1890 東洋建設の業績について考察してみた

1890 東洋建設の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2022.Q3 2021.12 39,108 2,435 6.23%
FY2022.Q4 2022.03 39,521 4,094 10.36%
FY2023.Q1 2022.06 36,005 879 2.44%
FY2023.Q2 2022.09 37,476 1,520 4.06%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.03 41,235 1,666 4.04%
FY2018.Q1 2017.06 38,228 1,295 3.39%
FY2018.Q2 2017.09 43,272 3,752 8.67%
FY2018.Q3 2017.12 40,665 2,300 5.66%
FY2018.Q4 2018.03 50,470 3,481 6.9%
FY2019.Q1 2018.06 30,571 971 3.18%
FY2019.Q2 2018.09 45,046 2,310 5.13%
FY2019.Q3 2018.12 40,785 1,653 4.05%
FY2019.Q4 2019.03 47,458 2,881 6.07%
FY2020.Q1 2019.06 38,821 2,237 5.76%
FY2020.Q2 2019.09 47,543 2,620 5.51%
FY2020.Q3 2019.12 46,757 2,707 5.79%
FY2020.Q4 2020.03 41,684 1,704 4.09%
FY2021.Q1 2020.06 34,430 1,548 4.5%
FY2021.Q2 2020.09 41,423 2,496 6.03%
FY2021.Q3 2020.12 47,903 4,878 10.18%
FY2021.Q4 2021.03 49,220 5,337 10.84%
FY2022.Q1 2021.06 34,216 1,277 3.73%
FY2022.Q2 2021.09 39,679 1,810 4.56%
FY2022.Q3 2021.12 39,108 2,435 6.23%
FY2022.Q4 2022.03 39,521 4,094 10.36%
FY2023.Q1 2022.06 36,005 879 2.44%
FY2023.Q2 2022.09 37,476 1,520 4.06%

沿革

1929年7月兵庫県西宮市鳴尾地先を埋め立て、工業港を建設することを目的として、南満州鉄道と山下汽船の共同出資で阪神築港株式会社を設立。1961年10月大証2部に上場、翌年には東証2部に上場。1964年5月、東洋建設株式会社に商号変更し、8月に東証1部へ市場変更をおこなう。1995年阪神淡路大震災の復興工事に従事。2002年には前田建設工業株式会社と業務提携。2011年東日本大震災の復興工事に従事。2022年4月、東証の市場区分見直しにより、プライム市場へ移行した。現在は全国の主要都市とアジアを中心とする海外に支店を広げている。国内土木・建築事業、海外建設・不動産事業を営む

株主構成

有価証券報告書によると2022年9月末時点の筆頭株主は、業務提携先である前田建設工業株式会社で、保有比率は20.1%。ついで投資会社のWK 1 Limited、WK 2 Limitedがそれぞれ9.7%を保有する。3番手以降は日本マスタートラスト信託銀行の信託口が8.7%、WK 3 Limitedが6.2%と続く。以下は5%未満の保有で、国内外の金融機関がならぶ。2022年6月発表のコーポレートガバナンス報告書によると、外国人株式保有比率は30%を超える

取締役会

取締役は8名(社内5名、社外3名)、監査役は4名(社内1名、社外3名)、監査役会設置会社。取締役は全員東洋建設の生え抜き社員である

代表取締役の経歴

代表取締役社長の武澤恭司氏は1951年8月生まれ。慶応大学法学部を卒業後、1975年4月に東洋建設入社。2003年4月関東建築支店長就任。2006年6月執行役員に就任。2008年6月に取締役建築本部副本部長、2010年4月常務執行役員建築事業本部長に就任。2014年4月代表取締役社長に就任し、現在にいたる。
代表取締役経営管理本部長・サステナビリティ担当の藪下貴弘氏は1958年1月生まれで。1982年4月同社入社、子会社の株式会社オリエント・エコロジーへの出向で社長経験を有す。

報告セグメント

「国内土木事業」、「国内建築事業」、「海外建築事業」、「不動産事業」の4報告セグメントに大別される。2023年3月期の第2四半期の売上高73,481百万円の構成比は国内土木事業47.7%、国内建築事業37.3%、海外建築事業14.7%、不動産事業0.3%である。うち海外建設事業が赤字であった。

会社資料よりPERAGARU_BLOG作成

事業モデル

国内外の海洋土木を中心とした工事の受注により収益を上げている。地方自治体や官公庁案件が多い。また、国内の物流施設の工事案件も豊富で、大型物件の建築を手掛けている。土木技術、環境技術、建築技術を有し、技術研究所での研究、PFI事業なども手掛ける。中期経営計画では、ストック収入につながるReReC(Renewal/Renovation/Conversion)へ注力することも掲げている。官庁、医療福祉、環境施設、宿泊施設、事務所、住宅、生産施設、物流施設を重点8分野として受注量の確保に努めている。
海外事業はフィリピンを最重要拠点国とし、ケニア、インドネシア、インドシナへ展開する。フィリピンの工場・倉庫建設部門では日系1位の売上高で、スズキフィリピンの倉庫増築や、太平洋セメントのコンベア建設、P&G倉庫などの実績を有す。

2022年3月期 決算概要説明資料

競合他社

1893五洋建設(2022年3月期売上高485,000百万円)6269三井海洋開発(2021年12月期売上高276,024百万円)、等があげられる。いずれも海洋土木や海洋掘削に強みのある会社だ。

連結の範囲

連結子会社6社、非連結子会社4社、その他の関係会社3つから構成される。主要な子会社は国内土木事業と不動産事業を営む株式会社トマック、海外建設事業を営むCCT CONSTRUCTORS CORPORATIONである。

強み・弱み

海洋土木工事の技術力の高さが強み。また、それに伴い、官公庁等がメイン顧客であることも強みである。大型の建築物では物流拠点の建築実績を豊富に有す。海洋土木工事は、脱炭素を掲げる政府の後押しもあり、洋上風力発電を成長ドライバーとしており、今後の業績拡大に寄与する可能性がある
官公庁の顧客が多く、政策や予算の方針に業績が影響を受ける点は懸念点である。また、中計で収益性の向上が指摘されるように、海外事業において収益性を高めることや、安定した実績を積み上げていくことが課題とみられる。

KPI

中期経営計画では、2029年7月の創立100周年に向けた、長期計画の1st Stepとして2020-2022年度の3か年計画を開示している。営業利益、営業利益率、純資産額、自己資本比率、ROEの目標値を示しておりKPIとなる。くわえて、下記のような数値はKPIとなり得る。
受注高:2023年3月期第2四半期936億円(前年同期比+442億円)
完成工事高:2023年3月期第2四半期734億円(前年同期比▲4億円)
完成工事総利益率:2023年3月期第2四半期10.6%(前年同期9.6%)

2023年3月期第2四半期 決算概要説明資料

業績

過去5期分の業績推移をみると、売上高は170,000百万円前後で停滞。2022年3月期は152,524百万円である。経常利益は2021年3月期に14,103百万円となったものの、10,000百万円をなかなか超えられない状況が続く。自己資本比率は右肩上がりで、2018年3月期30.7%から50.2%へと上昇。
今後は洋上風力発電を成長ドライバーと位置づけ、研究開発、投資を促進していく計画を発表しており、脱炭素・クリーンエネルギーを掲げる政府の国策に沿った経営戦略を取っていく

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