6067 インパクトホールディングスの業績について考察してみた

6067 インパクトホールディングスの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2022.Q2 2022.06 3,376 353 10.46%
FY2022.Q3 2022.09 3,533 382 10.81%
FY2022.Q4 2022.12 4,092 503 12.29%
FY2023.Q1 2023.03 3,487 339 9.72%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q1 2017.03 1,618 63 3.89%
FY2017.Q2 2017.06 1,535 0 0%
FY2017.Q3 2017.09 1,291 61 4.73%
FY2017.Q4 2017.12 1,605 153 9.53%
FY2018.Q1 2018.03 1,373 103 7.5%
FY2018.Q2 2018.06 1,539 67 4.35%
FY2018.Q3 2018.09 1,483 74 4.99%
FY2018.Q4 2018.12 1,882 162 8.61%
FY2019.Q1 2019.03 1,605 70 4.36%
FY2019.Q2 2019.06 1,823 35 1.92%
FY2019.Q3 2019.09 2,027 155 7.65%
FY2019.Q4 2019.12 2,454 254 10.35%
FY2020.Q1 2020.03 1,904 136 7.14%
FY2020.Q2 2020.06 2,692 179 6.65%
FY2020.Q3 2020.09 2,990 222 7.42%
FY2020.Q4 2020.12 3,488 492 14.11%
FY2021.Q1 2021.03 2,962 340 11.48%
FY2021.Q2 2021.06 3,014 342 11.35%
FY2021.Q3 2021.09 3,223 366 11.36%
FY2021.Q4 2021.12 4,134 630 15.24%
FY2022.Q1 2022.03 3,587 512 14.27%
FY2022.Q2 2022.06 3,376 353 10.46%
FY2022.Q3 2022.09 3,533 382 10.81%
FY2022.Q4 2022.12 4,092 503 12.29%
FY2023.Q1 2023.03 3,487 339 9.72%

沿革

2004年2月、東京都にて株式会社メディアフラッグ設立。2005年4月にリニューアルしたフィールドマーケティングシステム「Market Watcher」は2011年より中国でも販売する。2007年12月8053住友商事と2433博報堂DYホールディングスが資本参加。2012年9月東証マザーズ上場。多数の子会社設立を経て2019年4月インパクトホールディングス株式会社に商号変更。2020年11月2768双日が資本参加。2014年12月に東証一部指定マーケットリサーチの大手で、店舗巡回や試食・試飲販売派遣(マネキン)事業やデジタルサイネージなど、流通小売店舗におけるフィールドマーケティングサービスをワンストップで提供する

株主構成

有価証券報告書によると2021年6月末時点の筆頭株主は、同社代表取締役の福井康夫氏で保有割合16.23%。福井氏の資産管理会社とみられる福井企画合同会社が5.66%で続き、以降は保有割合5%未満で2433博報堂DYホールディングス、7914共同印刷、国内外金融機関、同社取締役でタリーズコーヒージャパン株式会社を設立した松田公太氏、個人投資家が並ぶ。外国人株式保有比率は10%以上20%未満

取締役会

取締役は7名(社内3名、社外4名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。設立20年未満の企業のためプロパー役員はおらず、社内3名中代表権を持たない取締役である石田国広氏は、販売促進関連企業を経て同社に入社した。

代表取締役の経歴

代表取締役は2名。取締役社長の福井康夫氏は1968年5月生まれ。早稲田大学卒業後、1991年4月現三菱UFJ銀行に入行。1995年4月株式会社セブン-イレブン・ジャパンに入社、セールスプロモーション制作会社を経て、2004年2月同社を設立、以降代表取締役を務める
取締役副社長の寒河江清人氏は1974年3月生まれ。1998年4月現ヤマダ電機株式会社に入社。転職を経て2008年3月同社へ入社し、同年10月取締役就任。2019年3月より代表取締役を務める

報告セグメント

HRソリューション事業、IoTソリューション事業、MRソリューション事業の3報告セグメントに大別される。2022年12月期第3四半期累計期間におけるセグメント事の売上高、営業利益の内訳は下図の通り。尚、消費が活性化する年末商戦にかけて収益が伸長するため、下期に偏重する傾向にある。

