5070 ドラフトの業績について考察してみた

5070 ドラフトの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2008年4月東京都にてオフィス内装事業を目的とした株式会社ドラフトを設立。2012年4月家具、インテリア用品等の企画・販売を目的とした株式会社ディーパブリックを子会社として設立。2013年11月3D画像等の製作を目的としたD-RAWRITE INC.(フィリピン)を子会社として設立(現連結子会社)。2018年3月株式会社ディーパブリックを吸収合併。2020年3月東証マザーズへ上場オフィスや商業施設、都市開発等の空間設計・施工を行う

株主構成

有価証券報告書によると2020年12月末時点の筆頭株主は、代表取締役社長の山下泰樹氏で49.44%を保有。同氏の資産管理会社であるTDA株式会社が21.62%を保有しており、併せて70.06%を保有。そのほかに、信託銀行の信託口や投信口、国内外証券会社、常務取締役の長谷川幸司氏などが並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は4名(社内3名、社外1名)、監査役は4名(全員社外、1名は常勤)、監査役会設置会社である。常務取締役の長谷川幸司氏は、大日本印刷株式会社やジャスコ株式会社(現イオン株式会社)などの出身者、取締役の荒浪昌彦氏は株式会社博報堂の出身者である。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の山下泰樹氏は1981年2月生まれ。武蔵野美術大学を中退後、ボンド大学大学院修了。その後2008年4月に同社を設立し、現職へ就任。Best of Year、SBID、INSIDE Awardなど海外のデザイン賞を多数受賞し、日本の若手デザイナーとして国際的評価も高い。

報告セグメント

「企画・デザイン・設計・デザインビルド事業」の単一セグメント。2021年12月期第1四半期の売上高は1,566百万円、営業利益は176百万円であった。2020年12月期における対象領域別の販売実績に対する割合は、「オフィス」が63.9%、「商業施設」が3.7%、「都市開発・環境設計・その他」が32.4%となっている。また、主要な販売先はサンフロンティア不動産株式会社で、販売実績に対する割合は15.0%を占める。

事業モデル

企画・デザイン・設計・デザインビルド事業は、元請けとしてプロジェクトマネジメントおよびコンストラクションマネジメントを行う。「人が長い時間を過ごす場所はもっと快適であるべきだ」という発想のもと、快適で心地の良いオフィス空間の設計デザインからスタートした。現在のデザイン領域は、複合施設の環境設計、老朽化したビルのリニューアルデザイン、都市計画における建築デザインまで広がり、インテリアから建築設計まで幅広い分野に拡大している。最前線で活躍するデザイナーが代表取締役を務め、グループ従業員の約5割がデザイン部門に所属。オフィスや商空間等のインテリアデザインだけでなく、地方・国の社会課題を解決するスマートシティ、スーパーシティなど、街づくりの建築デザインに至るまで、新たな価値の創造に取り組む。売上は3月が最も増加、12月が他の月に比べて少ない傾向がある。

2020年12月期 決算説明会資料

新型コロナウイルスによる行動様式の変化や働き方の多様化は、空間デザイン及び建築設計に対するニーズにも変化をもたらしており、デザイン力を基軸とした同社グループへの需要は高まっているとみられる。特にオフィスにおける空間デザインは、従来の「全員が集まって一斉に行動するための空間」とは一線を画すもので、同社デザインの必要性は今後益々増加するものと見込んでいる。

競合他社

9716乃村工藝社(2021年2月期売上高1,077億円)、9622スペース(2020年12月期売上高400億円)、5071ヴィス(2021年3月期売上高80億円)などが競合として挙げられる。しかし、同社の事業領域はオフィスから建築デザインまでと幅広く、独自性が高いとみられる。

連結の範囲

同社グループは、同社及び連結子会社であるD-RAWRITE INC.にて構成される。D-RAWRITE INC.は、フィリピンにおいて、同社が発注する3Dイメージパース(建物の完成予想画像)等の製作を行う。

強み・弱み

デザイン力と企画提案力の高さが強み。また、大手の不動産デベロッパーから、大企業や新興企業など、幅広い顧客をクライアントに抱える豊富な取引実績も強み。一方で同社事業では、特に都市開発やビルリノベーション等において景気動向の影響を受けやすい点が弱み。また代表取締役が事業戦略のみならずデザイナーとして重要な役割を担っており、同氏の業務遂行が困難となった場合、同社業績に影響を与えるものと考えられる。

KPI

①受注案件数
②領域別売上高

2020年12月期 決算説明会資料

2020年12月期 決算説明会資料

業績

2018年3月期から2020年12月期までの4期が開示されている。直近期は決算期変更により9ヶ月間の数値となっている。12ヶ月換算して比較すると2020年3月期までは増収増益、直近期は減収増益となったが、売上高が伸びる3月を含まないことが主要因。全体ではデザイン性と提案力の高さを背景に特命案件が増加しているとみられる。営業CFは期によってさまざま、投資CFは恒常的にマイナスだが、直近期は土地・建物の取得により大きめの拠出となっている。2021年12月期第1四半期の自己資本比率は46.1%。