3457 And Doホールディングスの業績について考察してみた

3457 And Doホールディングスの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2022.Q4 2022.06 12,234 968 7.91%
FY2023.Q1 2022.09 9,612 343 3.57%
FY2023.Q2 2022.12 15,824 1,406 8.89%
FY2023.Q3 2023.03 10,503 694 6.61%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q3 2017.03 4,282 292 6.82%
FY2017.Q4 2017.06 3,987 317 7.95%
FY2018.Q1 2017.09 4,659 436 9.36%
FY2018.Q2 2017.12 4,873 452 9.28%
FY2018.Q3 2018.03 5,378 441 8.2%
FY2018.Q4 2018.06 7,607 787 10.35%
FY2019.Q1 2018.09 6,078 471 7.75%
FY2019.Q2 2018.12 6,593 618 9.37%
FY2019.Q3 2019.03 8,896 826 9.29%
FY2019.Q4 2019.06 9,979 1,241 12.44%
FY2020.Q1 2019.09 6,061 37 0.61%
FY2020.Q2 2019.12 8,453 490 5.8%
FY2020.Q3 2020.03 8,441 615 7.29%
FY2020.Q4 2020.06 9,923 751 7.57%
FY2021.Q1 2020.09 7,523 315 4.19%
FY2021.Q2 2020.12 11,211 926 8.26%
FY2021.Q3 2021.03 6,617 25 0.38%
FY2021.Q4 2021.06 13,686 1,323 9.67%
FY2022.Q1 2021.09 11,071 792 7.15%
FY2022.Q2 2021.12 11,219 999 8.9%
FY2022.Q3 2022.03 6,871 112 1.63%
FY2022.Q4 2022.06 12,234 968 7.91%
FY2023.Q1 2022.09 9,612 343 3.57%
FY2023.Q2 2022.12 15,824 1,406 8.89%
FY2023.Q3 2023.03 10,503 694 6.61%

沿革

1991年4月、京都府にて同社代表取締役安藤正弘氏が三伸住販有限会社を譲受け、不動産仲介業を開始。1992年4月有限会社オリエントハウジングに商号変更。1997年1月株式会社オリエントハウジングに改組。2005年12月に合併によって株式会社ハウスドゥ(旧)設立。また株式会社オリエントハウジングを株式会社ハウスドゥネットワークに商号変更。2006年2月株式会社ハウスドゥ(旧)にてフランチャイズ事業を開始。2009年1月には株式会社ハウスドゥ(旧)のフランチャイズ事業部を株式会社ハウスドゥ ・フランチャイズ・システムズとして設立、2011年6月に株式会社ハウスドゥ(現:同社)に商号変更。2013年10月ハウス・リースバック事業を開始。2015年3月東証マザーズ上場、2016年12月東証一部に変更。2022年1月持株会社制へ移行し株式会社And Doホールディングスに商号変更。2021年6月時点で加盟店数702店舗をほこる不動産売買仲介のフランチャイズ経営やハウス・リースバック事業を展開する

株主構成

有価証券報告書によると2021年12月末時点の筆頭株主は、同社代表取締役安藤正弘氏の資産管理会社とみられる有限会社AMCで保有割合35.51%、同氏個人が10.76%で続き、合算すると保有割合は46.27%になる。以降は保有割合5%未満で国内信託銀行信託口、国内外金融機関、個人投資家などが並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は11名(社内7名、社外4名)、うち監査等委員は2名(社内1名、社外1名)。なお、取締役ではない社外の監査等委員もう1名を加えた全3名で委員会を構成している、監査等委員会設置会社である。社内取締役はプロパーのほか、9432日本電信電話、金融機関、弁護士等様々な経歴を持つ。

代表取締役の経歴

代表取締役社長CEOの安藤正弘氏は1965年6月生まれ。高校卒業後、地元不動産会社に就職するも後に倒産、1991年4月三伸住販有限会社(後に同社が吸収合併)の代表取締役に就任する。現在は子会社の代表取締役、取締役も複数兼任している。

報告セグメント

フランチャイズ、ハウス・リースバック、金融、不動産売買、不動産流通、リフォーム、小山建設グループの7報告セグメントと、(欧米流)不動産エージェントおよび海外事業が含まれるその他に大別される。2022年6月期第2四半期におけるセグメント別売上・利益構成は下図の通りで、不動産売買が事業の中心であるほか、利益面ではフランチャイズの構成比率が高い。

