6255 エヌ・ピー・シーの業績について考察してみた

6255 エヌ・ピー・シーの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1992年12月東京都にて真空包装機の製造販売を目的として株式会社エヌ・ピー・シー設立。太陽電池業界に、1994年9月から真空ラミネーターを1998年5月にはFA装置を販売開始。2007年6月東証マザーズに上場。現在も太陽光業界中心に装置関連の製造販売や関連事業を行う。

同社HP HOME>当社の強み

株主構成

有価証券報告書によると2021年2月末の筆頭株主は、日本カストディ銀行の信託口で保有割合7.08%。次いで同社代表取締役の伊藤雅文氏6.01%、同社元代表取締役隣良郎氏5.07%で続き、以降は保有割合5%未満で国内証券会社、信託銀行信託口、三菱UFJ銀行、同社取締役、個人投資家が並ぶ。尚、外国人株式保有比率は10%未満である。また変更報告書によると、みずほ証券と共同保有者が7.70%保有であることが報告されている。

取締役会

取締役は5名(社内3名、社外2名)、監査役は3名(社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。社内取締役はイトマン(現9810日鉄物産)およびその系列企業、7261マツダ、有限会社アサヒ技研等を経て入社している。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の伊藤雅文氏は1962年10月生まれ。大阪府立大学卒業後、1986年4月伊藤萬株式会社(現在の9810日鉄物産)入社。イトマン事件を契機に前代表取締役隣氏らとともに日本ポリセロ工業に入社。1992年12月日本ポリセロ工業の事業を引き継ぐ形で同社設立、入社した。主に太陽電池関連本部にて要職を歴任後、2011年11月現職に就任した。

報告セグメント

「装置関連事業」と「環境関連事業」の2報告セグメントに大別される。2021年8月期第2四半期連結売上高2,714百万円の構成比は装置関連事業93.6%、環境関連装置事業が6.4%。全社費用を除くセグメント利益もほぼ同様の構成。装置関連事売上高のうち、太陽電池製造装置が7割程度を占めるほか、FA装置、部品で構成される。環境関連事業の売上高はパネル解体装置がおよそ5割、ほか太陽光発電所の検査サービス、パネルリユースリサイクルで構成されている。

事業モデル

装置関連事業は太陽電池製造装置が主力。太陽電池セルをつなぎ合わせてパネルにする「後工程」と呼ばれる分野の製造装置に特化する主要顧客はNASDAQ上場企業のFIRST SOLAR社。販売先業界は太陽電池業界の他、培った技術を活用し自動車、フィルム、食品、物流などに拡大している。米国太陽電池関連市場は政策の後押し等もあり、2020年の太陽光発電設備の新規設置量が過去最大となるなど順調に拡大。その他装置についてはコロナ禍において設備投資は低調も、電子部品業界等好調な業界でのニーズは堅調とみられる。
環境関連事業は太陽光発電所の検査サービスの他、太陽光パネルのリユース、リサイクルや解体装置の製造販売を行っている。日本では2030年頃から寿命を迎えるパネル排出が増加する見込み。

競合他社

太陽電池の後工程分野の装置に関しては競合が皆無。セルテスターを展開する独BERGER社は新興国メーカーが競合となる。

連結の範囲

連結子会社は1社で、米国にて同社製品の販売支援・保守サービスを行うNPC America Corporationが該当していたが、米国に製造拠点を設け営業を強化するため、NPC America Automation Inc.に改めた。自動車関連を中心とした日系企業をターゲットとしている。

強み・弱み

太陽電池の後工程製造装置を自社で一貫ラインとして提供できる唯一のメーカーであること、装置を提供した国は50ヶ国以上にのぼり、各国の規格・仕様にも対応できることが強み。また製造原価に占める材料費の割合が80%程度を占め、固定費に対して変動費が多いことから損益分岐点が低位に抑えられている。一方で2020年8月期売上高の8割弱を米国FIRST SOLAR社に依存しており、他社、他業界への販売先開拓が課題。同時に海外売上比率が高いため、為替リスクも持つ。

KPI

①受注高・受注残高
②米国における太陽電池設置量(2023年予測28.5GW、同社資料より)
③為替動向(米ドル)

2021年8月期第2四半期決算説明会資料

業績

2016年8月期から2020年8月期の間は世界各国で順調に太陽電池の設置が進んだことなどから売上高はほぼ2倍、営業利益は約8倍に。しかし2021年8月期について同社は客先の新規プロジェクトに時間を要していることなどから減収減益を予想している。フリーCFは前受金の減少が大きかった2019年8月期を除きプラス維持。自己資本比率は変動あるが上昇傾向で2020年8月期は69.7%。有利子負債は3期連続ゼロ。