7715 長野計器の業績について考察してみた

7715 長野計器の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1948年12月、株式会社東京計器製作所を清算会社として、株式会社東京計器製造所と同社の起源となる株式会社長野計器製作所とに分離。1997年7月に長野計器株式会社へ商号変更。2003年4月、株式会社フクダの全株式を取得し、流量制御機器の製造に進出。以降、M&Aにより圧力センサ、計測制御機器、圧力標準器、ダイカスト等の関連機器・技術の分野を強化。2006年5月、米国Ashcroft Holdings, Inc. をM&Aで子会社化し(現Ashcroft-Nagano Keiki Holdings, Inc.)、圧力計及び圧力センサの世界事業展開を促進。1998年12月に日本証券業協会へ株式店頭登録、2004年12月ジャスダック上場。2005年2月に東証二部上場、2007年4月には同一部へ市場変更 。産業機械・プロセス向け・FA空圧向けの圧力計及びその周辺機器ので世界シェア首位のメーカー

株主構成

有価証券報告書によると、2021年3月末時点における筆頭株主は産業ガスメーカーのエア・ウォーター株式会社で7.30%保有。次いで取引先持株会が6.97%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社信託口が5.09%保有。以下は5%未満の保有率で、八十二銀行やそのグループ金融機関、日本酸素ホールディングス株式会社、日本電産サンキョー株式会社2.71%などが続く。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は11名(社内9名、社外2名)、監査役は4名(うち2名は社内で常勤、他2名は社外で非常勤)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役7名のうち6名はプロパー。他は、株式会社八十二銀行出身者。社外取締役には、元官僚ならびに政治家が就任。

代表取締役の経歴

代表取締役は2名。代表取締役会長の依田恵夫氏は1946年10月生まれ。高等学校卒業後、1965年4月に入社。常務取締役、代表取締役社長などを歴任後、2018年6月より現職
代表取締役社長の佐藤正継氏は1954年5月生まれ。高等学校卒業後、1973年4月に入社。執行役員、取締役などを経て2018年6月より現職

報告セグメント

「圧力計」、「圧力センサ」、「計測制御機器」、「ダイカスト」の4セグメントで構成される。2021年3月期の売上高44,805百万円の構成比は、圧力計が48.6%、圧力センサが30.1%、計測制御機器が9.9%、ダイカストが7.9%、その他が3.5%であった。また、同期のセグメント利益1,434百万円の構成比は、圧力計が43.9%、圧力センサが23.4%、計測制御機器が24.6%、ダイカストが1.4%、その他が6.7%であった。圧力計関係が主力製品であり、圧力センサと合わせると約70%を占める。

事業モデル

部品メーカーのため取引形態はBtoBが主体であり、主な顧客は各種メーカーである。「一芸を極めて世界に挑戦」との企業理念のもと、圧力計及びその周辺機器に特化した事業を展開している。主力製品である圧力計の業種別売上高は、産業機械・プロセス向けが50%以上で、次いでFA空圧向けが約25%と、この2業界向けで圧力計全体の約80%に及ぶ。他は、空調管材向け、半導体向け、電子製品向けである。圧力センサは産業機械・設備向け、量産・建設機械向け、半導体向けなどが主な用途となる。また、計測制御機器には、空気圧機器、エアリークテスター、圧力試験器、流量計などが含まれる。
地域別売上比率は、国内が51.9%、米国が21.2%、アジアが15.5%、欧州が9.1%、その他が2.2%と、海外における売上高が約48%に及ぶ。

公式ウェブサイト内「株主・投資家向け情報」>「IRレポート」>「第99期株主通信」pp.05-06

競合他社

圧力計では世界シェア首位であり、この点で競合する他社は存在しないが、創業時に分離した(株)東京計器製造所(現7721 東京計器(株))は空気圧機器及び流量計などで競合し得る。売上高42,081百万円(2021年3月期)。また、流量計では首位の7727 (株)オーバルも、当該分野では競合する。売上高10,341百万円(2021年3月期)。

連結の範囲

同社グループは、同社、子会社34社(うち連結子会社33社)、関連会社10社(うち持分法適用会社7社)で構成される。連結子会社のうち、米国における圧力計の製造・販売を担当するAshcroft-Nagano Keiki Holdings, Inc. の売上高の連結売上高に占める割合は10%を超える(23.8%)

強み・弱み

主力製品の圧力計に関して、グローバル市場において高いシェアを誇る点が強み。一方、海外比率の高さは地政学的リスクを負うことになる。また、海外製品と競合することになるので、厳しい価格競争にさらされる。

KPI

受注実績などが主要なKPIとみられる。

有価証券報告書の記載よりPERAGARU_BLOG作成

業績

売上高、経常利益ともに減少傾向にある。2021年3月期は、売上高44,805百万円(前期比▲8.7%)、営業利益1,442百万円(前期比▲37.5%)、経常利益1,512百万円(前期比▲33.0%)であった。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは恒常的にマイナス。直近決算期の自己資本比率は49.0%。