2664 カワチ薬品の業績について考察してみた

2664 カワチ薬品の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

創業者である河内良三郎氏が医薬品等の小売業を目的として栃木県に創業した「河内薬品」を、1967年4月に有限会社河内薬品として設立。1980年7月にカワチ薬品株式会社に改組。1996年10月に調剤事業(処方箋薬品の提供)を開始。2000年9月に東証JASDAQに上場。2002年12月に東証一部に上場。本社は栃木県。北関東や東北を中心にドラッグストアを展開する

株主構成

2021年3月期有価証券報告書よると2021年3月15日時点の筆頭株主は、公益財団法人河内奨学財団で11.6%、次いで代表取締役社長の河内伸二氏が10.9%、創業家一族とみられる河内一真氏が10.2%、同じく創業家一族とみられる河内博子氏が5.9%を保有。以下は5%未満の保有で、日本マスタートラスト信託銀行株式会社の信託口、創業家一族とみられる河内タカ氏が3.1%等、などが並ぶ。外国人株式保有比率は10%以上20%未満

取締役会

取締役は5名(社内3名、社外2名)、監査役3名 (社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。社内取締役は全員プロパーで、店舗運営部や管理部で長年に渡ってキャリアを積んだ役員が揃う。常勤監査役の田村好夫氏はプロパー入社で2011年2月に退社後、2013年6月に現職に就任した。

代表取締役の経歴

代表取締役社社長の河内伸二氏は1957年3月生まれ。東京薬科大学を卒業後、1983年5月に同社に入社。1991年5月に取締役、1999年6月に専務取締役、2002年6月に現職に就任した。創業者である河内良三郎氏の娘婿で二代目社長とみられる。

報告セグメント

「医薬品、化粧品、雑貨及び一般食品等の販売をする小売業」の単一セグメントである。取扱商品区分は「医薬品部門」、「化粧品部門」、「雑貨部門」、「一般食品部門」に区分され、その他の収入として不動産賃貸収入等が挙げられる。2021年3月期の売上高は284,492百万円で、医薬品部門が50,958百万円で17.9%、化粧品部門が20,680百万円で7.3%、雑貨部門が79,613百万円で28.0%、食品部門が132,338百万円で46.5%、その他が901百万円で0.3%を占める。経常利益は11,581百万円で、部門ごとの利益率は公表されていない。

事業モデル

北関東・東北地方の郊外を中心に調剤薬局併設型ドラッグストアを展開し、処方箋を含む医薬品、化粧品、雑貨及び食品の販売を行う。売場面積が400坪以上の調剤薬局併設型メガ・ドラッグストアを日本で初めて手掛けており、ドラッグストア平均売場面積の約240㎡と比べて2~4倍以上の面積を誇る。広い駐車スペースを設け、主要道路沿いに出店することで利便性に追求した店舗展開を狙う。
全国で346店舗展開(2021年3月期)しており、2024年3月期で400店舗以上の展開を目指す
併設の調剤薬局では患者や病院からアプリやFAXを通して処方箋を受け取り、来店時には処方薬をスムーズに渡せる体制を整備する。
敷地内に病院や食品スーパーを誘致し、テナント収入獲得を目的とした不動産賃貸事業も展開。出店数拡大と利便性向上を図る。
国内のドラッグストア業界は出店競争の加速により、狭商圏化が進む。同社は売場面積の広さを活かした幅広い商品ラインナップや異業種の敷地内誘致を行うことで差別化を進める。

競合他社

大手ドラッグチェーン3098株式会社ココカラファイン(2021年3月期売上高366,440百万円)、関東近郊が地盤のドラッグチェーン3148株式会社クリエイトSDホールディングス(2021年5月期売上高338,476百万円)、北陸地方が地盤のドラッグチェーン3549株式会社クスリのアオキホールディングス(同305,880百万円)が競合として挙げられる。

連結の範囲

連結子会社は青森県が地盤のドラッグチェーンである株式会社横浜ファーマシーの1社で、2013年に東北地方での事業拡大を目的に連結化

強み・弱み

強みとして利便性の高い店舗設計が挙げられる。同社が展開する店舗は敷地面積が400㎡以上のメガ・ドラッグストアであり、他社と比べて2~4倍の敷地面積を利用して雑貨や食品等の幅広い商品ラインナップが特徴。調剤薬局を併設することで、一か所で医薬品から生活用品まで全て揃えることができる。近年では省人化に注力しており、セルフレジや自動発注システム等の導入により人件費の削減に取り組む。
懸念点としては、競合のドラッグストアやコンビニ、ホームセンター等の出店攻勢による出店ペースの減少リスクや既存店売上高への影響が挙げられる。

KPI

KPIには①店舗数と②が挙げられる
①店舗数:346店舗(2021年3月期)
②部門別売上高推移(同)

2021年3月期 決算発表会資料

2021年3月期 決算発表会資料

業績

売上高は必ずしも連続増収ではないが、中長期的にみて緩やかな増収傾向にあり、2017年3月期から2021年3月期の5期間では2,664億円から2,844億円へ推移した。2021年3月期は新型コロナ流行の影響を受けて、予防関連商品に加えておうち時間の拡大により生活必需品や内食関連商品の売上が伸び、前期比+5.2%の増収であった。経常利益は出店費用の増加や店舗収益力の低下などの影響もあり、2012年に3月期に105億円をつけて以降、50億円を下回る期もあったが、2021年3月期には粗利率の高い予防関連商品の売上増加や広告宣伝費の削減を受けて115億円へ回復した。営業CFはプラスを推移。投資CFと財務CFはマイナスを推移する。自己資本比率は2021年3月期で51.9%。前期の50.3%から改善した