3103 ユニチカの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

ユニチカの事業概要

同社の起源は1889年の有限責任尼崎紡績会社の創立である。1893年には尼崎紡績(株)に改組し、1918年に摂津紡績を合併し社名を大日本紡績(株)と改めた。1969年、ニチボー、日本レイヨンとの3社合併により同社が発足した。
同社で大量保有報告書提出義務のある株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)であり、7.43%の株式を保有している。
同社の代表取締役社長は上埜修司氏である。同氏は大阪大学を卒業後、1983年ユニチカに入社し、金属繊維開発事業部グループ長、社長室IR広報グループ長、経営企画部長代理、執行役員技術開発本部長兼中央研究所長、取締役執行役員を勤めた人物である。
同社の報告セグメントは高分子、機能資材、繊維の3つに分類され、売上高の構成比率はそれぞれ47%、11%、42%である。同社は繊維事業が祖業であるが、同事業の不採算部門の撤退や集約といった構造改革を行っている最中である。そして現在では、フィルムや樹脂や高分子事業を強化している。
また、2020年の新型コロナ感染拡大により、同社はマスクの素材を扱う企業として注目を集めた。不繊維マスクの関連銘柄としての側面からは、新内外綿や中京医薬品が競合企業だと認識されることもある。そして紡績企業としては帝人や東レ、東洋紡と比較され、合成樹脂フィルムとしては大倉工業などもライバル企業として比較されることがある。

高分子事業

同事業は、フィルムや樹脂の製造および販売を行っている。直近では、この高分子事業がメイン事業となっていた。しかし、2021年3月期の第2四半期決算によれば同事業は新型コロナの悪影響を受けている。自動車関連用途の販売が大きく減少し、食品や液体洗剤の詰め替えなどの一時的な需要増では売上高の低下を補うことができなかった。高分子事業の2021年3月期第2四半期売上高はおよそ202億円(前年同期比▲12.9%)、営業利益は24億円(同▲23.3%)と減収減益となっている。

機能資材事業

同事業は活性炭繊維や高機能多孔板、ガラスクロス、ガラスビーズ、不織布などを取り扱う。医療用ガウンや衛生材向けの販売が伸長しているが、ガラス繊維事業での工業向け需要は減少し、ガラスビーズ事業においても自動車、機械部品関連の需要が減少している。2021年3月期第2四半期における同事業の売上高はおよそ145億円(前年同期比12.8%減)、営業利益は3億円(前年同四半期は3,500万円の損失)となっている。

繊維事業

同事業では糸・綿等の各種繊維の製造・販売を行っている。中でも衣料繊維事業においては、ユニフォーム分野、レディス分野を中心に新型コロナの悪影響を受けている。しかし、医療用ガウン及び防護服用途の販売が伸びており、他のセグメントに比べると業績へのネガティブな影響は小さかった。2021年第2四半期における繊維事業の売上高はおよそ200億円(前年同期比2.0%減)、営業利益は165億円(前年同四半期は7,900万円の損失)となっている。

通期の決算予想では、1,100億円の売上予想に対して、第二四半期の段階で548億円と49.8%
の進捗である。また、営業利益は通期の予想が44億円の予想に対して、第二四半期の段階で27億円と、61.3%の進捗である。
同社のセグメント別営業利益率は、高分子事業が8.05%、機能材事業が7.72%、繊維事業が▲1.16%である(2020年3月期)。このことから、事業ポートフォリオの見直しの必要性を読み取ることができ、繊維事業における従業員削減数、工場閉鎖数が重要な指標の一つとして想定できるだろう。