7483 ドウシシャの業績について考察してみた

7483 ドウシシャの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1974年10月大阪府にて、日用雑貨品を主力商品とした卸売業「同志社」を個人営業として創業。1977年1月株式会社同志社を設立し、生活関連用品の卸売業を開始。1990年10月商号を株式会社ドウシシャに変更。1995年12月大証二部へ上場。2001年3月東証一部・大証一部へ上場。2002年9月より香港に、現在は中国にも検品・運送・貿易業務などの子会社を有する。創業来、生活関連用品の企画・開発・生産及び仕入れ品の卸売販売を営む

株主構成

有価証券報告書によると2021年3月末時点の筆頭株主は、取締役会長野村正治氏の資産管理会社であるエムエス商事株式会社が36.17%を保有。同氏が3.07%を保有しており、併せて39.24%を保有。次いで、株式会社日本カストディ銀行が12.01%を保有し、5%未満の保有においても国内外の信託銀行等の信託口が並ぶ。外国人株式保有比率は20%以上30%未満

取締役会

取締役は8名(社内5名、社外3名)、監査役は4名(社内2名、社外2名)、監査役会設置会社である。取締役会長の野村正治は同社の創業者、取締役兼専務執行役員の阪本路憲氏はプロパー、取締役兼常務執行役員の松本崇裕氏は株式会社大和銀行(現株式会社りそな銀行)の出身者で約42歳当時に同社へ入社。

代表取締役の経歴

代表取締役社長兼CEO兼COOの野村正幸氏は1972年6月生まれ。関西大学を卒業後、1998年1月に同社へ入社。2004年6月に取締役へ就任し、PB本部長やIR広報担当などを経て、2021年4月に現職へ就任。
代表取締役副社長営業統括の金原利根里氏は1952年8月生まれ。1978年2月に9976セキチュー(同社取引先で政策株保有先、群馬県本社でホームセンターを展開)へ入社し、1990年2月に同社へ入社。2018年11月に現職へ就任し、一志商貿(上海)有限公司董事長も兼任。

報告セグメント

「開発型ビジネスモデル」、「卸売型ビジネスモデル」の2報告セグメント及び報告セグメントに含まれていない事業セグメントである「その他」に大別される。2022年3月期第1四半期の売上高25,427百万円の構成比は、開発型ビジネスモデル54.6%、卸売型ビジネスモデル41.8%、その他3.6%である。セグメント利益は、開発型ビジネスモデル1,461百万円、卸売型ビジネスモデル1,239百万円、その他143百万円であり、調整額を差し引くと営業利益は2,480百万円であった。

事業モデル

開発型ビジネスモデルは、ニッチ市場をターゲットとした生活関連商品の企画・開発・生産・販売を中心とする「メーカー機能」のビジネスであり、家電・家庭用品、収納関連、衣料、食品・酒類等がある。開発型ビジネスモデルでは、「新発想の新商品」、「感染防止対策」、「巣ごもり」、「テレワーク」の4つのテーマにおける商品の販売が伸長している。「新発想の新商品」では「猫舌専科タンブラー」や「スマートフライパン(sutto)」等、「感染防止対策」では扇風機・サーキュレーター・加湿器・空気清浄機・除菌消臭器等、「巣ごもり」ではホットプレートやこびりつきにくいフライパン「evercook」等、「テレワーク」ではデスクやデスクチェアーに加え、収納用品「ルミナススチールラック」等が伸長している。

2021年3月期 期末 決算説明会要旨

卸売型ビジネスモデルは、国内外のメーカーから商品を仕入れて販売する「調達・加工機能」のビジネスであり、時計や鞄関連を中心とした海外の「有名ブランド品」と、自社オリジナルのアソートギフトを中心とした「NB加工品」に大別される。マスク・除菌スプレー・衛生用ビニール手袋等のNB加工品が大幅に伸長しているほか、自家消費用ギフトや宅配おせちなども伸長している
同社HP HOME > 事業案内

流通業界においては、人々の生活行動様式や消費行動の変化に伴い、消費者から求められる商品の変化への対応が必要な状況下にある中、同社グループは2022年3月期の経営方針として、「成長し続けるつぶれない会社」を掲げている。

競合他社

7874レック(直近決算期売上高496億円)、8119三栄コーポレーション(直近決算期売上高330億円)、7442中山福(直近決算期売上高478億円)などが競合として挙げられる。

連結の範囲

同社グループは、同社及び子会社19社により構成され、生活関連用品の卸売業を行う。

強み・弱み

開発型、卸売型それぞれの「広い調達力」を強みとしている。同社の得意先は小売業を中心としており、政策保有株の銘柄には8242エイチ・ツー・オー リテイリング、8173上新電機、イオン株式会社、コーナン商事株式会社、8182いなげや、3141ウエルシアホールディングスなど、幅広い小売り業態が並び、取引基盤の広さがうかがえる一方で、国内の消費動向が同社の業績に大きな影響を及ぼすことが予想される。また、仕入の多くが中国や欧州を中心とした海外からの輸入であり、為替レートの急変動による仕入コストの増加なども懸念される。

KPI

商品別の販売実績などがKPIとして考えられるが、開示のある項目として次のものが代替指標として参考となりうる。2022年3月期第1四半期の実績は下記。
①開発型の売上高 13,863百万円 前年同期比+5.9%
②卸売型の売上高 10,641百万円 前年同期比▲10.9%
中国人民元の為替レート推移

業績

売上高は2016年3月期の1,108億円をピークに減少し、2019年3月期と2020年3月期は1,000億円を割り込んだが、2021年3月期は1,012億円と前期比+5.2%の増収となった。経常利益も売上高の変動に伴い減少傾向であったが、2021年3月期に過去最高益を更新して9,522百万円となった。直近期は、マスクや除菌スプレー、衛生用ビニール手袋などの衛生関連商品をタイムリーに供給してきたこともあり、売上・利益面ともに前期比で伸長している。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは恒常的にマイナス。2022年3月期第1四半期の自己資本比率は79.8%。