5955 ヤマシナの業績について考察してみた

5955 ヤマシナの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1917年9月に株式会社山科精工所を設立し、ねじ(鋲螺)の製造販売を開始。1954年4月に精密ねじの生産を開始。1962年9月に現東証二部に上場。2000年11月に株式会社ヤマシナに商号変更。2001年8月に東証二部に上場。本社は京都府。自動車・電機メーカー向けに主にねじの製造販売を行う

株主構成

2021年3月期有価証券報告書よると2021年3月末時点の大株主は、筆頭株主が同社のその他関連会社である7593VTホールディングスで34.3%、次いで2788アップルインターナショナルの創業者で個人投資家の久保和貴氏が5.1%で続き、以降は保有割合5%未満で株式会社前島電気工業社、有限会社久和インベストメント、株式会社A.I.S建築設計、有限会社和久インベストメントと続く。そのほかには主に個人投資家が並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は7名(社内5名、社外2名)、うち監査等委員3名 (社内1名、社外2名)、監査等委員会設置会社である。社内取締役は全員プロパーとみられ、それぞれがマーケティング本部、管理本部、生産本部、監査等委員に従事する。また、補欠監査等委員として取締役の豊田幸宣氏が並ぶ。

代表取締役の経歴

代表取締役 取締役社長の堀直樹氏は1964年3月生まれ株式会社ホンダベルノ(現VTホールディングス株式会社)に入社し、2004年8月に代表取締役社長へ就任。株式会社ホンダカーズ東海の代表取締役副社長を経て、2007年5月に同社顧問に就任。同年6月に現職に就任した。同社の非連結子会社である株式会社Y’sアセットマネジメントの代表取締役社長を兼任する。

報告セグメント

「金属製品事業」、「電線・ケーブル事業」、「不動産事業」、「化成品事業」の4セグメントに大別される。報告セグメントに含まれない事業である「その他」には、売電事業が含まれる。2021年3月期の売上高は9,332百万円で、金属製品事業が6,481百万円で69.4%、電線・ケーブル事業が1,173百万円で12.6%、不動産事業が244百万円で2.6%、化成品事業が1,386百万円で14.9%、その他が46百万円で0.5%を占める。
セグメント利益のうち、6割が金属製品事業で創出される。利益率は金属製品事業と化成品事業が1桁台中盤から後半、電線・ケーブル事業がマイナスから1桁台前半、不動産事業は50%台を推移する。
海外売上高比率は2021年3月期で10.1%。アジアでの売上高が9.8%を占め、残りをその他地域が占める。

事業モデル

主力の金属製品事業では自動車や産業機器・精密機器、建材向けのねじや精密ばね、関連品の製造販売を行う。製品の提供だけではなく、取引先の製品開発段階から共同して技術開発を進めることでマーケティング機会の創出を狙う。
電線・ケーブル事業では、バーコードリーダー用等の産業機器向けから光通信やLAN用等の通信向け、自動車ヘッドランプ用ハーネス等の輸送用、音響機器向けまで幅広い種類の電線・ケーブルを製造販売する。金属製品事業の製造拠点は国内とタイにあり、電線・ケーブル事業は国内と中国にある。
同社では不動産の賃貸を行う不動産事業と売電事業も手掛ける。売電事業では保有不動産に限定してソーラーパネルを設置することで、事業リスクの抑制を図る。化成品事業については連結子会社で発泡・強化プラスチック等の化成品素材の加工販売を行う

競合他社

大手工業用ねじメーカーの5957日東精工 (2020年12月期売上高32,904百万円)、建築用ボトルの専業メーカーである5971共和工業所(2021年4月期売上高8,080百万円)が競合として挙げられる。

連結の範囲

連結子会社7社と非連結子会社2社を持つ。主要な連結子会社には金属製品事業を担う株式会社LADVIKと電線・ケーブル事業を担う三陽工業株式会社が挙げられ、それぞれ連結売上高に占める売上高の割合が10%を超える。

強み・弱み

強みとして高い製造技術が挙げられる。老舗ねじメーカーとして約1世紀にわたる歴史を持つ同社は、規格品から取引先に応じたオーダーメイド品まで幅広い製品ラインナップを誇る。2017年には電食を防ぐ炭素繊維のボルトとナットを世界で初めて開発するなど、軽量化や工程削減等の顧客ニーズに合わせて、様々な素材から製品開発を積極的に実施する。
懸念点は、主要取引先である自動車業界での景気悪化に伴う売上高への影響が挙げられる。

KPI

KPIには①売上高営業利益率、②セグメント別売上高構成比率が挙げられる
①売上高営業利益率:5.5%(2021年3月期)
②セグメント別売上高構成比率(同)

第146期 報告書

業績

売上高は2017年3月期から2020年3月期までの3年間で約1.1倍へと緩やかに増加していたが、2021年3月期は▲2.0%の減少。新型コロナ流行に伴い自動車関連業界の需要落ち込みを受けて、金属製品事業と電線・ケーブル事業での受注が低迷した 。経常利益は2018年3月期の516百万円をピークに2期連続で減少したが、2021年3月期は化成品事業の受注が増加した影響で512百万円まで回復した。。フリーCFは2019年3月期を除いてプラス。2019年3月期は不動産事業での保有不動産購入に伴い、マイナスとなった。自己資本比率は60%台後半を推移する