6089 ウィルグループの業績について考察してみた

6089 ウィルグループの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1997年1月株式会社セントメディアを設立し、テレマーケティング業を開始。1997年8月引越やイベント会場の設営等、軽作業の短期請負を主業務として、株式会社ビッグエイドを設立。2000年2月株式会社セントメディアが株式会社ビッグエイドを吸収合併し、ファクトリーアウトソーシング事業を開始。2006年4月株式会社セントメディアと株式会社グローリアスが共同株式移転を行い、株式会社ウィルホールディングス(現 同社)を設立。2012年6月株式会社ウィルホールディングスから株式会社ウィルグループへ商号変更。2013年12月東証二部に上場。2014年12月東証券一部に指定。人材派遣や業務請負、人材紹介を主とする人材ビジネスを行う。

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の筆頭株主は、代表取締役会長の池田良介氏で18.64%を保有。同氏の資産管理会社である株式会社池田企画事務所が7.57%を保有し、併せて26.21%を保有。次いで、代表取締役社長の大原茂氏が7.45%を保有。そのほかに、信託銀行、ウィルグループ従業員持株会、個人投資家などが並ぶ。外国人株式保有比率は 10%以上20%未満。

取締役会

取締役は5名(社内3名、社外2名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。社内取締役の告野崇氏は、大和団地株式会社(現大和ハウス工業株式会社)で5年間の経歴を有する中途入社。

代表取締役の経歴

代表取締役会長の池田良介氏は1968年12月生まれ。1992年4月孝岡会計事務所に入所。1995年9月株式会社エイブル入社を経て、1997年10月同社の前身である株式会社ビッグエイドへ入社。2016年6月に現職へ就任。WILL GROUP Asia Pacific Pte. Ltd. のDirector、株式会社識学の社外取締役、株式会社グラフィコの社外取締役を兼任。
代表取締役社長の大原茂氏は1968年8月生まれ。京都産業大学を卒業後、株式会社長谷工コーポレーションに入社。1996年1月にシーガルコーポレーションを創業。2000年2月に株式会社セントメディア(現株式会社ウィルオブ・ワーク)の取締役へ就任し、2016年6月に現職へ就任。株式会社ネットジンザイバンク(現フォースタートアップス株式会社)の取締役など、他にも数社の役員を兼任。

報告セグメント

「国内WORK事業」、「海外WORK事業」の2報告セグメントに大別される。2021年3月期の売上収益の構成比は、国内WORK事業68.4%、海外WORK事業31.6%で、その他収益やIFRS調整額を加味すると連結財務諸表計上額は118,249百万円であった。セグメント利益は、国内WORK事業4,253百万円、海外WORK事業1,106百万円であり、調整額等を差し引くと営業利益は4,030百万円であった。

事業モデル

国内WORK事業は、国内における販売、コールセンター、工場、介護施設等のカテゴリに特化した人材派遣・人材紹介・業務請負及び連結子会社であるフォースタートアップス株式会社が展開するスタートアップ企業向けの人材支援サービス等を行う。カテゴリごとに、「セールスアウトソーシング」、「コールセンターアウトソーシング」、「ファクトリーアウトソーシング」、「介護ビジネス支援」、「スタートアップ人材支援」、「その他」に区分している
セールスアウトソーシングは、家電量販店等における販売業務を通して、顧客の商品・サービスの拡大の支援、大手IT関連企業の各種キャンペーンの企画・運営を中心に行っている。家電量販店等における販売支援では、スマートフォン等のモバイルデバイスが中心であり、接客、商品説明、申込み等の販売業務や販売スタッフのマネジメント、販売情報の収集・報告等の業務に従事するスタッフをチーム型で派遣(ハイブリッド派遣)、人材派遣又は業務請負、販促イベントやキャンペーンのプロモーションを行っている。
コールセンターアウトソーシングは、コールセンターを運営する企業やテレマーケティングサービスを展開する企業において、顧客とエンドユーザーの信頼関係を構築することを支援するサービスを提供している。また、オフィス等への事務職等の人材派遣、紹介事業を行っている。コールセンターの中でも、通信会社、BPO、金融機関向けを中心としている。
ファクトリーアウトソーシングは、食品、電気機器、電子機器、輸送用機器、化学・薬品、金属等の製造業の生産過程において、技術や人材管理ノウハウを提供し、顧客の生産性の向上を実現するサービスを提供している。製造業の中でも、比較的景気に左右されにくい食品製造業を中心としている。
介護ビジネス支援は、介護施設を運営する企業に対して、介護スタッフを派遣又は人材紹介を行い、介護施設の安定運営を実現するサービスを提供している。
タートアップ人材支援は、HR(Human Resources)を中核とした成長産業支援事業を行っている。
その他は、建設技術者の派遣・紹介、教育現場へのALT(外国語指導助手)の派遣、保育士の派遣・紹介、システムエンジニアの派遣・紹介等を行っている。
海外WORK事業は、ASEANやオセアニア地域において、人材派遣、人材紹介などの人材サービスを行っている。また、HRTech分野の人材サービス、外国人ライフサポートサービス、ITエンジニア/クリエイター向け賃貸住宅(TECH RESIDENCE)事業等を行っている。
国内では構造的な人手不足における人材需要の高まりに変化はないものの、新型コロナウイルス感染症拡大は収束しておらず、国内経済、世界経済の停滞等、依然として景気の先行きは不透明な状況にある。このような経営環境の下、同社グループは持続的な成長の実現に向け、2023年3月期を最終年度とする中期経営計画「WILL-being 2023」を策定している。

競合他社

2462ライク(直近決算期売上高510億円)、4433ヒトコミュニケーションズホールディングス(直近決算期売上高714億円)など、人材派遣会社は他にも多数存在する。

連結の範囲

同社グループは、同社及び連結子会社46社(国内15社、海外31社)、持分法適用会社1社で構成され、人材派遣、業務請負、人材紹介を主とする人材ビジネスを行う。

強み・弱み

同社の社員と派遣スタッフがチームとなって派遣先で共に働く「ハイブリッド派遣」や、スペシャリストとして質の高いサービスを提供する「カテゴリ特化型人材派遣」といった独自のサービスが強み。国内WORK事業における主要な3領域の人材サービス(セールスアウトソーシング領域、コールセンターアウトソーシング領域、ファクトリーアウトソーシング領域)の売上高が44.3%を占めており(2021年3月期)、主要な3領域への売上高の依存が高い点が課題。

KPI

下記のようなものがKPIとして考えられる。状況は決算説明会資料に開示されている。
①建設領域の外部環境
②建設技術者派遣事業の状況
③介護領域の外部環境
④介護領域の状況

業績

2018年3月期から2021年3月期までの4期をみると、売上収益は79,273百万円から118,249百万円、税引前利益は2,510百万円から3,788 百万円と増収増益。構造的な人手不足による人材需要の高まりが要因とみられる。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは恒常的にマイナス。2021年3月期の親会社所有者帰属持分比率は17.6%。