2021年12月期第3四半期決算説明資料

事業モデル

HRソリューション事業では、消費財メーカー向けにラウンダー(店頭へのルート営業代行業務)や推奨販売(店頭での試飲試食販売員の派遣業務)をはじめとしたフィールド(店頭)業務を年間約114万件という国内最大級の規模で実施している。同社グループの中では、cabic株式会社やインパクトフィールド株式会社ら7社が本セグメントを担っている。
IoTソリューション事業は、ファブレスメーカーとして消費財メーカー向け中心に販促用小型デジタルサイネージを提供している。2017年には「PISTA」をローンチし、オンラインによるコンテンツ自動更新や人感センサー・顔認識エンジンを活用した店頭棚前顧客情報取得という新たな付加価値の提供を加速させている。これにより従来の筐体販売だけでなく、オンライン利用料やASPサービス利用料などのストック収益を見込めるビジネスモデルの構築を目指している模様。 また同セグメントを本社とともに担う株式会社impactTVで現在集中的に取り組んでいる飲食・流通小売店舗向けオンライン型サイネージに加え、 美容室・ネイルサロン等を媒体とする広告事業者向けインフラ型オンラインサイネージの展開も強化している。
MRソリューション事業では、日本国内で年間約10万件提供している小売業・飲食業・サービス業向けCS(顧客満足度)、ES(従業員満足度)向上のための覆面調査や、店頭オペレーション改善等のための研修プログラムを提供している。また直近では内部監査代行業務を覆面調査の手法により実施するなどの用途開発や、消費財メーカー向けにグループインタビュー、ホームユーステストなどの新規マーケティング・リサーチメニューの展開を展開中。同社グループの覆面調査を中心とするリサーチメニューの特徴として挙げられるのは顧客ごとの異なるサービス方法、調査目的に合わせ同社グループが保有する流通ノウハウを活用し、調査項目等を顧客の希望に合わせ都度設計している点である。
またインド国内の現地リテール事業会社に対して、チェーン運営・本部機能強化・IT推進・商品開発等のコンサルティングサービスを中心に4年間以上展開し蓄積したノウハウを基に、事業として投資とハンズオン経営をすべく、インド全土に2,700店舗のカフェチェーンを展開するCDELグループと2019年4月にJVであるCoffee Day Consultancy Services Private Limited(以下、CDCSPL)及びCDCSPLの子会社となる Coffee Day Econ Private Limited(以下、CDEPL)を設立してコンビニ事業を開始することを決めた。CDCSPL設立に際して出資および貸付融資を行い、前者の出資金は、CDELグループが保有する既存店舗 425 店をコンビニエンスストアに業態転換する際にかかる資金に充てることを目的に、後者の融資金は既存店舗全てをコンビニエンスストアへの業態転換した後、更なる出店に必要となる費用への前貸しを目的としている。しかしながらコロナ禍の中、各店舗の販売不振が続いており、一部は閉店に追い込まれている。

競合他社

事業全体として競合となる企業は存在しないが、マーケティングリサーチという点では4326インテージ(2021年6月期売上高57,558百万円)、来店客の購買行動を可視化するリアルDATAサイネージをサービス展開する7911凸版印刷(2021年3月期売上高1,466,935百万円)のほか、人材派遣会社や広告代理店など個々の事業領域における競合として挙げられる。

連結の範囲

連結子会社は14社。デジタルサイネージの開発販売を行う株式会社impactTV、什器・ノベルティ等の企画制作を行う株式会社伸和企画、コールセンターやバックオフィス運営サービス等を行うジェイエムエス・ユナイテッド株式会社等で構成される。

強み・弱み

従業員の6割が流通小売業出身で業務にかかる高いノウハウをもつこと販促用小型サイネージの国内シェアは5割超で、豊富な実績をもつこと、それらにプラスしこれまでフィールドマーケティング事業で当社が積み重ねてきた店舗DB(下図)を武器として効果的な販促手法のコンサルティングを交えることが強みとして挙げられる。一方で実店舗での販売促進市場を事業領域としていることから、EC化の進展や取引先流通小売業の戦略等により、店頭に掛ける販促費の多寡が同社業績に変動を与えると考えられる。またコロナ禍において業態転換を一時的にストップ、販売不振店を段階的に閉店しているインド・コンビニ事業の進展も今後の課題。

事業計画及び成長可能性に関する説明資料

KPI

①取引者数:グループ全体で1,500社
②年間フィールド業務:114万件
③累積店舗データベース:726万DB
④店頭プロモーション市場規模:約8,400億円
※上記数値はいずれも同社資料「事業計画及び成長可能性に関する説明資料」(2021年11月24日)から参照

業績

2018年12月期以降3期連続増収増益で2021年12月期も増収増益を見込んでいる。AIを搭載した店舗DBの本格投入によりサービスの付加価値が高まり、案件受注率・収益率が向上したことなどが要因。フリーCFはプラスの期が多いが、2019年12月期はインド・コンビニ事業展開に伴う出資など投資CFが嵩みマイナスとなった。利益剰余金に積み上げ、有利子負債の減少等により自己資本比率は2018年12月期に51.6%まで上昇したが、インド・コンビニ事業に伴う負ののれん、貸倒引当金や有利子負債の増加を受けてその後低下、2020年12月期は31.0%有利子負債の増加を受けて自己資本比率は低下傾向であり、2021年3月期は56.0%

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