6118 アイダエンジニアリングの業績について考察してみた

6118 アイダエンジニアリングの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1917年3月にプレス機械製造を業とする個人経営の会田鉄工所(東京墨田区)を創業、1937年3月に株式会社会田鉄工所に改組、1959年11月に神奈川県相模原市に工場(現本社・相模工場)を新設、1962年6月に東京証券取引所第二部に上場、1969年9月に大阪証券取引所第二部に上場、1970年7月に商号をアイダエンジニアリング株式会社に変更、1971年8月に東京・大阪証券取引所第一部に昇格した。その後、海外展開やM&Aを推進して業容を拡大している。プレス機械を中心に展開する大手金属加工機械メーカーである。

株主構成

有価証券報告書によると、2021年3月31日現在の筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)で自己株式除く発行済株式総数に対する所有割合は7.65%、ty次いで第一生命保険株式会社が同6.33%、株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が同5.48%である。2021年7月12日更新のコーポレート・ガバンス報告書によると外国人株式保有比率は20%以上30%未満

取締役会

取締役は7名(社内4名、独立役員の社外3名)、監査役は3名(全員社外、独立役員)、監査役会設置会社である。社外取締役の五味廣文氏は大蔵省(現財務省)出身で金融庁長官等を歴任し、青山学院大学特別招聘教授とボストンコンサルティンググループシニア・アドバイザーを兼任。望月幹夫氏は石川播磨重工業株式会社(現株式会社IHI)取締役常務執行役員等を歴任し、IHI顧問を兼任。井口功氏は三菱電機株式会社専務執行役等を歴任し、三菱電機シニアアドバイザーを兼任。常勤監査役の松本誠郎氏は株式会社みずほコーポレート銀行(現株式会社みずほ銀行)常勤監査役等を歴任、監査役の近藤総一氏は第一生命ホールディングス株式会社取締役(常勤監査委員)を兼任、片山典之氏は弁護士(シティユーワ法律事務所パートナー)で、ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社監査役や株式会社リブセンス社外監査役等を兼任している。

代表取締役の経歴

代表取締役会長兼社長の会田仁一氏は1951年12月生まれ。1976年12月同社入社、同社取締役等を経て、1989年9月同社代表取締役に就任(現任)、1992年4月同社取締役社長に就任(現任)、2001年4月同社最高経営責任者(CEO)に就任(現任)、2018年6月同社取締役会長に就任(現任)した。創業一族とみられる。
代表取締役の鈴木利彦氏は1961年8月生まれ。2011年12月同社入社、同社専務執行役員等を経て、2020年4月同社代表取締役・副社長執行役員事業執行責任者(COO)に就任(現任)した。

報告セグメント

地域別の日本、中国、アジア、米州、欧州の5セグメントとしている。2021年3月期の構成比は売上高が日本46.9%、中国11.1%、アジア8.2%、米州17.6%、欧州16.2%、営業利益が日本85.1%、中国▲8.9%、アジア16.1%、米州13.8%、欧州▲2.2%、調整額▲4.0%だった。日本が収益柱である。

事業モデル

金属加工機械のうちプレス機械を主力とした成型システムを開発・製造する。プレス機械は、自動車の車体などをつくるために必要な機会で、自動車メーカーや家電メーカーなどを顧客とする。鍛圧機械、並びに付帯するプレス加工自動化のための各種自動装置、産業用ロボット、金型等の製造・販売並びにサービスを展開している。
生産拠点は国内の本社・相模事業所(神奈川県相模原市)、津久井事業所(神奈川県相模原市)、下九沢事業所(神奈川県相模原市)、白山事業所(石川県白山市)、子会社の株式会社REJ、およびマレーシア、中国、米国、イタリアに展開している。

競合他社

プレス機械を含む産業機械業界は多くの企業が得意分野において受注確保に努めている。プレス機械の専業メーカーとしては世界第2位の売上高を誇り、同分野で高い市場シェアを確保している。プレス機械の有力企業には、世界首位のドイツのSCHULERの他、国内では栗本鐵工所(5602)、旭精機工業(6111)、アマダ(6113)、コマツ(6301)、住友重機械工業(6302)、北川精機(6327)、日立造船(7004)などがある。

連結の範囲

2021年3月期末時点でグループは、同社および連結子会社23社の合計24社で構成されている。

強み・弱み

創業100年以来、培ってきた精密加工・モノづくり技術をベースに、業界トップの開発力・品質力を強みとして顧客から高い信頼を得ている。複数の出願特許を有し、1968年に国産初の工業用ロボットをつくった実績も有する。世界各国に直轄の営業サービス拠点を擁し、世界60カ国以上への納入実績を持つ幅広い事業基盤と実績が強みである一方で、為替リスクや地政学リスクは懸念点である。また、売上の約6割~7割を自動車産業向けが占めるため、リスク要因として自動車業界の設備投資動向が同社の受注に大きな影響を与える。

KPI

2021年3月期のプレス機械の受注高は2020年3月期比13.7%減の36,223百万円だった。コロナ禍の影響で主力の自動車関連が18.7%減の24,822百万円と落ち込んだ。ただし第2四半期以降は回復傾向としている。

業績

過去5期間(2017年3月期~2021年3月期)の連結業績の推移を見ると、受注変動に伴って売上高が変動している。売上高は2017年3月期の67,547百万円から2019年3月期の84,082百万円まで拡大したが、その後は2021年3月期にはコロナ禍で58,099百万円まで落ち込んだ。また経常利益は、2017年3月期の6,775百万円から2021年3月期の3,748百万円まで落ち込んだ。受注変動の影響に加えて、収益性が低下傾向となっている。
なお同社は、中期経営計画の最終年度2023年3月期の目標値を2021年5月に上方修正して、売上高が700億円(従来目標は660億円)、営業利益が63億円(同58億円)としている。EV向けを中心に自動車産業の設備投資が持ち直してプレス機械の需要が回復し、製造業の生産活動活発化でサービス需要も回復する見込みとしている。

中期経営計画 計画値修正(2021年5月公表ベース)

自己資本比率は2020年3月期、2021年3月期に70%台まで上昇した。営業キャッシュ・フローはコロナ禍でもプラスで推移している。財務の健全性は良好と言えるだろう。