2022年6月期第2四半期決算説明資料

事業モデル

フランチャイズ事業は、ブランドやネットワークを必要とする中小不動産事業者や新規に不動産業へ参入しようとする企業に対し、ノウハウ(集客戦略、IT戦略、教育研修等)を提供し、その対価として加盟料およびロイヤリティを受け取るビジネスモデルである。店舗数は下図の通り順調に拡大し、2025年には1,000店舗を目指している。

2022年6月期第1四半期決算説明資料

不動産売買事業は中古住宅買取再生販売、新築戸建住宅販売、住宅用地の開発、一棟収益不動産の再生販売等、自ら不動産を取得し、付加価値を付けて一般顧客・投資家に販売するビジネスモデルである。不動産の販売価格から仕入やその他の原価を差し引いた残りが儲けとなる。同社の不動産に関する情報はグループ直営店及びフランチャイズ加盟店、他の不動産業者との「買取パートナー制度」を軸に入手している。
ハウス・リースバック事業は顧客が所有している物件を同社が買い取り、定期建物賃借契約(毎月家賃が発生)を締結することで、当該物件に継続して住むことができるシステムであり、個人住宅のセールアンドリースバック商品である。資産整理、資金調達のために「不動産を売却する」という選択肢しかなかった従来の買取システムだけではなく、「不動産を活かす」という発想のもとにサービスを提供しており、賃料収入のインカムゲインに加え、売却によるキャピタルゲインも期待できる安定かつ高収益モデルの事業である。同事業では、テレビ・ラジオCMをはじめとした積極的なプロモーションにより2013年10月の事業開始以降、問い合わせ件数が順調に拡大していたが、新型コロナの影響で営業活動が制限されたことにより新規案件獲得数は一時低迷。2021年6月期は復調の兆しが見え、801件(前年比+167件)、再売買・処分・ファンドや不動産買取会社への売却件数は684件(▲45件)だった。2022年6月期第2四半期末の累計保有不動産は448件であり、賃貸等不動産として運用している。

同社HP TOP>事業内容>ハウス・リースバック事業

金融事業では金融機関との提携により、リバースモーゲージ等の担保評価および保証業務を行う。リバースモーゲージは大手金融機関を中心に取り扱い機関が増加しており、今後の需要拡大を見込んでいる。

競合他社

不動産業界でフランチャイズを運営する企業としては、8898センチュリー21・ジャパン(2021年3月期売上高3,867百万円)、賃貸仲介の8889APAMAN(2021年9月期売上高44,419百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

連結子会社は7社。金融事業を担う株式会社フィナンシャルドゥや、ハウス・リースバック事業を担う株式会社ピーエムドゥ、株式会社京葉ビルドなどで構成される。また持分法適用関連会社として、H-DO (THAILAND) Limitedが中古住宅リノベーションやフランチャイズ事業を海外展開している。

強み・弱み

全国約700店舗のネットワークを活かした販売力や、ハウス・リースバックに代表される新サービスを展開、住まいのワンストップサービスとして事業シナジーを強化していることなどが強みとして挙げられる。弱みとしては、物件取得にかかる有利子負債への依存度の高さ(2021年6月末の有利子負債額38,268百万円、前年同月比+476百万円、総資産に占める割合66.8%)、創業者としてリーダーシップを発揮する代表取締役への依存などが挙げられる。

KPI

セグメント毎の主要KPIと2022年6月期第2四半期時点の数値は以下の通り。
①フランチャイズ事業:新規加盟契約数53件、累計加盟契約数692件(対前期末比で▲10)
②ハウス・リースバック事業:新規取得保有物件数455件、累計保有物件数448件
③不動産売買事業:取引件数295件
④金融事業:リバースモーゲージ新規保証件数157件

業績

CM等の広告宣伝効果や加盟店増加による認知度向上により2018年6月期以降4期連続増収。特にハウス・リースバック事業の増収が寄与している。営業利益はコロナ禍の影響を受けて2020年6月期に前期比▲49.4%の減益。特に不動産売買事業の減益幅が大きかった。2021年6月期は同事業に動きが戻り復調、前期比+36.7%の増益、6.6%の営業利益率となった。投資CFのマイナス大きく、フリーCFはマイナスの期が多い。財務CFは有利子負債による調達が多くプラスの期が多い。手許現金を厚くしており、2018年6月期の3,685百万円から2021年6月期は16,313百万円に増加。2021年6月期の自己資本比率は22.3%

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