24,434百万円(2020年3月期)。
(株)カービューティープロ 非上場、売上高非開示。事業モデル、提供商品ともに同社と類似するため、強力な競合相手となり得る。
その他、9832(株)オートバックスセブン、9882(株)イエローハットなどの自動車用品量販大手も、独自のコーティング施工を提供している点で競合たり得る。

連結の範囲

同社は連結の対象となる子会社を持たない。

強み・弱み

昨今の洗車ブーム及びコーティング需要増に加え、SNS等での口コミが追い風となっている。特に高品位かつ独自性の強いコーティング技術は訴求性が高く強み。一方で、後述のようにガソリン価格上昇などの、家計圧迫要因が売上減少の原因となる点が弱み。また、少子化及び若者の車離れによる将来的な自家用車台数の減少は、長期的にはコーティング需要の低迷を招き得る。

KPI

FC店「KeePer PROSHOP」ならびに直営店「KeePer LABO」の店舗数、エンドユーザー顧客単価、施工数などが主なKPIとみられる。
・「KeePer PROSHOP」
店舗数 6千店超(2021年4月現在、前年6月比+2.8%)
平均顧客単価 非開示
月間施工数 非開示
・「KeePer LABO」
店舗数84店(2021年1月現在、前年同月比+5.0%)
平均顧客単価 11,131円(2021年1月、前年同月比+9.1%)
月間施工数 8,188件(2021年1月、前年同月比+38.6%)

業績

2016年6月期から2020年6月期の5期間、ほぼ順調に業績を伸ばし売上高は1.3倍、営業利益は1.6倍となった。ただし2018年6月期は、店舗数増加によって売上は拡大したものの、新規店における回転率の低さやガソリン価格上昇による買い控えを主因に売上高が会社計画に至らなかった為、前期比で増収ながら営業利益は減益。以降は回復し、2期連続で増収増益。2020年6月期は営業収益1,367百万円(前期比+6.2%)、経常利益1,374百万円(+5.5%)であった。直近決算期の自己資本比率は68.2%。恒常的に営業CFはプラス、投資CFは新規出店やリニューアルのためマイナス。なお、直営店の新規出店は原則として土地購入はせず貸借である。