3103 ユニチカの業績について考察してみた

3103 ユニチカの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

沿革

1989年6月、有限責任尼崎紡績会社を創立、翌年綿糸の製造を開始1892年2月大阪株式取引所に上場。1893年7月尼崎紡績株式会社に改組。1918年6月大日本紡績株式会社に、1964年4月ニチボー株式会社に、1969年10月にユニチカ株式会社に商号変更。総合繊維会社から事業多角化した機能素材メーカー

株主構成

有価証券報告書によると2021年9月末時点の筆頭株主は、日本マスタートラスト信託銀行の信託口で保有割合14.81%。以降は保有割合5%未満で国内信託銀行信託口、国内外金融機関、国内生保、ユニチカ従業員持株会、ユニチカ共栄会が並ぶ。外国人株式保有比率は10%以上20%未満

取締役会

取締役は8名(社内5名、社外3名)、監査役は4名(社内2名、社外2名)、監査役会設置会社である。社内取締役は1名が三菱UFJ銀行出身者、残りはプロパーとみられる。

代表取締役の経歴

代表取締役は2名。代表取締役会長の注連浩行氏は1952年2月生まれ。関西学院大学卒業後、1975年4月同社に入社。2003年4月に執行役員、2008年6月より取締役を務める。代表取締役は2014年6月代表取締役社長執行役員として着任、2019年6月より現職を務める
代表取締役社長執行役員の上埜修司氏は1957年12月生まれ。大阪大学大学院を修了後、1983年4月同社に入社。2011年6月に執行役員、2012年6月より取締役を務める。代表取締役は2015年6月代表取締役常務執行役員として着任、2019年6月より現職を務める

報告セグメント

高分子事業、機能素材事業、繊維事業の3報告セグメントと、その他に大別される。2022年3月期第2四半期におけるセグメント別売上構成は下図の通り。営業利益は大半を高分子事業で計上する一方、繊維事業は赤字だった。同社は繊維事業が祖業であるが、同事業の不採算部門の撤退や集約といった構造改革を行っている最中である。現在は、フィルムや樹脂や高分子事業を強化している。

2022年3月期第2四半期決算説明会資料

事業モデル

高分子事業は、フィルム、樹脂の2分野で展開する。食品包装用ナイロンフィルムは世界トップシェアを誇る。日本とインドネシアの2極生産体制。また、ポリエステルフィルムはニッチ技術で特化した用途で製品展開する。樹脂分野は自動車用途をメインにエネルギー関連や航空宇宙分野への拡大を目指し、グローバルニッチ戦略を推進している。巣ごもり需要により食品包装などが好調、樹脂も新型コロナの需要減少から回復がみられる。
機能資材事業では多岐にわたる産業繊維を取り扱う不織布は農業資材や土木資材、自動車部材等に使用される。短繊維不織布のスパンレース100%不織布として国内トップシェアをもつ。タイの生産・販売拠点を中心に海外展開を進め、国内展開も含め高付加価値品へのシフトを進めている。ガラスビーズは路面標示塗料用として国内トップシェア。ガラス繊維は高次生産技術により電子分野、建築分野等に幅広く用いられている。半導体用途が好調に推移する一方、土木用途は需要減少からの回復が遅れている。
繊維事業では衣料素材や産業用素材をはじめ、二次製品の製品販売も行う。生産から販売までグローバル展開をしている。産業用素材としては、土木・建築、水産、衛生・メディカル用途等を展開する。コロナ禍で旺盛な需要があった医療用ガウンや除菌シートの需要が落ち着いてきている。衣料繊維はコロナ禍の影響を引き続き受けている。

競合他社

紡績企業、繊維メーカーの競合として、3101東洋紡(2021年3月期売上高337,406百万円)、3401帝人(2021年3月期売上高836,512百万円)、3402東レ(2021年3月期売上高1,883,600百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

連結子会社は29社。繊維事業を担うユニチカトレーディング株式会社などで構成される。海外現地法人はインドネシア、タイ、米国、中国、ブラジル、ベトナム、ドイツに拠点を持つ。

強み・弱み

多数の国内シェアトップ事業を持つ(下図)ことなどが強み。リスク要因は、原燃料価格や為替の変動、海外拠点を持つ国の地政学リスクなどが挙げられる。

2022年3月期第2四半期決算説明会資料

KPI

また3402東レなど同業他社に比して、利益率の低い繊維事業から非繊維事業への構造改革が遅れた。同社が注力する高分子事業にかかる最終製品の売上動向、シェア、同社売上構成比などがKPIになると考えられる。

業績

売上高は減収傾向で、2016年3月期の146,474百万円から2021年3月期110,375百万円となった。営業利益は2017年3月期の12,538百万円を境に減益が続き、2021年3月期は6,018百万円だった。フリーCFはプラス期がほとんどだが、高分子事業の設備投資を実施した2020年3月期はマイナス。有利子負債の削減に取り組んでおり、自己資本比率は2014年3月期の6.1%から2021年9月末時点では22.0%まで上昇している

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