5741 UACJの業績について考察してみた

5741 UACJの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2013年10月、住友軽金属工業株式会社と経営統合し、株式会社UACJとなった。横浜電線製造株式会社(現:古河電気工業株式会社)が、1910年にアルミニウム電線の研究を始めたことがUACJの起源。1964年12月、昭和電工株式会社、八幡製鐵株式会社(現:日本製鉄株式会社、米カイザーアルミナムとの合弁により設立された、スカイアルミニウム株式会社が現在の同社の母体。1993年10月には古河アルミニウム工業株式会社を吸収合併するなど、アルミニウムの圧延メーカーとして発展。2003年10月には古河電気工業株式会社が分割した軽金属事業部門を継承し、古河スカイ株式会社となる。2005年12月、東証一部に上場。現社名は「ユナイテッド・アルミニウム・カンパニー・オブ・ジャパン」の頭文字に由来する。国内首位・世界3位のアルミニウムメーカーで、アルミニウム等の非金属やその合金の圧延製品・鋳物製品・鍛造製品、加工品の製造販売を行う。

株主構成

有価証券報告書によると2021年3月末時点の大株主は、5801古河電気工業が24.9%、5401日本製鉄が7.7%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)が5.5%となっている。以下は国内外の信託銀行等の金融機関の信託口などが中心である。外国人株式保有比率は20%以上30%未満

取締役会

取締役は10名(社内6名、社外4名)、監査役は6名(社内2名、社外4名社外、内2名は常勤)、監査役会設置会社である。社内取締役は、古河電気工業株式会社、住友軽金属工業株式会社出身者で構成されている。

代表取締役の経歴

代表取締役社長 社長執行役員の石原美幸氏は1957年7月生まれ。名古屋大学工学部を卒業後、住友軽金属工業株式会社に入社。2012年10月に住友軽金属工業株式会社執行役員。2013年10月には、経営統合によって設立されたUACJの執行役員となる。2015年6月の取締役兼執行役員、2017年4月の取締役兼常務執行役員就任を経て、2018年4月には取締役。名古屋・福井の製造所長や生産本部長などを歴任2018年6月より、現職である代表取締役社長 社長執行役員に就任した

報告セグメント

「アルミ圧延品事業」、「加工品・関連事業」の2報告セグメントに大別され、2021年3月期の売上高569,756百万円の構成比はアルミ圧延品事業73.8%加工品・関連事業26.2%である。調整前のセグメント別損益としては、アルミ圧延品事業が17,150百万円の利益を計上する一方、加工品・関連事業が569百万円の損失を計上した。地域別の売上高は日本50%、アメリカ29%、その他21%

事業モデル

「アルミ圧延品事業」では、アルミニウムやその合金の圧延製品、箔製品、押出製品などの製造・販売を行っている。アルミニウム製品の利用用途は幅広く、身近な飲料缶をはじめ、自動車や航空機、エレクトロニクス分野、熱交換器向けなど、多数のアルミニウム製品を手掛けている。国内トップクラスのアルミニウム研究・生産体制を擁しており、アルミニウム圧延品生産量は国内首位を誇る。板事業、押出事業、箔事業、鋳鍛事業、原材料供給など、事業別で傘下に複数の国内外関連会社を抱える。
「加工品・関連事業」では、自動車部品などの加工製品の製造・販売に加え、事業に関連する土木工事や貨物運送・荷扱などを担っている。自動車部品事業、金属加工事業、流通・その他の3分類で各分類傘下に国内外の関連会社を抱える。

同社HP TOP >ホーム >企業情報 >会社概要 >事業概要

競合他社

アルミニウム関連事業を展開する国内上場企業としては、5702 大紀アルミニウム工業所(2021年3月期売上高139,194百万円)や、5703日本軽金属ホールディングス(2021年3月期売上高432,568百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

同社グループは、同社及び子会社60社、関連会社10社で構成されている。海外では、タイやアメリカなどにアルミ圧延品事業の主要子会社を持つ。また、国内の主要子会社としては押出事業を手掛ける株式会社UACJ押出加工や、箔事業を手掛ける株式会社UACJ製箔加工品・関連事業の株式会社UACJトレーディングなどがある。

強み・弱み

100年以上の歴史を持つ総合アルミニウムメーカーとして、国内首位・世界3位と高い市場シェアを有している点が最大の強み。半面、アルミニウム地金価格や添加金属原料などの市況により、調達コストが変動するリスクを抱えている。

KPI

2021年3月期の主要KPIは以下のとおり。
①売上高569,756百万円(前年同期比▲45,394百万円)
②経常利益5,958百万円(前年同期比+2,170百万円)
③アルミ圧延品事業売上高477,780百万円(前年同期比▲26,027百万円)
④加工品・関連事業売上高165,122百万円(前年同期比▲23,650百万円)

2021年3月期決算説明会資料

業績

2017年3月期から2021年3月期までの過去5期分の経営状況をみると、売上高は600,000百万円前後で推移している。経常利益は減少傾向であるものの、2021年3月期は前期比57%増となる5,958百万円の利益を計上した。営業CFはプラスで、投資CFはマイナス傾向。財務CFは借入金の返済が進み、2期連続のマイナスとなっている。2021年3月期の自己資本比率は25.0%であった。